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井戸書店のレビュー |
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掲載レビュー全153件 |
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お遍路は「人生の深呼吸!」 | ||
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最近の新聞記事でも四国八十八ヵ所お遍路さんが人気みたいですね。この不景気の中、生き方を見出そうとする人が増えてきたのでしょう。また、若者が多いらしい。70歳でお遍路さんとして実際に歩いた著者が、遍路の厳しさと共に、人のやさしさに触れつつ、様々な動詞を取上げて書いたエッセイです。 (2005年09月29日) | ||
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偏ることの意義は大きい! | ||
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カシオと言えば電卓。電卓はそろばんを置き換えた存在ですし、小学校の算数でも使うようになりました。その開発や商品化にはカシオの命運がかかっていたことは非常に興味深く、樫尾四兄弟のあうんの呼吸や樫尾家の家風が生み出したとも思えます。 特に開発を担当した、樫尾の次男・俊雄の突出した才能には他の三兄弟も一目を置いていたのではないでしょうか。その彼が目指したのは「世界に先駆けたい」という熱い想いでした。そのためには「既存の事実や認識から飛躍して、一つの可能性への思いが閃く」ことが必要でしたし、彼自身の言葉である「どう偏っている」ということに重きを置いたことはノーベル化学賞受賞の島津製作所の田中さんの変人に相通ずるのではないでしょうか。 とにかく、独創性や創造性とはいかなる人が築くのかがよ〜くわかりました。「偏る」ことこそが大器を成すのですね。 (2005年09月29日) | ||
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人は皆、過去の陰を持って生きています! | ||
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肥後の石工の技術は目を見張るものがあります。熊本県内にある、幕末に造られた、「霊台橋」の長さはなんと150メートルに達し、そのめがね橋の美しさは今では観光スポットになっています。 石工頭岩永三五郎の指揮の下、地域の人たちが協力して築いた、この物語はNHK児童文学奨励賞、日本児童文学者協会賞、国際アンデルセン賞国内賞受賞の名誉ある作品です。久し振りに「心静かな感動」に酔いしれてしまいました。 過去を引き摺るあまり、一度は死んだ身の上で、三五郎は地域のために身を粉にして石橋造りに己の使命を見出します。この献身さは現代日本人に忘れ去れようとしている気持ちですねえ。 『人の心に橋をかけるのも、なかなかまたむずかしいもんで・・・・・・』という丈八老人の言葉は非常に含蓄があり、やはり人間の信頼関係が生きて行く上では大事なキーポイントであることを教えられました。 (2005年09月29日) | ||
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平成版「茶の本」 | ||
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現代、二十一世紀の茶は、個人的なレベルではのどの渇きを癒す、あるいは健康に良いということに止まらず、日常生活者として、人生の熟達者になることにフォーカスしています。さらには抹茶の色から、自然と一体になるための喫茶を創出し、「一服のお茶により、家族みんなでなごやかな平和な一刻をもてるありがたさ」を感じる、ピースフルネス、世界平和にまで茶道の志は拡大しています。日本の文化である、茶の精神を知ることの素晴らしさを改めて知った感動は忘れ得ません。 (2005年09月28日) | ||
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本当に大切なものを問い直せることができます。 | ||
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日本は豊かな国です。「しかし、人を愛する心、家族の絆、生きる力など、人間として大切にしなければならないことを忘れがちになっているのではないでしょうか?」 人間は安全の欲求が満たされ続けると愛が乏しくなるのでしょうか?とは言うものの、豊かさを捨てるつもりは誰もないはずです。豊かさを享受できる幸せを感じながら「自分自身が一生懸命生きる、真剣に生きることに励んで欲しい」と訴えています。そうでないと「生への歓喜」は味わえませんから。 (2005年09月28日) | ||
