トップ > 書店ホームページ >
渕書店 BOOKSTORE FUCHIのレビュー

書店ホームページを見る

1 2 3 4 5 次の5ページ>>

掲載レビュー全111件
 
パンク侍、斬られて候
角川文庫 ま24−3
町田康/〔著〕
角川書店
税込価格  691円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
ケタケタと笑ううち顔色を失くす!! 町田康・・・こわっ(笑。
おすすめ度:
この世は条虫(サナダムシ)の胎内、条虫の肛門から外に出て、真正・真実にいたる手段として「腹をふる」行為に取り憑かれた宗教集団「腹ふり党」が暴れる。狂騒的な音楽が鳴り響き、家並みは破壊され、商家は略奪にあい、血と暴力、死の横溢、放火が続けられる。壮絶すぎる異次元の時代劇!!・・・と書くと怖い感じだが、結果的にそうした読了感はあるにせよ、俗まみれの登場人物達がことあるごとに思考の脱線、言葉遊び、くだらない行動をしてゆき、それは確かにアホらしいのだが、エスプリは効きまくり!そのため読者はがしり掴まれ、皮肉な笑いに浸かりつつこのパンクな時代劇にハマりゆく−。主人公掛十之進は自らを「腹ふり党」エキスパートであり、藩に「腹ふり党」が現れた際の用心棒になる、と黒和藩家老内藤に自分を売り込む。内藤は宿敵大浦を貶めるここぞのチャンスと掛を採用する。お陰で大浦は猿回しをするための奉行「さるまわ奉行」なるものに左遷される。あああ。一事が万事この調子なのである。そのため後半になるまでこの物語にある一種の狂気が見えない。狂徒と化し腹を振り続ける黒和藩庶民と言語をあやつる猿である大臼延彦に指揮される猿軍団との殺し合い。人が宙に浮かび爆発。まあむちゃくちゃなものである。なのに、戦火に散る登場人物たちの死は間抜けだからこそのリアリティーで迫る!さらに、ありえないことに「腹ふり」そのものが教主茶山による口からのでまかせだった?最終的に彼をもが極めてシュールな妄想の世界へと迷い込み「腹をふる」。不条理だらけの世界で謎のヒロインろんと掛との恋はどうなる?あああああ−。ミラクルな世界観。レッツトライ!ザ・町田ワールド!!笑いに彩られた妄想と真実。 (2018年09月18日)
パンク侍、斬られて候
町田康/著
マガジンハウス
税込価格  1,728円
 
現在ご注文できません
商品詳細画面へ
ケタケタと笑ううち顔色を失くす!! 町田康・・・こわっ(笑。
おすすめ度:
この世は条虫(サナダムシ)の胎内、そして、条虫の肛門から外に出て真正・真実にいたる手段として「腹をふる」という行為に取り憑かれた宗教集団「腹ふり党」が暴れる。狂騒的な音楽が鳴り響き、家並みは破壊され、商家は略奪にあい、血と暴力、死の横溢、放火が続けられる。壮絶すぎる異次元の時代劇!!・・・と書くと怖い感じだが、結果的にそうした読了感はあるにせよ、俗まみれの登場人物達がことあるごとに思考の脱線、言葉遊び、くだらない行動をしてゆき、それは確かにアホらしいのだがエスプリが効きまくっている。そのため読者はがしりと掴まれ、誰しも皮肉な笑いに浸かりながらこのパンクな時代劇にハマりゆくのである。主人公掛十之進は自らを「腹ふり党」エキスパートであり、藩に「腹ふり党」が現れた際の用心棒になる、と黒和藩家老内藤に自分を売り込む。内藤は宿敵大浦を貶めるここぞのチャンスと掛を採用する。お陰で大浦は猿回しをするための奉行「さるまわ奉行」なるものの担当になる。あああ。一事が万事この調子なのである。そのため後半になるまでこの物語にある一種の狂気が見えない。狂徒と化し腹を振り続ける黒和藩庶民と言語をあやつる猿である大臼延彦に指揮される猿軍団との殺し合い。人が宙に浮かび爆発。まあむちゃくちゃなものである。なのに、戦火に散る登場人物たちの死は間抜けだからこそのリアリティーで迫る!さらに、ありえないことに「腹ふり」そのものが教主茶山による口からのでまかせだった?最終的に彼をもが極めてシュールな妄想の世界へと迷い込み「腹をふる」。不条理だらけの世界で謎のヒロインろんと掛との恋はどうなる?あああああ−。ミラクルな世界観。レッツトライ!ザ・町田ワールド!!笑いに彩られた妄想と真実。 (2018年08月29日)
かがみの孤城
辻村深月/著
ポプラ社
税込価格  1,944円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
With the strongest heart as possible.
