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豊川堂カルミア店のレビュー |
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掲載レビュー全2件 |
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人生のドラマをぎゅっと凝縮した短編にこそ、たっぷりの読み応え | ||
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長編に誉れ高い清張作品だけれども、濃密な短編もすこぶる面白い。 なかでも「傑作短編集(5)」のラインナップは、かなりお買い得なセレクション。 妾の子を始末しろと迫る妻と実行する夫の顛末を描いた「鬼畜」、心中を装って男を殺害しその行方を知ろうと新聞を購入した女の姿を描いた「地方紙を買う女」、暴力夫を殺害した妻に正当防衛が認められ執行猶予が付いた「一年半待て」などなど8編。いずれ劣らぬ犯罪小説である。 清張初期の作品集なので少々の時代感覚のズレはあるのだけれど、今もなお十分に読ませるのは、そこに人間の深淵が描かれているからだろう。犯罪はもちろん残酷であり、悪人は悪人に違いはない。けれどもそこに彼らの逡巡や後悔、狡さや滑稽さ、怖さを見ると、これが人間のドラマなのだと思わずにいられない。正直かなりぞっとしますよ、これは。 (2009年06月25日) |
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同じニオイのする本との出会いは一生モノです! | ||
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上司「結婚できない男の本なんか読んで、何が面白いんだよっ」。いや、私が愛読するワケは、飲み会で席を自由に移動できなくて、回転寿司でさえ注文ができない穂村さんのことを小動物のごとく見守れる母性あふれるアラサー女だからではないんです。「世界の『自由さ』の中に含まれた『自然な』ルールがわからない」。描写される日常の「やりきれなさ」や「疎外感」が他人事とは思えないから。世界とつながりたくてもつながれない哀愁とおかしみに共感し、自分に似た他者がいることに慰められるのです。 追記:上司様→穂村氏は何年も前に結婚できてるから!(ミシマ社『THE BOOKS』より転載) (2013年03月11日) |
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