|
| すぐじ書店のレビュー |
 |
| 掲載レビュー全167件 |
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
 |
||
| アメリカ文学史を代表するアンチヒーロー？ | ||
|
||
|
昨年お亡くなりになったサリンジャーの代表作。ホールデン・コールフィールドが1人称でおくる年末数日間のどうでもいい話。それでもそのどうでもいいぐだぐだしたホールデンの話は誰の中にでもある駄目で弱い人間性を鮮やかに描き出していて自分を投影したり友達を投影したりしてしまいました。ジョンレノンを殺した犯人が犯行直前に読んでいた本としても有名ですが、60年代のヒッピーやカウンターカルチャーに傾倒していた人が愛読していたというのもうなずける内容でした。ホールデンは駄目な人間ですが間違いなくアンチヒーローでそこがなんともいえない魅力でした。 （2011年11月15日） |
||
 |
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 悪い奴がいたもんだ。 | ||
|
||
| 人間なにか悪いことをしようとするときには多少なりとも罪悪感を感じると思うのですが（そう信じたい）、この作品の主人公・朝倉恭介の悪事に対するためらいのなさ、無関心さを見ていると、平々凡々な己の価値観が思わずゆらぎそうでコワイです。彼が生業とするのはコカインの密輸。人を奈落に沈める悪行を、彼は実に淡々とこなします。「うわーコイツわっるーい！」と指差したくなる一方で、あまりにスマートに悪をこなしていく姿が格好いいとさえ錯覚させられてしまう。勝ち組・負け組なんて思想が浸透した現代では余計、彼は勝ち組なんだな、などと納得してしまいそうですが、ちょっと待て。ほんとうに、それでいいのか？お天道様は見ているぞ…。彼は勝ち組のまま生き残るのか、はたまた、天罰が下って地獄へ落ちるのか。それは続くシリーズでわかることかもしれません。 （2011年11月11日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| アラサー女子が主人公です。 | ||
|
||
| ３０歳を目の前にした独身女性が焦るのはいつの世も同じなのね、とちょっと苦笑気味にご紹介したいのは、ご存じ「赤毛のアン」の著者モンゴメリの作品です。２９歳の誕生日を迎えた主人公ヴァランシーは、周囲から「オールドミス」と同情のまなざしを向けられることにも、また内向的な自分自身にも耐えられず、あることをきっかけに家を出、病で死にかけている友人シシィの看病につきます。そして、ついには大胆な行動に出るのです…。一言でいえば、アラサー女子にささげる愛と勇気のシンデレラストーリーとでもいいますか、このまま現代に置き換えてハリウッドのラブロマンス映画になりそうな印象。いい味出しそうなわき役もそろっているのです。また、アン・シリーズがお好きな方なら、自然の風景の描写など、あちらこちらにアヴォンリーの面影が見えるでしょうし、ヴァランシーが友人シシィを看取るシーンは、アンがやはり美しい友人ルビー・ギリスを亡くしたエピソードを思い出します。秋の夜長にオススメな一冊です。 （2011年10月29日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| だまされないために、だます方法を知ることのすすめ | ||
|
||
|
タイトルを見ると「眉唾ものか？」と思われるかもしれませんが、初版は1968年、現在85刷りの超ロングセラーです。本書を読めば新聞等で毎日のように見かけるあんな統計やこんな統計を懐疑的な視点から見るようになります（それが良いのか悪いのかは読者次第）。本書によると統計のウソを見破る5つのカギは1.誰がそういっているのか？（統計の出所に注意）、2.どういう方法でわかったのか？（調査方法に注意）、3.足りないデータはないか？（隠されている資料に注意）4.いっていることが違ってやしないか？(問題のすりかえに注意)5.意味があるかしら？（どこかおかしくないか？）ということらしいですよ。 （2011年10月22日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 跋扈するデストロイヤー集団はどこから来てどこに向かうのか？ | ||
|
||
|