おすすめ度:
学校のリーダー格真田の嫉妬により集団的な迫害を受ける主人公こころは、不登校で閉じこもる自室の鏡からオオカミの仮面を被っている少女が仕切る「城」へと誘導される。そこにはこころと同じように不登校の中学生達が集められている −。斜に構えた読者ならこの設定から彼らが仲間となり解決に向かうという流れを予想するはず。基本的には誤りはないとは思う。しかし本作はそんな単純な構造でだけで出来てはいない。いくら読者の察しが良くとも「城」に集められたみんなの関係が明らかになる後半の展開は読めないだろう。強さと限界、現実の過酷さ。優しさと愛、大人の力。友情と理解者、人とのつながり。孤立したこころを通してそれらが切実に迫る。よけいなお世話をすれば、本作を面白くするかもしれないのは場所と場所、時間と時間を「移動」という概念で物語を捉えてみることだろうか?ファンタジーだが読者の心をきりきり締めつけながらも共感と肯定感を生む物語でもある。こころは現在中学生、予想できない変化が「移動」により起こるという希望を思わせる。 (2018年08月23日)
何のために「学ぶ」のか
ちくまプリマー新書 226 中学生からの大学講義 1
外山滋比古/著 前田英樹/著 今福龍太/著 茂木健一郎/著 本川達雄/著 小林康夫/著 鷲田清一/著
筑摩書房
税込価格  886円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
若い。それだけで特権階級。でも。
おすすめ度:
本書は、まだ社会に出ていない学生を対象にして各界の賢人が語りかける講義スタイル。メンツは、外山滋比古、前田英樹、今福龍太、茂木健一郎、本川達雄、小林康夫、鷲田清一。読者が知る人もいれば、勉強不足で知らない人もいる。ただ、著作として紹介されている代表著に聞き覚えはあったりするという、まあ、知の猛者達と言えるのでは。その語り口はひたすら直線的。いろいろと回りくどいことは言わない。限られた時間の中でいか若者の知識欲なり、行動動機なり、いい意味での刺激を与えるかに各人構えを見せている。彼らが教える、経験と努力、学ぶための態度。「文武両道は当たり前」「まずは体を動かせ」「辛い境遇から逃げるな」「人には限界があり、人の10倍働く、1日10冊の本を読む。これらはインチキ」「愛読書を持て」「パッケージはわかりやすいのは当然。すでにある。わからないことにはポジティブでおもしろい未知がある。この感じ方が大切」「頭がいいとは努力のしかたを知っているということ」「無理めの課題で快感を感じるドーパミンが出やすいシナプスのネットワークを作る、強化学習」「体のパン(実際)・心のパン(宗教、芸術)・頭のパン(学問)」「世界と自分のズレの中にあらゆる将来の種がある」「エラー、失敗の中、エラーする力こそ世界を変える」等々・・熱い。学生に語るという講義スタイルだが、「学び」を忘れない者は全員彼らの前では学生となるはず。読者の年齢で選ぶことを本書はしてない。ただ、学生であることが物理的に長時間となる現役学生のほうがやはり有利? 若い「学生」。古い「学生」。それぞれのエンジンで動く。本書はガソリン、あるいは水素、電気です。 (2018年07月25日)
とのさま1ねんせい
長野ヒデ子/作・絵 本田カヨ子/作・絵
あすなろ書房
税込価格  1,404円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
とのさまのくせに1ねんせいになるのをいやがるな!すでに変−。
おすすめ度:
なぜ、とのさまが、今度1ねんせいになるのか?ひげを生やしてるのに、大きなお城を持っているのに、けらいもたくさんいるのに?さらに、このとのさま、あそび好き。お手玉、昆虫採集、けん玉などなどで毎日遊びふけっている、とのさまのくせに・・・。でも、このお話においてそれが、なぜ?とは、どんな読者も、ましてやこども読者はけしてしない。できない。そうなのだからしかたない−。とのさまは、あそびができなくなると思ったのだろう、1ねんせいになるのを嫌がる。けらいたちは、なんとかしてとのさまを説得しようとするのですが、とのさま、逃げる逃げる。逃げるのもとのさまにとっては追いかけっこにすぎないらしい。では、どうやってけらい達がそんなとのさまを1ねんせいになるように仕向けるか?そこがたまらなくおもしろく、この、あっけらかんとしたコミカルな様子を伝えるのはむずかしい・・・。1ねんせいに上がるとのさまのために、うわばき入れやぼうさいずきんという入学定番グッズに、けらいたちが「とのさま」という縫いこみをしたりする場面などおもしろすぎる。笑ってしまう。でも、全編通しておもしろすぎるから言い足りない思いでいっぱいになる。そもそも絵が笑える。笑える絵。というか、絵が笑ってる。なので、爆笑するには読むしかないわけです。 (2018年06月16日)
ボクたちはみんな大人になれなかった
燃え殻/著
新潮社
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
すごい。感動したヨ!誰かに明るく話す気にはなれないけど−。
おすすめ度:
