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福文堂書店本店のレビュー |
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掲載レビュー全209件 |
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シリーズものの第三弾とありますが、 この作品から読んでも大丈夫! 廃病院に肝試しに訪れた学生たち。 入ったはいいが出られない! 奇妙な造りの建物の中には、盛られた土と卒塔婆。 卒塔婆に書かれた過去の死者の名前と不気味な文言。 その通りに殺されていくメンバー。 呪いか?復讐か?犯人は誰? ところどころに差し挟まれる犯人のモノローグ。 犠牲者が出るごとに増していく恐怖とパニック。 読者の推理を完全に裏切る驚きの結末。 一気に読める作品です。 (2019年09月06日) |
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「死の色が見える」少女、鳴(メイ)が夏休みに経験したエピソードが描かれます。 両親と行った別荘地で出会った男の幽霊。彼は自分の死体を探しているのです。 幽霊の視点で物語は進んでいくのですが、「幽霊の意識」というのは継続しているのではなく、途切れ途切れなのです。 なるほど。 失われた記憶を少しずつ取り戻し、自分がどこで、何故死んだのか、謎を解いてゆきます。 自分はなぜ成仏できないのか、死体は見つかるのか、、、? 綾辻行人作品ですからね。 すんなり終わるわけがないのです。 これも最後まで読み進めると驚きの結末です。 素直に読めばもちろん驚きを楽しめるし、 著者との知恵比べをしながら読んでも面白い! ぜひぜひどうぞ! (2019年09月06日) |
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夜見山市にある中学校の「呪われた三年三組」に転入することになった主人公。 存在するはずのない「死者」が紛れ込み、 次々に生徒と親類が死んでいくという災厄。 呪いの正体はなんなのか、 紛れ込んだ死者とは誰なのか、 呪いを解く方法はあるのか、 謎を解いていく物語です。 物語はもちろん、 登場するキャラクターがとても魅力的です。 作品全体を覆う雰囲気も神秘的。 「暗黒館の殺人」と似通った雰囲気で、 作者の趣味嗜好が強めに反映されているようです。 死者の正体、呪いを解く方法、 意外であり読後は切なさも感じます。 (2019年09月06日) |
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物語の舞台は1980年代。私たちが実際に生きている世界とは少し違う技術発達をしている世界です。 新技術を用いた画期的な小型飛行船「ジェリーフィッシュ」。 この新型機の飛行実験が行われており、空飛ぶ密室状態の船内で次々と人が死んでゆくのです。 アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」状態ですね。 乗組員の視点、捜査する刑事の視点、犯人と思しき人物の視点、3つの時間軸が交互に描かれていて、 ところどころに違和感を覚えつつも少しずつ状況を把握しながらちょうどいいところで焦らされ、最後の最後に全てが明かされた時に驚き納得する、 非常に気持ちのいいミステリー読書ができる1冊です。 王道ミステリーと言えましょう。 この本はとてもオススメです(о´∀`о) (2019年09月06日) |
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ドラマ化・映画化・舞台化を何度も繰り返した名作です! 湖からにょきっと生えた脚は非常にインパクトがあり、それを模した製氷器などもあります。 一代にして巨万の富を成した財閥の創始者が死に際して残した遺言の驚愕の内容。 遺産の相続をめぐり遺族がお互いを牽制しあう中とうとう起きた殺人。 仮面の男は本当に跡取り候補なのか、覆面をした謎の復員兵の正体は? 一族にまつわる忌まわしい過去とは? 「業」とか「因果」とか「陰惨」なんて単語が非常にしっくりくる世界です。 全体を薄暗い気配が覆っているのですが、その中で時折現れる金田一耕助の人柄が ほっと明るさを感じさせるのが魅力的で、物語のアクセントといいますか、息継ぎになっていると思いました。 (2019年05月09日) |