舞台は立川。多摩都市モノレールが出てきたりして多摩在住の頃を思い出しました。とか感傷に浸っている場合は全くありません。謎の超強い生物が街を壊し人間様を食べる食べる。この先ストーリーが進んでいけば謎の生物の出現理由等々分かってくるのでしょうが、現時点では全く謎。跋扈するデストロイヤー集団はどこから来てどこに向かうのか？昔よく遊んでいた町がリアルな描写で破壊されていく模様は筆舌に尽くしがたいです。 （2011年10月15日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 為替介入はヤブ医者の処方箋なのか？ | ||
|
||
|
為替介入はヤブ医者の処方箋であると著者は本書の中で述べています。そして、将来的に円は1ドル50円に向かっていくのが相当ではないか（急激に50円に向かっていくのと、あらかじめ合意を得て徐々に向かっていくのでは大きく結果が異なるとおっしゃられてますが、）とも。現状の1ドル76円でさえ超円高といわれ輸出業を中心に大打撃をくらっている現状の中で1ドル50円はあまりにも厳しいのではないかと凡人のわたくしは思っていますが、要はドルが基軸通貨（既に基軸通貨ではない？）でドル換算で経済が成り立っているのが当たり前だと思っているとそんな発想になってしまうのであって、筆者のおっしゃられるとおり、1ドル50円になれば円建取引は増えるでしょうし、ドルに対する需要は低下してドルの価値は減価しドル離れがドル離れを呼んでドルが過去の基軸通貨であったポンドのような存在になればドル建決済はほとんどなくなり確かに円ドル相場に一喜一憂することはなくなりそうですね。ソフトランディングはいばらの道でしょうけど。通貨のことが素人にも分かりやすく書いてあるこの本を読んで趣味は多品種大量飲酒の浜さんのことがますます好きになりました。こんなご時世にはぜひ一読を。 （2011年10月05日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 超イケメン、だけど超超変人！ | ||
|
||
| 女子社員全員に嫌われているイケメンが軽井沢で大活躍（？）する愉快なミステリー。軽いノリなのに構成はしっかり本格派。相次ぐ殺人事件は奇奇怪怪。それに立ち向かう変人イケメン水乃サトルと、彼に不毛な恋する美並由加理のコンビも面白く、「謎解きはディナーのあとで」が好きな方にはオススメです！それにしてもサトルのキャラクターはまだまだ未知数だ……。 （2011年09月24日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 「スポーツの秋」と「読書の秋」はつながっていた | ||
|
||
|
スポーツの秋と読書の秋を結び付けてくれる本書。 運動を、特に有酸素運動を継続的にすることにより身体的な健康はもちろんのこと、 脳にも良い影響が多々あることを非常にわかりやすく解説してくれています。 毎朝、日本でいう部活の朝練のようなものを取り入れた学校の学力が著しく向上 した話やうつ病の方が治療に運動を取り入れることにより病気が快復し、 しかも薬いらずになった話など運動をむしろ肉体の為というよりも脳の為に常日頃の 習慣に取り入れるべきだと思わせられずにいられない1冊。 （2011年09月23日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 恐れることはない、読んでみるべし！ | ||
|
||
|
近年女性同士の恋愛を描く「百合」ジャンルの台頭は感じつつも、その領域に踏み込んだことはなく、未知の世界（笑）でしたが、この「百合男子」の表紙を見た時は、これは絶対ギャグだ！とただならぬオーラを感じて即買いしました。案の定アハハハ！と爆笑どころ満載の内容でしたが、意外だったのは思わず「ほほう…」と唸るくらい百合という世界の奥深さを垣間見たこと。それは百合好きの主人公の名言に凝縮されています。曰く「我思う、故に百合あり。…だがそこに我、必要なし」と。ふ、深い…！（笑）どうやら大前提として百合とは本来男子禁制の世界。百合好きの男子、すなわち百合男子にとっては、自分の愛する百合世界には己の存在すら邪魔なのだそうで…すごいジレンマだな！とむしろ感服いたしました。また、実は書店員である私は日々入荷してくる商業としての百合モノを完全に男性向けとして展開していましたが、先に述べたとおり本来は男子禁制の世界、つまり女性読者を意識しているわけで…。このあたり、無意識に偏見というか先入観があり、もっと広い目で販売していかなければなぁと、勉強にもなりました。奥深いです。 （2011年09月10日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 「宝くじ当たったら何しよう」というレベルじゃないです。 | ||
|