読み終えてしまうと寂しくなるかもと思わせてくれる小説。ツイッターで配信されたものがカタチになったということ。/ベルコンに乗ったエクレアをただ詰め込むだけという工場勤めをしている主人公は「社会の数にカウントされてなかった(本文)」そんな不甲斐ない青春時代に、求人情報誌の文通欄を通じて、ブスという言葉の似合う、容貌のさえないひとつ上の女性と出会う。/「好きな人ってなんなの?って思って生きてきた。」と、いとも簡単に口にする彼女を主人公は好きになる。/ラブホテルの浴槽に浸かりながら、地球の絶滅への願いをため息交じりに話す彼女のことを、自分をさらけ出せる相手とみなす。/彼女との出会いで思わず口をついて出た嘘の職業に就き苦闘する中、彼女をこの世で唯一の頼りであるように生きる。/主人公の告白じみた飾り気のない語りは、社会に翻弄される若き日の不安でたまらなかった自身を遠目にしてみているよう。/小沢健二であるとかWAVE(昔あったレコード店)とか、ホットドックプレス(雑誌)、ツイッター、恋するフォーチューンクッキー等々、時代のアイコンとして機能する固有名詞が全編に散りばめられているために、リアルタイムでその時代を通り過ぎた年代の読者には思い入れがしやすく共感度が高くなるかもしれない。/主人公の青春ははかなくて寂しいものだが、正直さゆえになんとも言えない安心感を与える。なぜならば、世界でたった一つにせよ、揺るがない愛が主人公を支えるさまが描かれているからだ。/時の流れが人の外見や立場を変えるがその一方で内面を変えないと仮定したら、その真実を凡庸でない説得力で物語は放つ、というより照らす。/憂いのこもる夕暮れの美しい光景から生まれたような小説。悪くない騙されかた。余韻のいくばくかの救いもいい。/ (2017年09月30日)
書店主フィクリーのものがたり
ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳
早川書房
税込価格  1,836円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
物語をつらぬく本を読む人々のメンタリティー。
おすすめ度:
とある島に一軒ある小さな本屋アイランドブックスの書店主フィクリーが核となるラブストーリー。大凡の人が、その人生において抱くであろう様々な愛、いくつものエピソードで絡まったそれらが、大きな愛となり物語全体を照らす。淡々としたトーンで語られるが、交通事故、捨て子、海への身投げ、養女・・・と平凡ではない。だがそれにせよ物語は大きくは騒がない。それは登場人物たち誰もが、教養と知性に優れた大人であるからだと思う。そしてそれは本書のステージである「本」というものの周辺に彼らが居るからではないかと読者に想わせる。読書で獲得された真のユーモアセンスは、人生の棘をも静かなものに置き換える。主人と少女が運命的に結びつけられるストーリーの流れは読者をはたと感嘆させる。人生は深みを増すごとに哀愁を帯びるとしても、それが必ずしも悪いものではないことを本書は語っているように思う。 (2016年11月22日)
はみがきあわこちゃん
ひまわりえほんシリーズ
ザ・キャビンカンパニー/作・絵
鈴木出版
税込価格  1,404円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
あわわわわと、泡を吹く読者。この色彩!イマジネーション!!
おすすめ度:
ある日、あわこちゃんはいつものように朝、歯磨きをしている。と、すると、なぜだかいつもと違う現象が起きる!!なんと、あわこちゃんの口から歯をゴシゴシ磨いて出たあわが、マンガのセリフみたいな感じで溢れ飛び出してきてしまう・・・。ぶくぶくぶくぶと、それは広がり大きくなってゆき、街まで飛び出し、街を海のごとく覆ってしまう。さらにさらにと読者のイマジネーションを喜ばせる予想外の光景が展開される。まったくページをめくる手を止めてくれない。泡が海なら当然海につながっている。ほんものの海にあわに乗って出てしまうあわこちゃん。クジラがばったり!結末はここでは避けましょう。何よりこの作家(夫婦で二人でチームになって描いているらしい)の一番の特徴は色、だし、絵具のデコボコが見える筆致だし、セリフまでを筆で描くという絵本の隅々までにおよぶ作品の全体のようすだし、・・・まあ、読者の批評はどうでもいいとしひとまずおいても、読む人は、それぞれのことばを使ってこの作品をほめると思う。1ページごとが部屋に飾れるような完成度。少しむずかしく本書を語れば、絵本の要素、まるごと、を使っての表現(ことば、本そのものの大きさとカタチ、色、筆致、レイアウト、セリフ、物語構成・・・etc)が、これまでに触れたことのない新鮮さを持って読者を迎えてくれると思う。むずかしく言わなければ、あわこちゃんの口から飛び出して街に広がり海に同化するあわみたいにすごいのである。
(2018年04月20日)
ディズニーを知ってディズニーを超える顧客満足入門
鎌田洋/著
プレジデント社
税込価格  1,728円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
一言一言に痺れた。これぞCS、さすがディズニー!
