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平和書店能登川店のレビュー

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掲載レビュー全2件
 
皇后の碧
阿部智里/著
新潮社
税込価格  1,980円
 
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ラストシーンが美しい作品
おすすめ度:
舞台が「後宮」と聞くと、権謀術数渦巻く、だの愛憎入り乱れる、だのというイメージがある(かもしれない)が、阿部智里さんが描くと一味も二味も違う。
主人公は、火竜に家族を焼かれた土の精霊、ナオミ。ひょんなことから風の精霊を統べる皇帝シリウスに気に入られ、居城に召されることに。
なぜ自分が選ばれたのか、その答えを求めて、ナオミは後宮に入る。
が、次々と現れる謎、思惑のわからない精霊たち。誰を信じればいいのか。
ナオミが心の赴くままにたどった先に見えた景色は、思いもよらないものだった!
見え方が一変するのは、「八咫烏シリーズ」1作目の「烏に単は似合わない」並の衝撃。
そして何より、ラストシーンが美しい。余韻にひたって、何度も読み返したくなる。
(最後だけ読まないでください。すべての流れを知ったからこその美しさだから。)
(2025年08月10日)
汝、星のごとく
講談社文庫 な101−1
凪良ゆう/著
講談社
税込価格  990円
 
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舞台風景の美しさとともに
おすすめ度:
この作品は、「どういうこと?」とちょっと眉をひそめるプロローグから始まっている。
主人公は青埜櫂(あおのかい)と井上暁海(いのうえあきみ)。二人の交互のモノローグで物語は進んでいく。
フィクションであるはずなのに、この日本のどこかに、櫂と暁海が本当に存在するようなリアルさは、容赦なく読者の心に踏み込んできて、ついページをめくってしまう。
そして、物語の終盤からエピローグ。タイトルの意味がわかったとき、プロローグの謎も解け、大きく心を揺さぶられることになる。
 恋愛小説と一言ではくくれない。痛くて、どこか優しい。
本屋大賞受賞作ということを除いても、じっくり読んでもらいたい作品である。
手に取りやすい文庫版でどうぞ。
(2025年08月09日)

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