||
| この小説、もちろんフィクションでありながら、ある意味、戦後の日本復興に関わる、もう一つの真実の物語と言いたくなる作品です。終戦直前に帝国陸軍が極秘裏に隠した財宝、その額なんと時価２００兆円。しかも、それはマッカーサーから奪ったもの。当然、行方を捜すマッカーサー。しかし、口を閉ざす者、永遠に口を閉ざしてしまった者、そして……。このように途方もない財宝をめぐる現在と過去の物語ですが、決して心躍るお宝探しロマンではなく、過去の部分は悲話というほかありません。財宝の隠匿に関わった者たちそれぞれの信念が下した悲痛な決意とその結末は胸をうがちます。賛否両論あるでしょうが、しかしわたしは彼らに託された希望という余韻を残して物語は閉じたと思います。「蒼穹の昴」や「地下鉄（メトロ）に乗って」につながる作品とのことですので、未読の方はぜひどうぞ。 （2011年09月09日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 競争戦略に関する本の教科書的位置付け | ||
|
||
|
「ストーリーとしての競争戦略」他、多くの著書で取り上げられ、参考とされている本書。出版当時から月日がたっているため、出てくる企業や業界が古くなっている感は否めませんが、根底を通じる戦略論は瞠目に値し（ちょっと偉そうか？）競争戦略に関する本の教科書的位置づけで読んでみるのが良いかもしれません。ページ数も約500ページとかなり分厚く読み応え十分です。 （2011年09月03日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 初代ノギャル！？ | ||
|
||
| 説明不要の「のだめ」の著者二ノ宮知子さんの作品です。もう十年以上前の作品ですが、初めて読んだ当時は、こんな面白い漫画って他にあるか！？と夢中で一気読みしました。以来、誰に勧めてもウケてます。漫画嫌いの知人にも無理やり読ませたところ、一時間後には笑い転げていた光景は忘れられません。農業をやってみたくなったという人もあり、野菜をもりもり食べたくなったという人もあり、日本の農業に活力を与えることも間違いなし。星５つじゃとても足らない！とにかく笑って元気になれる漫画です！ （2011年08月27日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| これは効くかも。 | ||
|
||
|
ここ1年ほどランナーズニーに悩まされ、近所の整形外科に行き 色々と膝の運動等教えてもらい治療をしましたがなかなか良くならずに 悶々としていた時に出会ったのがこの本です。 重症度別にひざのトレーニングや柔軟の仕方が丁寧に書かれており、 私も本のとおりに実践していますが着実によくなってきているような気がします。 ランナーズニー以外のひざのスポーツ障害の治療法も出ておりひざの痛みを 抱えている方、また整形外科のお医者さんや整骨院の方々にもおすすめの一冊です。 （2011年08月27日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 数学って…もしかして面白い？ | ||
|
||
|
「”ポアンカレ予想”って知ってる？」と道行く人々に片っ端から尋ねたら、いったいどれだけの人が「イエス」と答えられるでしょうか。きっとポカン、とされるのがオチ。じゃあ、何なのと言えばそれは読んでのお楽しみ、と逃げさせていただきますが、ちょろっとだけネタをバラせば、”宇宙に張り巡らせたヒモを回収できるか否か”がとっても重要なことなんだとか。…なんのこっちゃ？きっと文系の人ほど、読んで「へぇ〜！」とうなるはず。わたくし自身、学生時代はなるべく数学と遠ざかってきたのですが、この本を読むと、なぜあれほど数学を嫌っていたのか、むしろ残念に思ったのがビックリです。案外大人になってからのほうが、数学は楽しいのかも。”ポアンカレ予想”にしても、高等数学を学ばなければ、そんな問題があることすら知らない！一部の数学者たちだけが知りえる世界というか、独占してこねくりまわしているなんて、なんだかズルイぞ！と思ってしまいました。未知の世界が開けて数学への興味が高まる本です！ （2011年08月20日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 夏に味わいたい寂寥感 | ||
|
||
|