おすすめ度:
ディズニーの思想を通じ、CS(Custmer Satisfaction)経営のありかたを示してくれる内容だが、それだけでなくCSが秘める人間同志の幸福のかたちがきっちり詰まっている。経営者ならずとも引き込まれること請け合い。また、ディズニーはこうしてできているという読み物としても読者は満足を得ることができるかも知れない。「これもある」「これもある」と、ザ・ディズニー・マナーが読者を感嘆させる勢いで紹介されるが、何も顧客だけに限ることなく、同時にCSが企業において有効な概念だと必要なのかを思わせてくれる。経営者はかくありたしと思うかもしれないし、組織に所属している者はディズニーに憧れを持つかもしれない。本書に見られるウォルトの言葉のスマートさがたまらない。例を上げれば、掃除に対してスタッフから指示をあおがれた際、彼はこのように言う。「子どもがポップコーンを落として悲しむ顔は見たくない。もしポップコーンを落としても、躊躇なく拾って食べられるようにきれいにしてほしい」。要するに「砂粒ひとつ残すな」という意味に取れる−。本書にある思想とそれを体現する本書で見るアプローチはぶれが一切なく、一貫したイメージが眩しい。その眩しさがディズニーファンの心を掴んで離さないのだろう。ディズニーファンでもなんでもない読者も、素直に読めるはず。
(2015年11月06日)
草間彌生、たたかう
ワタリウム美術館/企画 草間彌生スタジオ/協力・監修
ACCESS
税込価格  2,484円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
偏愛ゆえにでいい。「草間彌生は、凄い。」と言いたい。
おすすめ度:
今や、自身の美術館すら持つ日本屈指のアーティスト草間彌生。彼女は幼い頃より目の前に常時ドット(水玉)が見えるという強迫に苛まれ続けた。そして、それを克服するため創作へと向かう。本書は、そんな草間氏における、ニューヨークでの活動と名声を伝えるもので、作品、本人の写真、フライヤー、批評記事、当時を回顧する本人のコメント、文章などを収めるコンパクトなもの。時は、美術界のメジャーシーンがパリからニューヨークへと移る節目。戦後の暗い世相もあり、閉ざされた少女時代を過ごした彼女の胸にあったのは、遠い世界に住む人々との、作品を通じての心の交流への渇望であった。アメリカの有名女性画家との文通を機にして、取り分け保守的だった家柄で猛反対する母親を8年に渡り説得して出国。年齢28。ファンなら喜ばないはずはない貴重な一冊だと思うが、作品は知れど、若き草間氏の写真を見るのは初めてという読者は、今のクールさとは別な、タイトなかっこよさに打たれると思う。寝ても冷めてもアトリエで、「網目」「水玉」を無限に描いていたために、気づかぬうちにキャンバスからはみ出し、家具や床、壁、そして自分の体にまでそれを描いてしまう。創作過程では、幾度も救急車に載せられ、病院から「また、あなたですか?」とあきれられたという。そして、面白いのは、彼女の個展に遊びにきたウォーホールが、「ワーオ、ヤヨイ、これ、なーに?」「素晴らしい」と叫び、数年後シルクスクリーンで刷ったポスターを、天井や壁一面にびっしりと貼って埋める作品を発表したくだり。ウォーホールの作品作法の一つである「常同反復」がどこから出てきたのか考えさせられる(草間氏は「(ウォーホールによる)真似だった」と語るが)。やがて表現は、時代に拮抗する政治色やタブーの解放という色合いを帯び、当時のニューヨークでブームとなった「ハプニング」でアメリカ社会における存在を決定的とするのだが、日本ではスキャンダラスなものとしてしか受け入れられない。まさに芸術家としての人生しかありえないだろうと思わせる草間氏の若き日の「生の格闘」の刻印。表紙に写る少女の面影を残す草間氏はなんらかの眩しいものに負けじと一点を見つめている。その先に今の草間彌生があるというわけか?しかし、本書は2011年に刊行されたにも関わらず未だ初刷のみ。つまり、日本ではまだまだ草間彌生はゲテモノ扱いなのである。
(2018年04月14日)
深読み日本文学
インターナショナル新書 016
島田雅彦/著
集英社インターナショナル