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「ぼぎわんが、来る」「ずうのめ人形」に続く比嘉姉妹シリーズの3作目です。 前2冊とは違い、こちらは短編集ですが、ライターである野崎の初めての事件や、 比嘉姉妹の子供の頃のエピソード、後に結婚することになる真琴と野崎の馴れ初めなども知ることができる、 ちょっと嬉しい内容の1冊です。 6編の物語が収められているのですがどれも趣が違います。 身も凍るような恐怖!!という感じではないのですが、オチを読んで「ほぅ、」と思ったり、 幻想的な雰囲気だったり、いかにも定番なお膳立てだったり。 1冊でいろんなテイストのお話が楽しめるので、 ちょっと得した気分になりました。 (2019年05月09日) |
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雑誌編集者のもとに届いた、変死したライターが遺した謎の原稿。 読んだ者にだけ見えるという喪服姿の人形。 徐々に近づいてくるその人形が自分の目の前に迫ったとき、いったい何が起こるのか。 「ずうのめ人形」に関する手記と、雑誌編集者に迫り来る危機が交互に描かれ、 少しずつ小出しにされる恐ろしさと不可思議さと、刻々と高まっていく緊迫感や焦燥感がとても効果的で、読んでいてはらはらしてきます。 意図的なミスリードにもしっかり引っかかって、最後に明かされる意外な人間関係に驚いたり、 書かれていること、出てくる人物に無駄なんかないんだ、と妙に感心してしまったり、、、。 図書館に設置されていた匿名の「交流ノート」、今でも時々見かけますが、ノスタルジック。 このノートが非常に重要なアイテムとなるのですが、物語の本筋以外の部分で、琴線に触れる要素がちらちらとあって、 とても面白く読める作品でした。 (2019年05月09日) |
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舞台は農場なのですが、搾取されるばかりだった動物が人間に反旗を翻し、 一致団結して人間を追い出し、自分たちで農場を経営・管理し始めます。 最初は理想に燃え力を合わせていた動物達ですが、次第に権力者とそうでないものに別れ始め、理想的な農場経営にほころびが生じ、、、 といった感じです。 やはりコミカライズということで内容はだいぶ縮められているように感じます。 ちょっと駆け足な感じ。 当時の社会を鋭く風刺した内容が、石ノ森章太郎の絵により、時にユーモラスに、 そしてダイレクトに力強く視覚に訴えてきます。 ラストに権力を貪る豚が人間と一緒に酒宴を開くシーンがあるのですが、 豚のアップが徐々に悪辣な人間の顔に変化していく描写があって、 非常に印象的です。 (2019年05月07日) |
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物語の主人公は推理作家。 彼の元に中学時代の同級生から不可解な手紙が届きます。 「折り入って話たいことがある。」手紙に添えられた北原白秋の詩。 不審に思いながらも彼女の家を訪ねると、そこは浮世離れした洋館で、やはり中学時代の同級生が二人。 再会を喜ぶ間も無く3人は監禁されてしまうのです。同窓会を目前に、なぜ自分たちが監禁されたのか。 自分たちの置かれた状況を飲み込めずにいる3人の前に現れた女性の死体は、自分たちを招待した同級生のもの。 犯人は何者なのか、このままなすすべも無く殺されてしまうのか、、、? 視覚イメージをとても刺激されます。 舞台となる洋館なのですが、とにかく変わった建物で、その様子が詳細に描写されており、とてもイメージしやすいです。 そこにワーグナーの音楽だったり、北原白秋の詩だったりがプラスされて、現実離れした世界が構築されています。 終盤明らかになる犯人とその動機ですが、なんとも辛く、 読んだ後もしばらく物語の余韻でしんみりしてしまいました。 (2019年05月07日) |
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助産院に勤めながら不妊治療を続ける紗英と育児中の奈津子。 立場・境遇は違えどお互いを拠り所としていた2人だが、 紗英の夫が殺されたことにより、その関係性と運命が変わっていく、、、。 という話なのですが、これはもう最後まで読むと仰天です。 「あああああああ!騙されたぁあぁぁぁ!!!」 そしてページを遡っては「あぁ!これが!!」「ここも!!」と叫ぶことになるのです。 読んだ後のしてやられた感が非常に心地いい作品です! (2019年05月07日) |
