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ほんのいえ宮脇書店越谷店のレビュー

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掲載レビュー全611件
 
レーエンデ国物語
多崎礼/著
講談社
税込価格  2,145円
 
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レーエンデ国物語
おすすめ度:
まさにファンタジー小説の王道。装丁に引き込まれページをめくれば、瞬く間に異世界レーエンデの世界観に魅了されてしまう。壮大にして深淵な世界に没頭できるのは、まさに読書の醍醐味である。最新にして古典ともなって後世に残るファンタジーともいえよう。美しき抒情詩に浸りきった先には充実した読後感が待っている。
(2023年08月21日)
青瓜不動 三島屋変調百物語九之続
宮部みゆき/著
KADOKAWA
税込価格  2,090円
 
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青瓜不動 三島屋変調百物語九之続
おすすめ度:
宮部みゆきライフワーク三島屋変調百物語シリーズの最新刊。江戸の神田を舞台に、切なさや人情たっぷりの表題作「青瓜不動」など、どれも読みごたえ十分の4篇からなる。宮部作品の時代ものの魅了はどっぷりつかれる臨場感。あたかも作者自身がタイムトリップして書いているようで、瞬時に読者を引きずり込んでいってしまう。加えて随所に挿しこまれた墨絵が一層に異世界へと誘う。百物語とうたっているからまだまだ楽しみを続けてくれるだろう。 (2023年08月20日)
ハンチバック
市川沙央/著
文藝春秋
税込価格  1,430円
 
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ハンチバック
おすすめ度:
この芥川賞、文学界新人賞受賞作は実に衝撃的である。日常の有り様がひっくり返される思いがする。読み手の価値観が試されるようでもある。ギリギリとねじ伏せられるほどの圧倒的な感情が練り込まれた文章に打ちのめされてしまった。読後のノックアウト感が強烈である。小説の可能性、あり方をあらためて考えてしまう作品に出会えた。 (2023年08月19日)
ボタニカ
朝井まかて/著
祥伝社
税込価格  1,980円
 
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ボタニカ
おすすめ度:
朝ドラ主人公のモデル、牧野富太郎の生涯を直木賞作家が克明に描く。とてつもなく偉大な業績のかげには、これもまた大きすぎる様々な葛藤があった。まわりが見えなくなるほどのあふれる植物への情熱が伝わる。天才植物学者を支える家族のおもいも深く感じとれる。とりわけ妻の献身ぶりは胸がつまるほどである。こういった偉人をひとりの人間として感じとれる小説の力はすばらしい。作家朝井まかての本領発揮の読みごたえある長編作品だ。
(2023年07月24日)
この夏の星を見る
辻村深月/著
KADOKAWA
税込価格  2,090円
 
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この夏の星を見る
おすすめ度:
夏休みイチオシ、定番の青春物語の名作になりそうな一冊。離れた場所に暮らす中高生が天文というひとつの興味に向かって進んでいく。青春真っ盛りの生き生きとした会話が、物語をいっそうにまぶしく感じさせる。感受性に満ちあふれた人生のきらめく季節を思いっきり生きている。コロナ禍で失ったものは大き過ぎるが、それでもささやかな光や喜びを求める前向きな気持ちにさせてくれた。読書の力を実感させてくれる本に出会えた。 (2023年07月11日)
物語の種
有川ひろ/著
幻冬舎
税込価格  1,650円
 
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物語の種
おすすめ度:
物語の「種」となる体験談やキーワード、写真などを投稿してもらって、それをもとに作家有川ひろがおはなしにしてしまったという、ありそうでなかなかお目にかからない企画。全10篇の短編小説のどれもに癒されたり心踊らされたり。好みの作品を選んでみるのも面白い。持ち込まれた素材が一流料理人にかかるとこんな料理が完成しました、といった感じか。長編小説とはひと味違った有川作品の魅力に出会える一冊。 (2023年06月28日)
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
岸田奈美/著
小学館
税込価格  1,430円
 
