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平山書店のレビュー

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掲載レビュー全609件
 
ごみ問題とライフスタイル こんな暮らしは続かない
シリーズ地球と人間の環境を考える 08
高月紘/著
日本評論社
税込価格  1,760円
 
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おすすめ度:
 著者は、ごみ問題が深刻化し始めた60年代から、一貫して廃棄物をテーマに研 究。「ごみ博士」として知られる高月教授である。本書は、現在のごみ事情を著者自身の体験を踏まえて浮き彫りにする。圧巻は、生ごみの組成分析である。なんと驚くなかれ、1割ほどがスーパーから買った状態そのままで捨てられており、その半分以上が賞味期限内だったという。こういった地道な調査を通じた記述は、簡明ながらも信頼のおけるものと言ってよいだろう。その上で、著者は現在の物欲社会の弊害を指摘し、ごみ問題を解決するには発生抑制がなによりも重要だと解く。根本的な解決策にまで踏み込んだ内容は、一読の価値があると思う。(のり) (2006年04月20日)
クリスマス・プレゼント
文春文庫
ジェフリー・ディーヴァー/著 池田真紀子/〔ほか〕訳
文藝春秋
税込価格  1,122円
 
通常1〜2日で出荷
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おすすめ度:
 ジェフリー・ディーヴァーはデンゼル・ワシントン主演映画「The Bone Collector」の原作者として知られる。数ある著作の中で、リンカーン・ライム・シリーズが特に有名である。エドガー賞、アンソニー賞などに数回ノミネートされている。本書もキレの良いどんでん返しが楽しめる。予想の範囲を超えた驚きの結末16連発。あなたも、この快感を味わってみてください。個人的には、「パインクリークの未亡人」がおすすめ。 (のり) (2006年04月20日)
リサイクル 回るカラクリ止まる理由
シリーズ地球と人間の環境を考える 06
安井至/著
日本評論社
税込価格  1,760円
 
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 著者は、リサイクルはかつてのくず鉄回収やちり紙交換のイメージが示すとおり、もともと経済行為であって、コストを下げるためにリサイクルするのがもっとも自然な姿だと指摘する。ところが、人件費の高騰でそれが難しくなってきた今、リサイクルはどんな姿になるべきなのか、というのが本書の眼目である。また、リサイクルのしくみについて解説した第2章と第3章は、素材の細かな違いまでわかりやすく説明しているので、たいへん参考になった部分である。(のり) (2006年04月18日)
小説兜町(しま)
徳間文庫 し3−103
清水一行/著
徳間書店
税込価格  755円
 
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最後の相場師といわれた山鹿悌司の生き様を描いた作品。この主人公山鹿悌司は、日興證券の営業部長、斉藤博司氏という実在の人物がモデルとして描かれているそうだ。主人公の浮沈を通じて、昭和三十年代の日本経済の乱高下をリアルになぞることができる。本田技研や複写機のリコーなどが、新興企業として登場し、時代を感じさせる一幕があるのも、感慨深いものがある。(nori) (2006年04月16日)
海猫 下巻
新潮文庫
谷村志穂/著
新潮社
税込価格  649円
 
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おすすめ度:
 後半は、薫と広次の恋の結末と、薫の二人の娘が描かれる。残念なのは、本作のクライマックスである第2章が、上下巻に分割されてしまっていること。せっかくの流れを断ち切られるようで、少しもったいないのではないか。ところで、4月20日に映画版「海猫」がWOWOWで放映されるようだ。こちらのほうも楽しみである。(のり) (2006年04月15日)
地球温暖化 埋まってきたジグソーパズル
シリーズ地球と人間の環境を考える 01
伊藤公紀/著
日本評論社
税込価格  1,760円
 
メーカーより取寄せ
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おすすめ度:
環境を科学の視点からとらえなおすシリーズ第1弾は、「地球温暖化」がテーマ。 かつて、1980年代には氷河期が来るなんて言われていた時代があったものだが、現在はその逆の温暖化が定説めいた力を持っている。ややもすると、朝令暮改と言われそうなこの大転換を見ていると、やはり環境学という分野の未熟さを思わずにはいられない。そういう中で、このように現在の定説を科学的に検証しようとすることは、たいへんよい試みであると思う。ただし、内容はややむずかしい。それは、地球環境への影響の測り方が難しい太陽光線について、おおきなページを割いているためであるが、丹念に読めば地球温暖化の真の原因が見えてくるだろう。(のり) (2006年04月14日)
つけあがるな中国人うろたえるな日本人 〈21世紀〉日中文明の衝突
徳間文庫 こ29−5
黄文雄/著
徳間書店
税込価格  649円
 
