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痛み、人間のすべてにつながる 新しい疼痛の科学を知る12章

出版社名 みすず書房
出版年月 2024年11月
ISBNコード 978-4-622-09738-9
4-622-09738-9
税込価格 3,520円
頁数・縦 283,40P 20cm

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要旨

「痛み」はたいていの人にとって不快であり、疾病や死にもつながるネガティブな感覚と捉えられることが多い。また痛みは、何らかの原因による人体の損傷を脳が感知して起こるものと思われがちだが、最近の研究でそれは間違いであることがはっきりしてきているという。では、痛みの本当の意味、役割は何なのだろうか。
本書では、20世紀の終わりくらいから盛んになった研究により明らかになってきた「痛みの本質」について、さまざまな事例や実験結果などを引き多面的に「痛み」を捉えながら論じている。痛みは、感知されて生じるものではなく、100パーセント脳でつくられ、われわれの身体を保護する「安全装置」なのだという。それが過保護になることで、持続痛が起きるともされている。
著者は皮膚科医で、オックスフォード大学医学部リサーチ・フェロー。タンザニアの皮膚病調査についてのレポートで2017年にWilfred Thesiger Travel Writing Awardを受賞している。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年1月15日]

商品内容

要旨

痛みとは、単なる感覚、ではない。感覚‐情動‐思考‐身体知、すべてが混然一体となった、驚くべきもの。痛がる脳の最新科学を知り、生物・心理・社会モデルによる新しい疼痛観を知る。痛みとの関係を根本から変える、エキサイティングな学びの書。

目次

身体の防衛省―そもそも痛みとは何か
無痛の五人組―痛みを感じないとはどういうことか
こっちを向いてよ―注意をそらすことと想像の力
期待の効果―プラセボ、知覚、そして予測
痛みの意味―情動と心理の力
痛みなければ益もなし―苦痛と快楽、そして目的
誰かの「痛い」を知覚する―痛みが伝染する理由
心をひとつに―社会的な痛み
信じることで救われる―信念と枠組み
静かなるパンデミック―持続痛クライシス
暴走する脳―痛みはなぜ残るか
痛みの革命―持続痛をめぐる新たな希望

著者紹介

ライマン,モンティ (ライマン,モンティ)   Lyman,Monty
オックスフォード大学医学部リサーチ・フェロー、皮膚科医。オックスフォード大学、バーミンガム大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンに学ぶ。タンザニアの皮膚病調査についてのレポートで2017年にWilfred Thesiger Travel Writing Awardを受賞。デビュー作The Remarkable Life of the Skin:An Intimate Journey Across Our Surface(Bantam Press,2019)(塩崎香織訳『皮膚、人間のすべてを語る』みすず書房、2022)は英国王立協会科学図書賞の最終候補作になるなど高い評価を得ている
塩崎 香織 (シオザキ カオリ)  
翻訳者。オランダ語からの翻訳・通訳を中心に活動。英日翻訳も手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)