税込価格  821円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
スマートでポップな文学論+α。と、「深読み」する。
おすすめ度:
近代文学を中心とした日本文学論。ポップな感覚でスパスパと、作家と作品が論じられる。日本文学の母胎を『源氏物語』として、本書の『深読み』は始まる。「光源氏を天皇に見立てる」宗教学者中沢新一の「読み」が『源氏物語』を面白くさせると勧め、それは、藤原氏による政治戦略という読みかたを提供し、右記のような読み方すら生むもの〜『源氏物語』は天皇のためのポルノグラフィーであったとも言えるでしょう(p28)〜。全体を見れば、過去から未来へ時間軸に沿い書かれる本書ではあるが、忠実には従わない。ザッと食い荒らすと、『枕草子』は「ガールズトーク(本文)」、樋口一葉は自由民権運動の最中フィクションの中で社会的弱者を解放した作家、漱石など近代文学作家達の作品は、日本の近代化において「自我」と「超自我」が苦闘した歴史であり(ちなみに村上春樹の「超自我」に当たるものはアメリカだとする)、ライトノベルのキャラクターと、西鶴、近松などの江戸時代の本の挿絵に類似性を見つつ、世界に愛される谷崎潤一郎にいたっては、冒頭の『源氏物語』から日本文化に通底してゆく「色好み(本文)」を西洋的解釈で作品に昇華した「圧倒的なスケベ(本文)」となる。また、『日本風景論』『代表的日本人』『武士道』『茶の本』が近代国家成立に不可欠なナショナリズムの土台となったとか(「ナショナリズム=人類の麻疹」というアインシュタインの言葉もひょい)、疑念なく、中上健次が近代文学を終わらせたとバシリ!と決める豪速球すら、熱心ではない読者のミットにも収まる。さらに、現代文学の世代間確執という主題を「父親殺し」と表現したりと、とにかくわかりやすい。シニカルとユーモアが混じる軽快なトーンが説得力を持ち「文学」を伝える。もろもろと書き出してもしかたがないのだが、最後に『農業革命』『産業革命』に次ぐ、人類の歴史における第三の革命である(らしい)『情報革命』の中でどんな文学が生まれてゆくか?人工知能と人間の対峙は?という点まで行き、本書は終わる。終わるのだが、本書を読み終え「あれれ・・」と思ったのは、本書が文学論でありながら、日本を主題とする「エッセイ」という印象があることで、そういう角度で本書を見渡せば、日本の「文化」「伝統」「国際的位置」「社会構造」などが、著者視点でスパスパなのである。ポップ表現と知性の間柄が本書でなんとなくだが分かる。

(2018年03月23日)
中をそうぞうしてみよ
かがくのとも絵本 knowing how
佐藤雅彦/作 ユーフラテス/作
福音館書店
税込価格  972円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
想像力爆発のために周到に用意された写真絵本
おすすめ度:
おもしろい。そして制作者の、この写真絵本にこめた意味深い意図を感じる。とても言葉でまとめ上げることなど読者の力では不可能。或いはいくらでも本書を評することはできるが、多分そのスキームをするするするするといくらだって360°の方向へとふらふら逃げていくに違いない。〜イスに打ち込まれイスを支えてる釘がイスの中にどう打ち込まれているか?針山に突き刺さっている針がどのように針山の中に突き刺さっているのか?ブタの貯金箱の中でコインはどのように眠っているか?・・・等々、ページをめくるごとに登場するモノの中身を、想像してみろという問いとその答え。とてもシンプルなQ &A集。人が目に見えないものを想像する力をひそかににくすぐる。読者は、これを奔放な想像力を持っているであろう子供が読めば、本書の答えとは全く異なる別の答えを、大人が納得せざるを得ないものとして提出しそうな気がする。そして、微笑ましく思いそうだし、驚愕しそうな気もする。これは製作者側も意図できない、いわば想像力爆発の瞬間との出会い。仮にそうだとすればそれは読者が本書を語ることができるはずはないのである。
(2018年03月02日)
コンビニ人間
村田沙耶香/著
文藝春秋
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
人生それぞれ。何が悪い?ゴーゴー!!