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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった
おすすめ度:
多くを感じ文字にすることで思いを伝えることができる稀代のエッセイストである。この一冊をもとにできたNHKBSプレミアムドラマが話題となっている。本書の「はじめに」と「あとがき」をじっくり読むと、いっそうに著者の思いや覚悟がうかがえる。泣かせるためでなく、笑わせるためでもない言葉の紡ぎ方にグイグイと引き込まれてしまう。これからも多くを発信し続けるであろう岸田奈美さんから目が離せそうにない。 (2023年06月27日)
女の背ぼね 新装版
佐藤愛子/著
リベラル社
税込価格  1,320円
 
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女の背ぼね 新装版
おすすめ度:
前書きの署名に「百嫗(おうな)佐藤愛子」とある。著者の40代から70代にかけてのエッセイから編まれたこの一冊。ファンにはたまらない爽快な弁舌ぶりである。波瀾万丈というか時代そのものが変化し過ぎた流れの中で書き続けた作家の生きざまを感じる。時にグサリと、時におおらかに、そしてまたチクリと日常を切りとる。でもどこかクスリと笑ってしまいたくなるのが佐藤愛子節の魅力とあらためて思う。大きな字でのんびりと味わうことができる。 (2023年06月27日)
幸福は絶望とともにある。
曽野綾子/著
ポプラ社
税込価格  1,540円
 
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幸福は絶望とともにある。
おすすめ度:
曽野綾子の新聞連載などで好評だったエッセイを束ねた一冊。個人の生き方とは、という誰もが抱える問題提起に、グローバルな視点を持つ著者の言葉が時に鋭くときほぐす。早読みしないでていねいに読みたい。読み進むほど、著者が色紙に書くという「後は野となれ」の境地が少しずつわかってくる気がする。 (2023年06月22日)
102歳、一人暮らし。 哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方
石井哲代/著 中国新聞社/著
文藝春秋
税込価格  1,540円
 
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102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方
おすすめ度:
重版続きの話題作。おばあちゃんの日記スタイルの生き方御指南書。今の世の中数々の長生き本があふれかえっていますが、この本の説得力はピカイチ。なんと言っても実践者ですから。笑うことや感謝すること、同じことの繰り返す幸せ、機嫌よく生きることの大切さなど、教えられることがいっぱい。おばあちゃんの毎日そのものが素敵な物語になっています。表紙の哲代おばあちゃんの写真がすてきです。なにかをマネしたくなる思いがする魅力ある本です。 (2023年06月21日)
ヨモツイクサ
知念実希人/著
双葉社
税込価格  1,848円
 
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ヨモツイクサ
おすすめ度:
知念地獄に見事にはまってしまった。ホラーの域を超越した禁断のストーリー。底知れぬ不気味さに息をつまらせ、目を背けることを許されないまま、怪物・知念実希人の餌食となってしまう。小説家知念実希人が恐ろしくなった。この作家の脳内で増殖するさらなる創造物から目が離せそうにない。壮大な創世の神話をつむぐ、映像化不可能とも思える美しさと酷さを描ききるのは、まさに小説のなせるわざ。 (2023年05月29日)
かっかどるどるどぅ
若竹千佐子/著
河出書房新社
税込価格  1,650円
 
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かっかどるどるどぅ
おすすめ度:
小劇場で質のいい濃密なお芝居を観ているような心地がした。こんなにもグイグイと人の気持ちを掘り進む物語にはじめて出会った。行き詰まった人生にも大きなおにぎりが光を灯してくれる。生きるってしんどいけれど、やっぱり生きててよかったと思える泣き笑いいっぱいのお話だった。芥川賞受賞作「おらおらでひとりいぐも」に続く、プロ小説家若竹千佐子の覚悟のこもった作品。 (2023年05月29日)
街とその不確かな壁
村上春樹/著
新潮社
税込価格  2,970円
 
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街とその不確かな壁
おすすめ度:
待ちに待った6年ぶりの最新書き下ろし1200枚の長編小説。村上ファンには馴染みあるモチーフを感じることができよう。「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思わせる壁の内と外の物語が三部構成で淡々と綴られる。コロナ禍で3年近く、ほとんど外出することもなく、こつこつとこの小説を書いたという。1980年に執筆した未書籍化の中編小説に新たな構想を加えて、40数年ぶりに長編として根っこから書き直して決着させた作品とのこと。村上ワールドに思いっきり浸れる価値ある記念すべき作品であることは確かだ。 (2023年05月12日)
くもをさがす
西加奈子/著
河出書房新社
税込価格  1,540円
 
