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錦堂 谷書店のレビュー |
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掲載レビュー全13件 |
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面白くなってきました | ||
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“THANATOS”シリーズの第2作目。第1作であるパラダイス・クローズドで主要登場人物(美樹・真樹・高槻)のキャラ設定が終わり、「いよいよ始まるのか?」と期待していたら… 始まりました、でもね… 爆破事件が起こった段階で、店主には犯人が解ってしまいました、そして爆破のトリックもw だからと言って内容が陳腐な訳ではありません。そこから先、加害者が何故凶行に及んだのか?そして被害者は何故凶行を【ネタバレ注意】たのか?その背景に何があったのか? ロジックでは説明できない人の心の闇(ひずみ、ゆがみと表現するべきか?)を吐露された時、真樹は!? ミステリー小説を読み慣れた貴兄も満足できる作品です。 野暮を承知で蛇足:ミステリー小説には伏線ってモノが散りばめられているモノなんですが、この作品には結構落ちてます。しかし熱帯魚、しかもグッピーを本気で飼ったことがある人間でないと理解しづらい部分はちょっとだけ不親切な気もします。作中でキーになっているRREAブルーグラススワロー(ちなみに表紙のソレはスワローじゃないよ、スワローは尾鰭が枝分かれしてビラビラになってるハズ)も熱帯魚の知識があると無いとで、受け止め方が変わってきてしまうのではないでしょうか?勿論、知識がない方の為に説明はされておりますが、「理屈として理解した」人間と「実地経験がある」人間で、愉しみ方や機微に差が出てしまうのが残念といえば残念です。 (2012年02月12日) |
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普通のミステリー小説に飽きた貴兄に | ||
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主人公はタナトス(ギリシャ神話における死を司る神)ってタイトルならしても双子の兄:美樹…と、まぁ弟の真樹なんだろうけど、物語はその双子の護衛(御守り役)を任命された刑事・高槻の視点から描かれている。「涼宮ハルヒの憂欝」におけるキョンと思っていただいて差し支えない。「薬師寺涼子の怪奇事件簿」における泉田準一郎警部補の方が近いかな?とにかく常軌を逸してはいるが、それゆえに魅力的な主人公を描く場合、主人公の視点で物語を描くと、常人であり凡人である我々には理解出来ない代物となってしまうので、やはり常人であり凡人である第三者からの視点で描く手法を取ったことで非常に読みやすくな仕上げてある。 だけどさ…事件は解決するけど「トリックなんてどうでもいいんだよ、別に俺達が立証する必要なんてない」なんて台詞はミステリー小説を根底から覆してないか?それ故に斬新とも言えるが、正直ビビった。そしてミステリー小説ってのは読者にも動機やトリックを探偵気分で推理させるトコロが醍醐味だと思うのだが、推理させる材料(動機、物証および状況・証言の違和感)は殆ど与えられない。これはむしろミステリーと言うより双子と高槻刑事のキャラ設定に重きを置いたシリーズ第一章と言うべきなのではないだろうか?とにかくミステリー小説もボチボチ読み慣れている店主にとっても、あまりに異質なミステリー小説だ。 (2012年02月12日) |
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こんな二人旅も悪くない | ||
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自分の店を持つという夢を持つ行商人ロレンス。 一年のほとんどを荷車の上で過ごす行商人が人恋しくなるのは職業病といえる。 荷台には山奥の村で仕入れた上質のテンの毛皮、そいつを寝袋にすれば野営も悪くない。 が、荷台には先客がいた、美しい一糸纏わぬ娘。 娘の名は賢狼ホロ、豊作の神として崇められる存在。その証拠にホロには狼の耳と尻尾が…。 かくしてロレンスとホロの行商の旅が始まる。 ロレンスは自分の店を持てるのか?ホロは生まれ故郷の北の森に辿り着けるのか?前途多難な二人旅。 ネタバレになるので詳細は申しませんが、追詰められたロレンスを助ける為にホロが…する件(くだり)は結構感動してしまいました。 (2009年12月04日) |
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冒頭からこんなシュチュレーションを描いた作品はマズないと思うが…。 弟がエロ本やAVを求めて兄の部屋をアサるのは、普遍的な日本の家庭において、よく見かける風景であると言えなくもない。しかし修作(弟)のソレが、あまりに偏執的かつ倒錯的であるコトに、物語の凄惨な結末を予感させる。そして正気(兄)は冷酷かつ執拗な報復を開始する。心臓から冷たい黒色の流動体、黒冷水という名の憎悪を流しながら…。なぜに兄弟はこれほどまでに憎しみ合わねばならなかったのか?カインとアベルの時代から兄弟とは争うものなのかも知れない。17歳にして第40回文藝賞を受賞したこの作品と作者のポテンシャルを読むのではなく感じて下さい。 (2009年07月12日) |