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子供たちの無意識のうちにあげる喜びの声を大切に! | ||
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『沈黙の春』で環境汚染に警告を発した、レイチェル・カーソン。彼女が甥っ子と共に自然の中で遊んだ日々を、非常に美しく、魂を打ち響かせる力で著しています。「人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくこと」の大切さを忘れてしまった現代人への遺言のようです。それには大人たちが認識を新たにしなければなりません。 (2005年09月28日) | ||
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臨死体験から見た地球の将来は? | ||
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あなたは「臨死体験」を信じますか? 三途の川だとか一面の花園だとかがあるという話。臨死に至らないと理解できませんし、死んでしまったら元の木阿弥。それだけに一般の人には理解できないことですよね。 著者・木内鶴彦氏は子供の頃から天体好き。航空自衛隊に入隊後も天体観測を趣味としていました。その彼が「上間膜動脈十二指腸閉塞」という、世界でも百二十例ほどしか報告されていない、また死亡率100%の難病に冒されました。昏睡状態になり、臨死体験が彼の身に降りかかってしまいました。彼自身の過去や未来を垣間見るだけでなく、彼自身の興味のある「宇宙誕生」や「地球の成り立ちとその変遷」「未来の地球像」まで見てしまいました。 彼の見てきた地球の世界とは一体如何なるものだったのでしょう。「自らの種を繁栄させるためではなく、地球環境バランスを整え、より長く生命が循環し続けられることを目的」にしており、そのバランス管理者として人間が生み出されていたという非常に意味深いものだったわけです。これで彼の生き方は完全に変わりました。「循環」を意識し、「バランス」を維持する主体である人間の代表になるべく、様々な行動−4つの彗星発見、「太古の水」の製造、ゴミ処理システムの開発など−をおこします。ほとんど死を覚悟した彗星捜索家(コメットハンター)がです。 宇宙から見た人間の存在価値を教えてくれる本として、私は推薦します。 (2005年09月28日) | ||
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ストレス時代を幸せに生きるための豆腐的人生論の炸裂!? | ||
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豆腐好きな精神科医・斎藤茂太氏は「豆腐ほど好く出来た漢(おとこ)はあるまい。」で始まる、俳人・荻原井泉水(せいせんすい)の「豆腐」という随筆に魅了されてしまいました。放浪の詩人・種田山頭火や尾崎放哉の師匠であった井泉水は、豆腐に人生を見出したと言っても過言ではないでしょう。 豆腐はどんな料理にも合います。煮ても焼いてもそのままでもいいという柔軟さ、他の食材との協調性も素晴らしく、軟らかいんだけど芯は意外と強い豆腐を目標に生きることは精神科医の見地からも申し分ないと豪語されています。 全文が掲載されている、「豆腐」という随筆に出会っただけでもこの本の価値はあります。今後は豆腐のその性質をよく吟味しながら賞味すべきですね。 (2005年09月28日) | ||
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映像が立ち入れなかった数々の場面を生存者の記憶が蘇らせる! | ||
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被爆体験の風化を食い止めるために、広島市とNHK広島放送局が「原爆の絵」を募集したところ、数ヶ月で1000枚に達したと報じられています。応募された絵を編集したこの本は目を覆いたくなる模写が多く、原子爆弾の凄惨さを感じます。国家戦略の違いから戦うのは致し方なかった時代とは言え、一般市民の被爆者による地獄絵は思い出すのも嫌で、それを表現するのはとても勇気のいることだったでしょう。しかし、「自分の記憶を後世へ残さなくてはならない」という強い思いが忌避する念を超え、「原爆の絵は被爆者たちの『遺言』だ」という認識が広く読者に目覚めれば素晴らしいことですね。 (2005年09月28日) | ||
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あなたははがきで思いを伝えていますか? | ||