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おすすめ度:
 鋭い筆法で評論活動を続ける黄文雄はそのダイナミックな歴史観と博覧強記の知識によって日本では文明論を展開し、台湾では哲学者としても知られている。本書は中国と日本の文明史を通じて、その対立の歴史を綴ったものだ。ところが、全体のトーンが、中国−悪、日本−善の二項対立一色で、こういう論調には私などは少々嫌悪感を抱いてしまう。中国は元来、性善説性悪説に代表されるように、物事の理解や比較は対立によってなされるようであり、日本のような中間色といった概念がないようだ。結局、つまるところ二つの国は水と油なのだろう。(のり) (2006年04月14日)
ダイオキシン 神話の終焉
シリーズ地球と人間の環境を考える 02
渡辺正/著 林俊郎/著
日本評論社
税込価格  1,760円
 
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おすすめ度:
環境という分野はひじょうに歴史が浅く未知の分野が多いため、あるひとつの発見によって、簡単に評価が一変してしまうことがままある。そのような状況の中で生まれた、現在定説となっている問題を、科学の面から検証してゆこうというのが本シリーズのテーマ。本書の主題であるダイオキシンについては、科学的には、恐れるような状況にはないことが示され、ほっと安心といったところである。しかし、問題なのは、ダイオキシン法により焼却が規制されたことにより、産業構造にゆがみが生じてきていることを著者は指摘する。科学的根拠よりも、政治が優先することのおかしさをあらためて認識させられる一冊である。(のり) (2006年04月14日)
これからの環境論 つくられた危機を超えて
シリーズ地球と人間の環境を考える 12
渡辺正/著
日本評論社
税込価格  1,760円
 
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 著者は環境という分野は、いまだ歴史が浅く未成熟な面を持っていると指摘する。この立場に立って、環境を科学の視点でとらえ、これまでの定説を見直そうとするのが、本シリーズのテーマである。世間の危険論調に慣らされてきた方は、ぜひご一読されたい。(のり) (2006年04月10日)
天国の扉 ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア
沢木冬吾/著
角川書店
税込価格  2,090円
 
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おすすめ度:
最初のページを開くと、二段組みの細かい活字が目に飛び込んでくる。こういう本に遭遇すると、これから目にする本の中身の濃さが想像されて、思わず身の引き締まる思いがするものだ。抜刀術名門名雲家の末娘を殺害した死刑囚の死刑執行を、無差別殺人を ネタに迫る犯罪グループの捜査と抜刀術の名門一家の相克を軸に物語は進むが、読みどころはなんといっても格闘シーンであろう。抜刀術という時代錯誤的な武器を手に、拳銃を持った相手に挑む場面は、題名のように一つの美さえ感じられる。終盤は予想を裏切る展開の連続。真の黒幕が誰なのか、最後まで楽しめる仕掛けが待っている。ただ、事件のきっかけとなった名雲家の末娘殺害の動機が、いまひとつ喰い足りなさを覚えた。よほどの狂人でもないかぎり、人を殺害するにはそれなりの理由があるはずであり、もう少し重みのある動機を与えて欲しかったと思う。最後の最後まで星5つと思っていただけに少し残念。(のり) (2006年04月10日)
きいろいゾウ
西加奈子/著
小学館
税込価格  1,650円
 
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おすすめ度:
 最後まで読み進めないと本書の良さはわからない。前半は若夫婦の日常が描かれるが、なんとなく退屈で、ぬるま湯につかったような展開がだらだらと続く。ただし、誤解しないでいただきたいが、読書子のような地方在住者にとっては、田舎の日常風景などは逆に刺激が少なく感じられるのだ。ところが、ムコが昔の恋人に会うために東京へ行くあたりから、俄然人物に動きが出始め、面白くなってくる。お互い離れた場所にいる若夫婦の体験する出来事が、ひとつのテーマに沿って見事に収束してゆき、前半の単調な展開もラストへの布石だったと気づいた。ページが進むほど夢中になってゆく快感を味わってみてください。(のり) (2006年04月04日)
皇帝の血脈 下
新潮文庫
アラン・フォルサム/〔著〕 戸田裕之/訳
新潮社
税込価格  1,026円
 
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おすすめ度:
この物語の後半では、いよいよタイトルの意味が明らかになる。舞台はヨーロッパから、ロシアへと移り、ジャックもニコラスと名前を変え、殺人者レイモンドをじっくりと追いつめてゆく。前半の追っかけっこもスリリングで楽しかったが、後半は人物の描写が読みどころ。レイモンドの内面が、庇護者の男爵夫人や婚約者などとのかかわりを通じてあぶりだされてゆくにつれ、小説であることを忘れ、こいつだけは生かしておきたくないと思ってしまった。あえていえば、人が死にすぎることに慣れてしまい、途中で結末が読めてしまう点に不満が残った。(のり) (2006年04月03日)
環境問題のウソ
ちくまプリマー新書 029
池田清彦/著
筑摩書房
税込価格  836円
 