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実に奇妙な手記から物語が始まります。 とある芸術家の妄執ともいうべき記録。 占星術に基づいた至上の芸術作品の構想。 これを書いた芸術家は殺され、その娘たち6人も手記になぞらえて殺害されるのです。 謎は解かれることのないまま数十年。 占星術師の御手洗と友人の石岡が謎に挑むのです。 終盤に明かされるトリック、、、!! 作者自身をして「傑作」と言わしめたその奇想天外さは、 本当に読んでいて驚きです。 乱歩や横溝正史を思わせるような妖しさ・おどろおどろしさ、 ホームズ・ワトソンスタイルの掛け合いなど、 トラディショナルなミステリーが好きな人は夢中で読めてしまうと思います! (2019年05月07日) |
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アパートの一室で3人の大学生が互いに殺しあうという謎の事件発生。 警察の捜査の結果、「マダラ」というアプリをインストールして起動すると、人を殺さずにいられなくなってしまうという仮説が。 捜査の合間にもアプリはどんどんインストールされ、混乱が、、、。 誰がなんのためにそんなアプリをつくったのか、阻止することはできるのか!? という物語なのですが、、、 事件そのものの謎解きもそうですが、そこに付随して描かれる社会の動きなどが、 「もしそういう現象が起きれば、そうなるのかもしれない、、、」と思わされます。 予備知識がない状態で読み始めたのですが、意外性や展開の大きさに終始驚かされました。 (2019年05月07日) |
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例のジブリのアニメ映画の表紙が目を引きますね。 読み始めてすぐに思ったのは「うわ、読みにくい!!」 この作者の文章は非常に独特のリズムがあるのです。 句読点の使い方が読み慣れた文章とはまるで違うのです。 一つの文章が細かく「、」で区切られ長々と続き、体言止めも多く用いられます。 目で追っていると時々つんのめってしまうけれど、 声に出してみるとそのリズムの小気味良さがよくわかります。 さて、物語の内容ですが、 第二次世界大戦中、あるいは戦後の日本人の体験、生活を描いたいくつかの短編が収められています。 非常に生々しく、生きるか死ぬかの瀬戸際で人はどう振る舞うのか、とか悲しさだけでなく、人の汚さ、厭らしさなど、決して綺麗事では済まされない現実を突きつけられたような気がします。 幼い娘を殺害した久子という女性を描いた「死児を育てる」という物語が非常に印象に残りました。 決して気楽に読める作品ではありませんが、 やっぱり1度は読んでおくべき作品なのだろうなぁ、と思いました。 (2019年05月07日) |
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謎の人物から正体を受けた8人の客と、館で働く夫妻。 突如読み上げられるそれぞれが犯した過去の罪。 客室に掲げられた童謡の歌詞と同じように一人一人殺されていき、ダイニングに飾ってあった10体の兵隊人形が一体一体消えていく。 最後の一人が死んで残る謎。 「誰が犯人なのか?」 容疑者全員死亡!でも犯人は外部の人間ではない。密室状態の孤島で起きる不気味な犯罪。 現代のいろいろなマンガや小説にもちらほらとこの作品のモチーフが見受けられます。 それを発見するのも楽しいですよね。 結末は内緒ですが、 頑固で潔癖な老婦人、気難しい老将軍、いかにも胡散臭げな男、などなど、 人物描写がはっきりとしていて、キャラクターがイメージしやすいです。 ドラマや映画もたくさん出ていますが、 映像は見たけど原作はまだ、な人は是非読んでみてください。 (2018年10月17日) |
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300年以上も数学者達を悩ませ続けた問題がいかにして解かれるに至ったか、その過程が描かれています。 数学大好きなアマチュアのおじさんが、数学書の余白に書いたシンプルなメモが発端となり、以後の時代の名だたる数学者たちがその証明に挑みます。 問題そのものよりも、 それに挑んだ数学者たちのドラマや、数学のさまざまな分野とその発展の歴史に重点が置かれていて、物語としてとても面白いのです。 それぞれの時代に少しずつ問題を解く糸口が生み出され、それを手掛かりに新しい概念やテクニックが編み出され、次の世代がそれを発展させ、とどんどん積み重なって最後にとうとう証明が完成し、と思ったら問題が発覚、、。 とても凄いと感じたのは、数学音痴でも、途中で挫折することなく読み進めることのできる内容であるということ。 作中では数学のいろいろな理論だとか定理だとか数字だとか出てきますが、 「んー、難しくてわかんない、、、もういいや」ということがありませんでした。 訳者の技量も重要です。 夢中で読める一冊です! (2018年10月11日) |