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最近ははがきを書かなくなりました。忙しいというのは口実で、根本的には相手への思いを表現するのが煩わしくなったのでしょうか。少しでも友を思いやれば書けるのに、反省至極です。 それを著者の金平さんは「はがき力」と呼んでいます。「小さいけれど人生で大切な達成感を味わえる。相手を思いやるやさしさが育つ。相手に幸福感を与えることができる。ときには希望を与えることができる。自らの表現力を向上できる」といった効果を発揮する力を現代人は忘れ去っているんでしょうか。「はがきを書くのが大変だ」と思うのは構え過ぎで、思いがあればたった一行もあれば十分に気持ちは通じるし、手書きのそのはがきは世界に1つしかなく、捨てない限り残るわけで、その希少価値は最たるものです。 名エッセイスト金平敬之助さんの力は、ハガキを書く後押しをしてくれました。 (2005年09月28日) | ||
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お金に対しての常識を疑いましょう! | ||
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何気なく毎日使っているお金に疑問を持ったことがありませんか? 今まで「お金とは何か」なんて考えたこともなく、モノを買うときにはお金と交換し、働いた報奨にお金を受け取る、交換がメインの役割だと思っていました。しかしながら、この常識をぶち壊したのが『エンデの遺言−根源からお金を問うこと』です。 もともとお金は交換の手段にだけ使われていたんですが、経済を動かす人たちは「お金がお金を生む」ことを仕事にし、為替、株などの取引でお金が世界中を飛び回っています。「交換」だけに使われるお金は全体からして微々たる存在になっています。これに疑問符を投げかけたのがミヒャエル・エンデです。『モモ』や『はてしない物語』で有名な児童文学者。「交換」用のお金と「利を生む」お金が同じであることに異議を唱えたのです。つまり、「利を生む」お金が普通に暮らす人間の経済生活に大きな暗い影を落としているからです。これはバブル崩壊した現在の日本を考えたら容易に想像できるでしょう。彼は「お金だけがどんなに時間が経過しようが、その価値は変わらない。」ことがおかしい、地球上でそんな存在はお金だけですが、お金も老化しなければならないとしたのです。「お金が老化する」ことが常識になる時代がやってきます。 (2005年09月28日) | ||
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犬とのスローライフの提唱本! | ||
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書店のペット書の棚には「しつけ方」の本がたくさん並んでいます。この本はそれらに対するアンチテーゼ本。「犬をゆったり育てる」とは「犬の主義主張」を十二分に尊重してやろうという見地から発せられるメッセージであり、「訓練できている犬が良い犬である」という常識こそが犬を虐待しているのではないでしょうか? 「ぼんやり犬」はいわゆる「バカ犬」ではありません。「のんびり、おっとりの穏和で愛情細やかな犬」を育てることこそがパ−トナーである人間を豊かにしてくれるのでしょうね。犬をしつける前に人をしつける必要がありますよね。 (2005年09月28日) | ||
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現代人の聖典!超ロングセラーは色褪せません。 | ||
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写真家・藤原新也氏の写真と抒情詩がミックスされた本。書名「メメント・モリ」は「死を想え」という意味のラテン語。この本の出発点は「いのち、が見えない。生きていることの中心(コア)がなくなって、ふわふわと綿菓子のように軽く甘く、口で噛むとシュッと溶けてなさけない。」という認識から。「ニセモノの生死がいっぱい」で「本当の死が見えないと、本当の生も生きれない。」という思いを胸にすれば、インドの人の死の写真は現実的です。犬に食われる死体の写真には「ありがたや、ありがたや、一皮残さず、骨の髄まで、よくぞ食ろうてくりゃんした。」と書かれ、火葬される写真には「死体の灰には、階級制度がない。」と附されています。 「死を想え」と言えば、宗教や哲学を連想しますが、この本の詩と写真がその難しさをオブラートに包み、「死」を身近なものにしてくれます。「死というものは、なしくずしにヒトに訪れるものではなく、死が訪れたその最期のときの何時かの瞬間を、ヒトは決断し、選び取るのです。だから、生きているあいだに、あなたが死ぬときのための決断力をやしなっておきなさい。」 (2005年09月28日) | ||
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