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 生物学者である著者が、マスコミによく取り上げられる身近な環境問題について疑問を持ち、様々な角度から論証したのが本書である。物事を裏側からみると、じつにいろんなことがわかってくる。環境保護という美辞の陰には、省庁のの利権や、ビジネスが大きくかかわっていることには、納得させられるものがあった。著者にとっては専門外の、1章「地球温暖化」と、2章「ダイオキシン」がおもしろい。読後、本書で紹介されている関連書を、おもわず探してしまうほど、興味のツボに刺さってくる好著である(のり) (2006年03月30日)
皇帝の血脈 上
新潮文庫
アラン・フォルサム/〔著〕 戸田裕之/訳
新潮社
税込価格  1,026円
 
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 ロス市警の名門チーム5−2班に配属されたジョンが、そこで出会った殺し屋レイモンドの存在をきっかけに壮大なスケールの事件に巻き込まれる、ハードボイルド作品の上巻。とにかく、この殺し屋のゆくところ、次々と人が死んでゆく。このレイモンドの逃走劇が上巻の見物。次々と迫るピンチを、鮮やかな殺しの手口で切り抜ける。息をつくヒマもない展開は、まさにノンストップアクションを見ているような緊張感でいっぱいだ。本来の主人公がかすんでしまうほど、見事な存在感を示したレイモンドには星五つでは足りないくらいである。(のり) (2006年03月30日)
元気の出る読書術
王様文庫
ハイブロー武蔵/著
三笠書房
税込価格  524円
 
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読書するのはなぜか?と問われたら、あなたはと答えるだろうか?積極的には、「面白いから」、「世界が広がるから」、消極的には「ヒマだから」、「やることがないから」などいろいろな回答があるだろう。積極派の人は、いまさら本書のような本を読んでもしょうがないと思われるかもしれない。しかし、自分の読書に、理由付け、をしてしまおうというのが本書のテーマである。読書家の人は新たな読書の推進力として、そうでない人も読書を始めるきっかけとして、新たな発見があるだろう。(かま) (2006年03月26日)
中国「反日」の末路
長谷川慶太郎/著
東洋経済新報社
税込価格  1,650円
 
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 著名な国際派エコノミスト長谷川慶太郎が、中国政治体制の崩壊を予言したのが本書である。ソ連の崩壊とロシアの低迷を引き合いに出しながら、現代中国が抱える問題点を鋭く指摘し、崩壊はすでに始まっているという。最近、個人投資家の間でも中国への投資が脚光を浴びているが、現在投資中の人、これから投資を考えている人たちにとっては有益な情報が多いだろう。(のり) (2006年03月26日)
中国は日本を併合する
平松茂雄/著
講談社インターナショナル
税込価格  1,760円
 
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 中国研究家の著者は、これまで半世紀近くもの間コツコツと地道な研究を続け、隣国の野心と脅威を繰り返し国民に説いてきた。本書は、国家戦略といった大局的な観点から、今の中国の実像を明らかにするものである。衝撃的なタイトルから警鐘本的な印象を持った方もいるかもしれないが、中国という国家が一貫した目的をもち、それに向けて少しずつ前進し、結果を出してきた過程がひじょうに読みやすくまとめられている。その執念深さはものすごい脅威となって、読み手の心に迫るだろう。(のり) (2006年03月26日)
日本の政治ニュースが面白いほどわかる本 政治をこんなにやさしく語っていいの?!
滝沢中/著
KADOKAWA(中経出版)
税込価格  1,540円
 
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 この本を読むまで、今の憲法の草案が、わずか10日間でつくられたものだったとは知らなかった。本シリーズはわかりやすさに重点を置き、「広く浅く」の内容のものが多かったが、本書は現在の日本の政治課題を3つに絞り、その説明も、高度な内容のものが多く含まれている。この手の本は賞味期限が短いので、買ったらすぐ読んでください。 (のり) (2006年03月26日)
シャイロックの子供たち
池井戸潤/著
文藝春秋
税込価格  1,781円
 
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 江戸川乱歩賞作家、池井戸潤の最新作。とある銀行の支店で起こった現金紛失事件を発端として、幾重もの謎が次々と読み手の前に提示される。その面白さは一気に最後まで読ませてしまう力がある。登場人物たちの様々な人間ドラマと交錯しながら描かれる事件の動機がとてもリアルで、しっかりとした骨太の作品に仕上がっている。謎解きの爽快感もさることながら、サラリーマンの悲哀を感じさせる内容となっていることも、読み手の共感を得るポイントだろう。今年初めて出会った極上の本格ミステリである。 (のり) (2006年03月22日)
さざなみ
沢村凛/著
講談社
税込価格  1,540円
 
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 借金苦から謎の女主人の執事となった男が、女主人から次々と繰り出される難問に立ち向かってゆく話、妻の尻に敷かれている冴えない中間管理職の男の物語、そして日常のありふれた出来事を描いた、3つの物語が交互に進行してゆきます。これらの物語がどうつながってゆくのか、とても興味深いところで、その答えを探しながら読み進めるのは一種の快感でした。一見無関係に見えるタイトルの意味も、最後まで読むとスッキリ明らかになるあたり、読書子の充足感を大いに満たしてくれた一冊でした。(のり) (2006年03月22日)

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