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中世史とは何か

出版社名 岩波書店
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-00-061577-8
4-00-061577-7
税込価格 3,080円
頁数・縦 218,38P 20cm

商品内容

要旨

『薔薇の名前』『ブレイブハート』『ジャンヌ・ダルク』『ゲーム・オブ・スローンズ』…小説や映画、ゲームの世界で描かれるあやしくて野蛮な「暗黒の中世」は、ルネサンス期人文主義者の「発明」であり、近代ヨーロッパが好んだ政治的な物語だ。異端審問、王の儀礼、市民の裁判…注意深く史料をたぐり、正しい文脈で読み解けば、生き生きとした中世の人々が別の姿でよみがえる!『歴史“一冊でわかる”』やBBCの企画、市民向け講座で有名なケンブリッジ大学教授が誘う、新鮮でドキドキする中世史入門。

目次

第1章 中世を枠付ける―リアルとフィクション(とある中世的な話
中世主義と史学史
フレーミング(枠付け方)の政治学)
第2章 中世を追跡する―史料と痕跡(多声音楽か?不協和音か?
校訂版と文書館史料
文書を使うこと
年代記
証書
図像イメージ
法史料)
第3章 中世を読み解く―隣接諸学との協働(人類学
数字と統計
考古学・科学・物質文化
テクストと文化論)
第4章 中世を議論する―深まる論点(儀礼
社会構造
グローバリズム
文化的アイデンティティ
権力)
第5章 中世を作り、作り直す―「中世主義」再考

出版社・メーカーコメント

フィクションの世界で描かれる「暗黒の中世」は、近代ヨーロッパが創り出した政治的な物語だ。異端審問、王の儀礼、市民の裁判……注意深く史料を読み解けば、当時の人びとが生き生きと甦る。『歴史〈一冊でわかる〉』やBBC市民向け講座でおなじみのケンブリッジ大学教授が誘う、新鮮でドキドキする本格的中世史入門。

著者紹介

アーノルド,ジョン・H. (アーノルド,ジョンH.)   Arnold,John H.
1969年生。中世フランス史。ヨーク大学で中世学(Medieval Studies)のPh.D.を取得。イースト・アングリア大学、ロンドン大学バークベック校を経て、現在、ケンブリッジ大学歴史学部教授。中世異端の問題を皮切りに、中世社会における多様な信仰実践など、幅広く宗教と文化の問題に取り組む
図師 宣忠 (ズシ ノブタダ)  
1975年生。中世フランス史。京都大学博士(文学)。甲南大学文学部教授。中世の異端審問記録の作成・保管・利用の実態を探り、「声の文化」と「文字の文化」が織りなす関係の変容を追跡する
赤江 雄一 (アカエ ユウイチ)  
1971年生。中世イングランド史および教会史。リーズ大学で中世学のPh.D.を取得。慶應義塾大学文学部教授。活版印刷以前の“マス・メディア”としての托鉢修道会の説教を糸口として、宗教・文化・政治・学問が絡み合う中世のインテレクチュアル・ヒストリーを探究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)