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くもをさがす
おすすめ度:
ガン治療中から書き始めた日記から生まれたノンフィクション。どん底からでもヒカリを見いだす強い生命力を感じずにはいられなかった。語り部として「もう一人の自分」ニシカナコを書いているようで、壮絶な闘病の辛さを乗り越えようとする強い意志が伝わってくる。滞在先のバンクーバーを好きになるほどに「日本人らしさ」に気づいていく感覚は作者ならでは。数々のメディアで作者自身が力強く作品を語っていることで、メッセージがより強く伝わってくる。読み応えありの一冊だ。
(2023年05月02日)
ゴリラ裁判の日
須藤古都離/著
講談社
税込価格  1,925円
 
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ゴリラ裁判の日
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メフィスト賞受賞作。この賞は下読みなしでプロの編集者が直接に選ぶという極めてトンガッタ賞である。題名から想像しにくいユニークな作品で、独特な設定を不自然と思わせないなかなかにシリアスなお話。夫ゴリラを人間に射殺され、手話で会話ができるようになったゴリラのローズが一人称で語る主人公。人間とは?動物とは?読みながらに多くの問いかけをもらうことに気づく。読めばゴリラを見る目が間違いなく変わります。 (2023年04月26日)
朝星夜星
朝井まかて/著
PHP研究所
税込価格  2,420円
 
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朝星夜星
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直木賞作家朝井まかての長編小説最新作。日本初の西洋料理人の半生を、妻の目線でつづった物語。激動する明治の日本外交を舞台にして、維新の英雄たちが次々と登場し、様々な史実をおりまぜながらの展開は、さながら大河ドラマを見ているようだ。著者の本拠地大阪の空気をふんだんに揉み込んだ人情味あふれる小説。 (2023年04月17日)
汝、星のごとく
凪良ゆう/著
講談社
税込価格  1,760円
 
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汝、星のごとく
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みごと2023年本屋大賞を受賞!本読みプロの書店員が選ぶ賞に2020年「流浪の月」に続いて選ばれる快挙。 2年ぶりの長編作も人の心情をぐいぐいと書き込んでいく作者の真骨頂を発揮。読む者に時に息苦しくなるほどの切なさを与えつつも、登場人物とともに成長していっているような錯覚におちいる。作者の非凡な表現力により、恋愛小説の新たな可能性を感じずにはいられない。書店には「本屋大賞の20年」という過去の受賞作品パンフも置いてある。大賞作をさかのぼって読むのも面白い。 (2022年11月28日)
月と散文
又吉直樹/著
KADOKAWA
税込価格  1,760円
 
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月と散文
おすすめ度:
又吉さんの書くものは実に味わい深い、と今更ながら読みふけってしまう。
10年ぶりのエッセイ集。心が静かになる。気持ちがやさしくなる。感覚が澄んでくる。人にやさしくなれる。日常がいとおしくなる。言葉をたいせつにしたくなる。そんなそんな万能薬のようである。
プロフィールは芸人である。すぐれた物書きの芸術であると思う。
帯にある未収録原稿が読めるアプリも気になるところ。
(2023年04月12日)
老害の人
内館牧子/著
講談社
税込価格  1,760円
 
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老害の人
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内館牧子待望の「高齢者小説」第4弾。「終わった人」「すぐ死ぬんだから」「今度生まれたら」の3部作に続く最新作は累計部数を伸ばし続けている。80代90代の群像劇に、そうそう!もう!とつぶやきながら、ついつい笑ってしまう。どこかせつなさもポロリ。明日はわが身と思って読み上げてください。パワフルな登場人物たちがそれぞれの目線から、直面する課題に立ち向かう。どれもが結構深くて考えさせられます。 (2023年03月29日)
光のとこにいてね
一穂ミチ/著
文藝春秋
税込価格  1,980円
 
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光のとこにいてね
おすすめ度:
物語は2人の少女が出会いと別れをくり返しながら静かに静かに進んでいく。軽やかな透明感、せつなくもあり、熱っぽくもある不思議な作風に引き込まれる。昨秋の発刊以降、続々がかかっている。本読みのベテランが推す本屋大賞ノミネートに挙がるのもおおいにうなずける。
これほど心地よい読後感の作品は最近では珍しいかもしれない。
(2023年03月21日)

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