病院で死ななくても空襲で死ぬ。戦争が過激さを増し本土空襲も熾烈を究めてきた頃に九州のF市で行われた米兵の生体解剖に関与した人々の物語。当然ではありますが、戦時中の話がメインということもあり決して明るくはありません。医学の発展の為の生体解剖という建前のもとに、病院内での医者の出世争いや看護婦の個人的な当てつけや恨みといった様々な感情が手術室にカオスとして渦巻き、また物語の舞台が海に近い場所ということもあり随所で海や波が寄せたり引いたりするシーンが描写されていますが、それがまた不安を助長させ、読後はなんとも言えない寂寥感に。夏に読みたい1冊。 （2011年08月11日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| エースとアシストの大人の関係 | ||
|
||
|
「サクリファイス」「エデン」に続くシリーズ待望第3段です。今作は前2作の主役である白石が物語の中心ではなく、白石がはじめに所属することになった日本のチーム、「チームオッジ」の白石加入以前のコアメンバーである赤城と伊庭に主眼が置かれている、どちらかというとスピンオフなストーリーとなっています。サクリファイスを読んだだけでは決して分からない伊庭というエースと、赤城というアシストの熱くもありドライな関係。みんなそれぞれがそれぞれに理想や目標をもち、時には嫉妬したり挫折したりしながらそれでもペダルを漕ぎ続けている姿は自転車乗りでなくても共感できます。 （2011年08月11日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 仲がいいんだか、悪いんだか。 | ||
|
||
| 「御茶ノ水署」という架空の警察署を舞台にした御茶ノ水シリーズ第一弾！巡査部長昇任試験に落ち続けている梢田威と、その昇任試験の邪魔をし続ける上司で、梢田とは小学校の同級生だった斉木斉。この主人公コンビのやりとりが、「あぶデカ」みたいにコミカルで非常に面白く、一気に読んでしまったのですが、あとがきを読んでいてビックリ。……最初の短編が発表されたのが１９８５年だって！？（私はオムツもとれてないぞ！）……時代特有のものとして「ポケベル」が登場するくらいで、信じられないくらい古さを感じさせません。面白いものはいつまでたっても面白いんですね。短編集ですが、毎回犯人が意外な人物で、これにもビックリします。ちょっと暇つぶしに何か読もうかな、というときには最適な一冊だと思います。 （2011年07月30日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 山の中に何かいる…！ | ||
|
||
| ミステリーかホラーだと思って読んだら、以外にもハリウッド級のスリルのパニックエンタテイメントでした！一言で言うなら、山版「ジョーズ」！…といえばどんな話かおわかりですね？海の中で鮫に追い回されるのも怖いですが、木々がうっそうと生い茂る山の中で…というのも怖い。正体が明らかになった「何か」に襲いかかられるシーンも、いや〜怖かった怖かった！思わず本を握りしめて「逃げてぇー！」とじたばたしてしまったくらい。この生々しさと迫力は、ぜひ映画で見てみたい！ （2011年07月16日） | ||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 次にくるスポーツはこれ | ||
|
||
|
本書はアスロニアの白戸太朗氏監修によるスポーツ経験がない人 でもはじめられるトライアスロンの入門書です。 競技の説明からトレーニングの仕方、道具の選び方等、大会情報等 他に類のない入門書となっています。マラソンだけじゃ物足りず新しい 競技を考えているという方にぜひおすすめです。 （2011年07月12日） |
||
|
|
|
| 商品詳細画面へ | ||
|
||
| 主人公がパワフル過ぎて、感動なんてしてるヒマはありません。 | ||
|
||
|
坂木司さんとか、有川浩さんなんかの色々な「お仕事」が舞台の小説が好きです。これは消防士たちの命を懸けた活躍を描いたお話―といえば聞こえが良いですが、実際は主人公がパワフル過ぎて、感動なんてしてるヒマはありません。 しかもこの物語、ミステリ要素はあるわ、火事にまつわる化学的・専門的な解説も読みごたえあるわ、そのくせ「漆黒の王子」なる得体のしれない中年オヤジはでてくるわ、たんなる新米消防士の成長物語というだけにはおさまりきらない不思議な魅力をもっています。たとえてみれば、「食べ放題」でしょうか。ひととおり味わってみて、気に入ったところに食いついてヨシ、みたいな。続編やスピンアウトもありますので、１作目がお気に召したかたはぜひどうぞ。 （2011年07月12日） |
||
|
| 掲載レビュー全167件 |
| このページのトップへ |