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凄惨な拷問を加えられた形跡のある遺体が発見されるところから物語が始まります。 たったひとつ残された遺留品は「hf」と書かれた小さなメモ。 最新鋭の自律式産業ロボットを備える化学工場で起きた大規模な事故。 なぜ事故が起きたのか、遺体とどう繋がるのか、 現職刑事と、元同期の警備員が命をかけて事件に挑む!! 導入、謎解き、アクション、葛藤、などいろいろな要素が盛り込まれているのですが、 収束に向けての盛り上がりも非常にドキドキハラハラで、読んだ後の爽快感がとても良いです。 一気に読めて気持ちいい!! 「本読むの楽しい!もっと読みたい!」と思わせてくれる1冊です。 (2018年09月21日) |
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東北を舞台に、写真をモチーフに描かれる短編集です。 写したり写されたり、本当に写真って身近なものですよね。 もし自分が撮った写真に、この世のものではないものが写っていたら?? 崖から飛び降りてしまった編集者の遺したカメラに写っていたもの、、、 他の人が撮るとなんともないのに、自分が撮ると亡くなった人が写っている、、、 カメラ越しにしか辿り着けない異次元、、、、 などなど写真が身近だからこそ、ふとした怪異も身近にあるというような、、、。 なんといいますか、みちのくが舞台だからというのもあるのでしょうか、 柳田国男だとか、小泉八雲だとか、そういう雰囲気を感じました。 (2018年09月21日) |
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アガサ・クリスティーのデビュー作です!! アガサ・クリスティーといえば、名探偵ポアロにミス・マープル! この作品では名探偵ポアロが大活躍です。 スタイルズ荘という屋敷に招かれたヘイスティング大佐。 そこで女主人が不可解な死を遂げます。病死か?殺人か? 友人の名探偵、エルキュール・ポアロに助けを求める大佐。 事件現場は完全な密室。屋敷の関係者全員に殺害の動機がある。 誰が犯人なのか?密室トリックはどうやって作り上げたのか? ポアロの捜査が進むにつれ明らかになる複雑な人間関係。 明らかになっている手がかりから犯人を導き出す過程が存分に楽しめます。 まさに王道ミステリーです! (2018年09月14日) |
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タイトルも表紙もなかなかにインパクト。 お嬢様学校で起きた、ある生徒の転落死。彼女の遺体の手にはすずらんの花が握られていた。 彼女が再興した文芸部で彼女を悼んで行われた闇鍋と短編小説の朗読会。メンバーがそれぞれ書いてきたのは、彼女の死に関する「告白」だった。 圧倒的なカリスマ性を持つ美少女と、彼女を取り巻く少女たちの間に何があったのか、誰が彼女を死に追いやったのか、、、。 メンバーの語る告白はそれぞれ矛盾があり、 読んでいて誰の言葉が真実なのか、あれこれ推測しながら読んでいくと、最後の最後で驚かされます。 読み終わった時「ひぇーーーー」と声に出して言っていました。 語り手ごとに文体が変わっていて、そこも面白く、ぜひ本で読んでほしいです。 (2018年07月05日) |
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見えない、聞こえない、話せない、獣のように育った女の子と、目の見えない女教師。 ぴんときますよね? ヘレン・ケラーとアン・サリヴァン。 原田マハの「奇跡の人」は、舞台を明治時代の青森に移して描かれています。 けら・れん、さりば・あん。名前ももじってあります。 基本的な家族構成などはそのままに、この作品オリジナルの人物も加えられて、 より物語の世界が深まっています。 知っている物語ではありますが、舞台が日本になっているので、 大きなお屋敷や、れんが閉じ込められている蔵の様子などなど、イメージが非常にしやすく、とても感情移入しやすいです。 情熱、悔しさ、喜び、悲しさなど、感情のふり幅が大きくて、 読みながら同じ空間にいるような気がしてしまいます。 (2018年05月02日) |
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