おすすめ度:
幼い頃「合理性」という基準で粗暴な行動を起こすなど問題児であった主人公。カウンセリング等も受けたようだが周囲の人間から「治らない」と心配される。いわゆる障害、とされるが知能にそうしたところは全くない。情緒障害とも違う。「合理性」こそが彼女を動かし自分ではどう他人と違うのか分からない。そこにコンビニという「合理性」の塊のような環境が現れる。その環境の中に入ってマニュアルに従っていれば、まとも、普通、正常であるとなんとなく他人から見られることを知り自分でも納得がいくというわけだ。『ああ、私は今、上手に「人間」ができているんだ(本文)』。そこに新しい価値観を突きつけてくる人間が登場する。「婚活」のためというわけのわからない理由で入ってきた35歳の男。縄文時代に自分の不甲斐なさの言い訳などを求めている屈折したさえない男だがこの男と主人公のやりとりがたまらなくおもしろく読んでいてのけぞる。一体二人で何を言い合っているのだろう?と笑いが止まらない。しかし、彼の「指示」に従うことで主人公の周囲が彼女を「仲間」と見做しだす。二人は同棲する。そして主人公はコンビニ店員に自分らしい人間の原型を求めた生き方の「方法」のようなものをを崩される・・・。

主人公の周囲に対する冷めた温度感は読者を妙に安定させる。彼女の生きざまを「障害」とみる見方もあるし、彼女の周囲はそう考えるわけだが−。読み終えた後、主人公が意気揚々と人生を歩んでゆく姿が見えた。何が悪い?ゴー、ゴー!!

(2016年09月04日)
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
講談社現代新書 2431
河合雅司/著
講談社
税込価格  821円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
数字に炙りだされる酷薄の日本!夢をとじて、夢をはじめる。
おすすめ度:
本書は、まず、いかんともしがたい数字(「内閣府報告書」「国土交通省」「経済産業省」「国立社会保障・人口問題研究所」「国勢調査」等に拠る)をもとに、人口減少が招く日本の未来像を描きだす。ぼんやりしてるといつのまにか現実に、というインパクト。2018年から6年後に3人に1人が65歳以上(「超・高齢者大国」)、死亡率が出生率の2倍となるのも2024年・・ごく数年後の現実が時間とともにー。さらにどうなる?どうも今のままでは地方衰退、東京一極集中、日本の疲弊は止まりようがないよう。いずれにせよ読者それぞれが暮らす地域に起きるとされる負のイメージは相当にシビア。逃げ場などないという印象。第二部で展開されるのは、そんな負のイメージを払拭すべく著者が挑んだ「処方箋」の提示だが、人口減少→労働力不足を問題視した回避手段として、外国人労働者、AI、女性、高齢者という読者などもよく見聞きする問題解決のためのキーワードをあげるも「4つとも決定的な切り札とはなり得ない(p159)」と、それらが持つ難点を説き、浅はかな期待の表面を掘り下げる。では?と読者が困りはてるところに、本書が書かれた動機とも思える直球をよこす。変えねばならないのは人口減少化ではなく、マンパワーを要する「発展途上型ビジネスモデル」での成功イメージにこそあり、それを「戦略的に縮める」という方向に転換すべき、と。年齢定義の変更、居住・非居住エリアを決めることでのインフラ節減、都道府県の地理的線引きにとらわれない飛び地合併での財政担保、大学連携型CCRC・・・ページをめくる手を幾度も止めさせるアイデアが続く。本書を読んでいくと地方創生という言葉の意味も再考する必要性があるように思う、それがただ単に中央を追うという思い込みのものであればだが− 。何はともあれ日本がどう変容してゆくことが幸福なのかを読者自身が見つめ直す契機となる可能性を持つし、著者によるドラスチックな変革方法を全て受け入れることだけが正しいのだという読み方をする必要もないとも思う。つまり、受け取り方は読者次第だと思うが、この、相当に困った未来予測は警鐘となり、現実を律し想像力を育むという点で功績を持つものだと思う。  
(2018年02月05日)
どうぶつがすき
パトリック・マクドネル/さく なかがわちひろ/やく
あすなろ書房
税込価格  1,620円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
最後のページ、○○!鮮やか!実話がもとの夢のような絵本 ー。
おすすめ度:
 ある日チンパンジーのジュビリーというぬいぐるみをパパからもらったジェリー。ジェリーはどこに行くのも彼といっしょ。彼とともに目にする自然、生き物はジェリーをとりこにします。だからジュエリーは大きくなるに従って生き物のことが書かれた本を読んでどんどん生き物について詳しくなっていきます。ベッドに入るときもジュビリーといっしょ。ブナの木の太い枝にこしかけて、「ターザン」の本を読む。その中に出てくる女の人もジェリー。・・・わたしもアフリカにすみたいな。