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『陳腐じゃない恋愛なんてないですよ…』 美雨の身の上話を聞き終えた井口は言った。美雨にしてみれば「知った風なことを…」と思ったかも知れない。だが人は恋愛、つまり愛なくしては生きられない。愛は麻薬にも似て、人を惑わし…壊してしまう…。この作品を読み終えた時、作者があえて「恋愛中毒」とした理由と、この作品が吉川英治文学賞を受賞した理解できるでしょう。そして貴方は自分を愛してくれる人に「優しくしてあげよう」と思うのではないでしょうか? (2009年07月12日) |
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ついにガンダムがMC(マグネット・コーティング)化します。最初の相手はザクレロ部隊…、部隊?そう、部隊なのです。ザクレロが三機登場します。まぁザクレロについては諸説ありますが、THE_ORIGINに登場したというコトは、今後、史実といて認定されるでしょう。 この19巻ではハヤト・コバヤシがアムロに対するコンプレックスで感傷的になったり、ミライさんとスレッガー中尉はイイ感じになったりもしますが大局かさるせば瑣末なことです。店主的な見所はズバリ、ドズル中将の表情です。ソーラー・レイにより焼かれたソロモン、敗北を覚悟したドズルは愛娘ミネバの脱出させます。司令官として、ザビ家の人間として、生き残ることを是としないドズルがミネバを抱く姿、二度と逢えない愛娘を精一杯慈しむ表情は、ゴツイ傷だらけのドズルの顔とは激しくミスマッチですが、逆にそれが涙を誘います。 余談ではありますが、このとき脱出したミネバが後にザビ家の後胤としてアクシズを率いることになるとは、当時誰も予想出来なかったのではないでしょうか? (2009年06月29日) |
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現在入手可能な唯一無二の「ガリアン」 | ||
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この作品はもっと評価されても良いのではないでしょうか? 当時のサンライズ作品としては珍しく勧善懲悪なエンディングでスッキリするし、人馬兵プロマキスや飛甲兵ウィンガルといった機甲兵の設定&デザインも当時としては斬新で魅力的ものだった。またガリアンにのみ採用されていた『全天周囲モニター』はアニメ史上初の試みであった(らしい)。『全天周囲モニター』がその後、エルガイムMk-IIやモビルスーツ全般に採用されていくことを考えれば、ガリアンがロボットアニメ史に残した足跡は小さくありません。 (2009年05月29日) |
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あのころの怪獣を再び… | ||
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それにしてもPHP文庫は、マニア心を擽りますね。この本も「歴代怪獣」とか安易な手段に走らずマン&セブンに限定しているところが潔いです。またイラスト(写真ではなく)と詳細な解説とのマッチングが「大人のための怪獣図鑑」を演出しています。是非、お手元に。出来れば職場の机の片隅に置いて、嫌なコトばかりの現し世から逃避したくなったときに読んで欲しい一冊です。あ〜、ちなみに店主はマン&セブンだったら古代怪獣ゴモラが好きですね。ゴモラってのはジョンストン島に生息していた一億五千万年前の恐竜ゴモラザウルスの生き残りで阪神大学の中谷教授率いる調査隊に(中略)。後にウルトラマン80、ウルトラ六兄弟対怪獣軍団、ウルトラマンパワード、ウルトラマンマックス、ウルトラマンメビウス、ウルトラギャラクシー大怪獣バトルと計六回にわたってその後のシリーズにも登場している点も、その人気を裏付けるといえます。 (2009年05月29日) | ||
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ザクこそがMS | ||
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MSの魅力、それは量産期の美しさです。量産期といえばザクです。ともすればヤラレキャラにも見えますが、量産期があるからこそ戦争が成り立ち、エース機が格好良くみえたりするのです。量産期(それも旧型の)が新鋭機を撃破するシーンに感動を覚える貴方は、この本を購入することは、この時空平面における規定事項です。 (2009年05月29日) | ||
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鯉のトルクは、まさにビッグゲーム | ||
