書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
-
-
-
おすすめ度
- 平山書店 (秋田県大仙市)
向田邦子(1929年−1981年)さんは東京都出身の脚本家、エッセイスト、小説家。1000本以上の脚本を手がけたほか、エッセイ、小説の分野でも活躍が知られており、1980年、短篇の連作『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で第83回直木賞を受賞した。また、エッセイでは後世に伝えられるべき名作『父の詫び状』(新潮文庫)を筆頭に、今も多くの人を惹きつけてやまぬ作品が出版されている。この作品についてはNHKでテレビドラマ化され、また高倉健・富司純子・坂東英治のキャストで映画化(降旗康男監督)もされており、いまさらながら内容を紹介するのも気が引けるので、山口瞳氏の評を紹介するに留めたい。「・・・私は向田邦子が自分の死期を知っていたように思われてならないのである。・・・『あ・うん』は彼女にとって畢生の事業であり、どうしても書きたいテーマであったに違いない。そうやって、傑作が生まれた」(文庫版解説より)(のり)
(2008年1月6日)
-
おすすめ度
-
商品内容
要旨 |
つましい月給暮らしの水田仙吉と軍需景気で羽振りのいい中小企業の社長門倉修造との間の友情は、まるで神社の鳥居に並んだ一対の狛犬あ、うんのように親密なものであった。太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友情と親友の妻への密かな思慕が織りなす市井の家族の情景を鮮やかに描いた著者唯一の長篇小説。 |
---|