 ジェーン・グールドはチンパンジーが道具を使う、作るという今では誰もが知っている常識を発見して世界中の学者を驚かせ、「動物と人間の違いは何か?」と彼らは議論に入る。いわば一つの歴史的瞬間な訳です。そして、それを通し環境、社会問題に関心を抱き、子どもたちと共に活動する「ルーツ・アンド・シューツ」を起こしてそれは世界中に広がる。ゴミひろいやリサイクルから湿地の復元、犬の保護施設、ストリートチルドレンのための募金活動にまでそれが拡がっていく。
 最後のページをひらく。実話。すごい。やられた。まあ、かんたんに言えば【感動】しましたー。
(2018年01月11日)
りんごかもしれない
ヨシタケシンスケ/作
ブロンズ新社
税込価格  1,512円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
少年のあたまいっぱいにひろがるifの想像力
おすすめ度:
ある日キッチンにおかれてるリンゴをみつけた一人の少年が「もしかしてリンゴじゃないかもしれない」という想いに駆られ、いろいろとそのものが何であるのかを想像してゆく。その想像力は自由で、まったくしばりがなく、少年が成長してきたわずかな年数の経験、得てきた知識が総動員されます。ほんとうに「リンゴじゃないかもしれない」と読むものをひきこみます。同じ立場の子どもならなおのことでしょう。あたりまえだけど子どもってすごいかもしれない。If。 (2015年06月02日)
だから、居場所が欲しかった。 バンコク、コールセンターで働く日本人
水谷竹秀/著
集英社
税込価格  1,728円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
日本社会を変えようという気概ある人の参考文献にもなる。
おすすめ度:
「堕ちた」という厳しい言葉を含むスレッドが立てられ2ちゃんねる上で誹謗中傷されている人達がいるという。バンコクのコールセンターで現地採用された人達だ。求人誌にある募集要件には学歴不問・タイ語も英語もできなくても可、キャッチコピーには海外に出て働いて見ませんか?とある。効率化のために企業が設けた海外拠点が仕事場であり、日本に住む日本人への電話セールスなどが仕事内容。本書ではそこで働く人々がルポされるのだが、目を背けたくなる生活が描かれる。読者は実際耐え難くなり、途中、活字を丹念に追うことを中断。作品中盤で、ある女性がゴーゴーボーイとタイで呼ばれる男たちを買春するため倹約し、薄給を貯めては興じるという内容のインタビューのところで。何も彼女に限ったことではなく、ある意味常識であったりするようだ−。「あとがき」が付けられていたため、何が著者を動かし痛ましい暮らしを続ける人々(男女を問わずである)の闇を書かせたのかと確かめたくて、失礼なのだが本文を一気に斜め読みする(事象の違いこそあれ徹底して暗く苛酷な生活、そしてそこを抜け別職についた「勝ち組」の現役に対する侮蔑に溢れているさま)。あとがきで著者が主張するのは、現代日本社会が健全さを微塵も持たない「歪み」を持つものと化してしまい、人が生きづらい社会に成り果ててしまったというようなこと。たとえば、年齢に比してやり直すことを許さない社会構造がそれである。バブル崩壊、リーマンショック、失われた20年、派遣切り、就職氷河期などに直面した世代が必然的受けた受難を考えさせられる。著者はさらに、そんな社会にとどまる必要もない時代になったとする。本書には揺るぎない視点があるように思えるが、それでタイに働くオペレーターたちが救われるわけでもない。では、著者の標的はどこだろう。想像もした。著者が、冷徹な批評眼、醒めた感性を持ちえるのは外側(フィリピンに在住)から日本とタイを見ているからではないか、と。当事者がこれを書くには想像を絶するメンタリティーが要る(ここは当然may beです。)。    *斜め読みのため評価をつけたくなかったのですがシステム上必要なので★★にしています。ご了承下さい。それから本書の未読部分は冷凍保存後解凍して読みます。 (2017年12月18日)
蜜蜂と遠雷
恩田陸/著
幻冬舎
税込価格  1,944円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
この臨場感。ほんとにピアノコンクールを体験しているみたいだ。
おすすめ度:
蜂の羽音、雨がトタン屋根を打つ音、それすらも旋律に聴こえる者がいる− 。ピアニスト達がプロを目指し技量を競うコンクール。そのひとつである芳ヶ江国際ピアノコンクール数日間の物語。本コンクールは世界レベルのもので、登場する主要人物たちは皆、才能に恵まれた音楽家達だ。伝説のピアニストであるホフマンの最後の弟子であり、音楽界に彼が生前、遺言のような紹介状とともに送り込んだ「ギフト(作中表現)」である無名の少年ピアニスト風間塵が物語のリード役となるのだが、天才少女であった過去を持つが母の死をきっかけにクラシックから身を引いて長いブランクのある亜矢、コンテスト審査員の愛弟子である才能豊かで既に音楽業界で定評のあるマサル、楽器店に勤めプロになることを諦めていた28歳の明石、この4人が主要人物となる。