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「ビッグゲーム」は身近な(チャリンコ移動圏内)にも潜んでいる。店主の場合は多摩川がそれだ。「鯉なんて吸い込み使えば…」なんて思うかもしれないが、フライやルアーで釣るとなると、その難易度は格段にハネ上がる。少々流れがキツ目のポイントで60upを掛けてしまったら、さぁ大変。鯉独特のトルクと流量が貴方をビッグゲームへと誘います。 (2009年05月29日) |
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ドリルに萌えろ | ||
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ドリルは浪漫です。 鋼鉄ジーグのマッハドリルとかゲッター2のドリル・アームとか(アッグのドリルはどうでもいいや)…。グレンダイザーのドリル・スペイサーなんか正にドリルのドリルによるドリルのためのマシンだよね。あと忘れちゃいけないのがガイスラッガーのソロン号、こいつはドリルでインベム戦艦の横腹に穴を開け、そこから敵戦艦に渡って白兵戦! トンデモ科学的光学兵器による決着よりも、ドリルが敵機を貫くことに浪漫があるんです。 (2009年05月29日) |
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クラドスから来た。僕の名はエイジ、地球は狙われている…。 | ||
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1985年テレビ放送以降、根強い人気を誇るレイズナーですが、入手可能な書籍は唯一本書ダケ。 TVシリーズ&OVA「刻印2000」の現存するあらゆる設定画を徹底網羅。つまり死鬼隊のSPTダルジャン・エルダール・ダンコフ・ガッシュランは当然、店主の大好きな黄金色のSPTザカール(ル・カイン閣下の愛機)や地球開放戦線機構製SPTドールのみならず、劇中ではお蔵入りになってしまった幻の機体レイズナーMARKUのカラー設定画&スペックが掲載されている。これは本書において初公開されたもので、マニアにとっては同じ重量の純金に等しい価値があるハズ。 しかしレイズナーMARKUもディティールや変形機構の整合性は素晴しいが、当時のサンライズ作品においてストーリー中後半に主役機が、変形可能な機体(ダンバイン⇒ビルバイン,エルガイム⇒MARKU,ザブングル⇒ウォカーギャリア,ガンダムMARKU⇒Zガンダムetc)へと代替りする流れを踏襲していが、店主的には「SPTに変形機構はいらねぇダロ」とちょっぴり思ったりもするw (2009年05月29日) |
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『劉健一を殺さねばならない』 | ||
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不夜城Tが発売されたのは1996年8月というから、およそ8年かけて完結したこのシリーズ。この『長恨歌』がなかなか文庫化されず、ついに我慢出来ずに買ってしまった…(^^;) 不夜城Tで自分が生き残る為に恋人である小蓮を殺し、育ての親ともいうべき楊偉民に復讐を誓った劉健一。 鎮魂歌 不夜城Uにおいては、北京派閥の大物幹部事件の混乱に乗じ、楊偉民の権力を失墜させることに成功する(この時、弟分の周天文も巻き込まれて死亡)。 この長恨歌では、まず劉健一が放った刺客によって、楊偉民が殺される。いきなり劉健一の目的が果たされるコトになる。読者にとっては「復権を目指す楊偉民と劉健一との対決」という筋書ではないことを思い知らされるのだ。そして歌舞伎町裏社会を牛耳ったかに思えた劉健一も、大量流入した新たな移民よって乱された秩序のなか、その力を失い情報屋に成り下がっていた。そんな中、やはり麻薬密売組織のボス(韓豪)が日本人暴力団「東明会」との取引中、殺害される。双方の依頼で襲撃犯を捜すハメになった男、武基裕。彼には劉健一と同じ過去があった。それは「恋人を自らの手で殺した」という過去…。そして襲撃犯を捜す武基裕は運命の糸に手繰り寄せられるかのように、因果律の渦に巻き込まれるかのように劉健一と出逢う…。 そして衝撃のラストでは「恋人を自らの手で殺した」モノだけが持つ感覚と、同じ感覚を持つモノが歩む違う生き方が浮き彫りになる。そして全ての感情が麻痺しているかとも思えた劉健一の「自責の念」を垣間見ることになる…。 店主は、二つのエンディングを想像していた。それは @劉健一だけが生き残り、変わりゆく歌舞伎町裏社会で今までと同じ行き方をしてゆく A劉健一が死ぬ。 このどちらか以外がありえないと思っていた。 だがこの場では結論を書く訳にはいかないので、皆様には不夜城T〜Vを読んで、ハードボイルドの世界にドップリとハマって欲しいと思います。 最後にストーリー説明が大雑把になってしまったコトをお許し下さい。まだ読んでいない方に対しての配慮であって、適当に書いた訳ではありません。あしからず… (2008年01月29日) | ||
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