ただ本作の妙は、その他のコンテスタント(出場者)達、その実力を見極める審査員、多数の観客者、それらの心の動き、会場の雰囲気を伝える描写(例えば、ピアノの調律のシーン。コンテスタントの出したい音を調律師との間で演奏前に確認をする様などはほとんどの読者を驚かせるだろう)にあり、それらがつぶさな筆致で描かれ、読者をコンテスト会場の中にいるような臨場感に浸らせるところにある。さらに素晴らしいのは、作中で奏でられる音楽の、本来不可能であるはずの言語表現にある。一歩引くならば文章が音楽を想わせることに成功しているということ。その音楽的な文章に乗り、コンテスタント、その身近な応援者、審査員、一般の観客等、コンテストに関わる全ての人がそれぞれのポジションごとの熱を持ち、コンテストの全体像が浮かび上がる。物語が進むにつれコンテストという怪物がその呼吸ごとに膨らみ縮む。読者を含めて彼ら全員がその中で一喜一憂するという具合である。ホフマンの遺言となった「音楽を外に連れ出す」という言葉が作品の謎かけになっているのだが、塵の演奏中に亜矢の心の中で彼と会話するという場面がある。完全にファンタジーなのだが、もしかしたらそうしたやり取りができる能力がある者達が実際にいるのではないかというような錯覚に読者は陥る。「音楽の神様に愛される」ー 物語に出てくるこの言葉が作品全体を覆う。読者をぐいぐい惹きつける。 (2017年12月05日)
対岸の彼女
角田光代/著
文藝春秋
税込価格  1,728円
 
現在ご注文できません
商品詳細画面へ
私たちが歳を重ねるのは成長するため、それを肯定しよう。
おすすめ度:
幼い子を持つ専業主婦で公園ジプシーの小夜子は些細なきっかけから自身の社会的存在を再確認するかのようにプラチナ・プラネットという名の会社に入社する。葵という女性が社長のサークル活動のような女性ばかりの会社なのだが、それを経営する葵は小夜子の目には自分とは対極に立つエネルギッシュに人生を謳歌する独身女性のように見える。家庭を持つ小夜子は他の社員とバランスを取りつつ葵の新規事業に関わるが、それと並行するように葵の別人のような高校生時代が描かれて、物語は行きつ戻りつする。葵の高校生時代の友人であるナナコという人物が現在の葵であるかのように底抜けに明るい女の子として描かれるが、葵にだけその反面に持つ自分のほんとうの姿、ほんとうの気持ちを見せる。ハイライトとして映ったのがそのナナコと葵の自由になるための彷徨の顛末。安宿としてのラブホ、年齢詐称のための脱色、恐喝、女性割引ディスコでの食事、バイトで貯めた共有の所持金が彼女達を追いつめ消えてゆく・・・そんな生活の行き着く果て−。少女たちの心の景色、世界中でたった二人きりという寒々とした疎外感が読者を慄然とさせる。そして、プラチナ・プラネットという社名(ここは読んでください)や、小夜子が高校生の頃に心情を重ねたスキャンダラス報道当人の一人が葵であるということを同僚の悪口から知ることが、過去と現在をつなぎ、二人に共通するものとして、年齢を重ねたことでも拭えない人との関わり合い方への根本的な不安感、が抉り出される。ラストに向かい社員の裏切りに会い葵は一人となるのだが・・・。小夜子が最後にたどり着く人との向きあい方の自覚はひとつの発見で、彼女の成長であるだろう。読者は物語が終わった後の小夜子と葵の関係、それから生まれるであろうもの、それを想像してポジティヴな気持ちになる。 (2017年11月08日)
ハケンアニメ!
辻村深月/著
マガジンハウス
税込価格  1,728円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
食らえ。一冊、まるごと、アニメ愛の塊だぜ。
おすすめ度:
ハケン ―これは「覇者の権利」という意味。そのクール(期間)に同時放映されるアニメの中で制覇を獲得するものを指す。すなわち「覇」者の「権」利。そのハケンをめぐり、プロデューサー、監督、アニメーター、声優、造形師らが、自らの仕事に昼もなく夜もなく情熱を注ぐさまが本作では描かれる。むろん彼等にとってハケンは一つの結果に過ぎない。妬み、憧れ、信頼、商売、恋・・・そんなアニメ業界の物語。

物語は、好きな人が好きなことをやるというこれでもか!という躍動感でいっぱいだ。そこに人知れない苦労があろうとも 完成時の達成感、その際に訪れる僥倖が彼等を圧倒的に救う。人に、自分の渾身の表現がかたちとして伝わるという喜び。ファンから愛されファンを愛す世界。

物語ではハケンを争う人々が敵、味方という位置づけでいながら、互いの仕事を認めあう真の意味での「ライバル関係」で描かれているところがいい。そのさまは清々しく、読者はそれを最終章で(読んでください)存分に味わえる。(アニメに対して)まったくの門外漢ですが、本作はたっぷり楽しめました。アニメってそれだけじゃ採算取れなくてパッケージ(DVD等)で収益が生まれるのか、とか業界の内幕をのぞくこともできます。 (2015年06月01日)

1 2 3 4 5 次の5ページ>>

掲載レビュー全111件


このページのトップへ