• 本

資産格差の経済史 持ち家と年金が平等を生んだ

出版社名 みすず書房
出版年月 2025年5月
ISBNコード 978-4-622-09781-5
4-622-09781-8
税込価格 3,960円
頁数・縦 214,40P 20cm

商品内容

要旨

「わたしたちが生きている時代は比類のない不平等の時代なのではないだろうか?広く受け入れられているナラティブは、そう、そのとおりだと主張する。その道筋は19世紀ヨーロッパから始まり、低い税率と最小限の市場規制によって野放しの資本蓄積が可能となって、それが二つの世界大戦まで続いたのち、累進課税政策によって富裕層の財産が減少した。しかし、と物語は続き、20世紀後半になってこの流れが押し返され、富の不平等は歴史的な高水準へと押し上げられてしまった…このお話は、魅力的ではあるが、大きな欠陥をかかえている。この本の目的は、富の歴史にまつわる枠組みを作り直すことにある。最新の歴史的データをてこに、既存の研究も踏まえながら、富の平等化の主たる触媒は戦争による破壊でも累進課税制度でもない、と主張する。…本当のゲームチェンジャーはふつうの市民のあいだでの資産所有の拡大であり、その原動力の大半が自宅所有と年金貯蓄だった」(はじめに)。

目次

前向きなストーリーを掘り起こす
1 富の構築(富の蓄積の歴史
変わりゆく富の性質
自宅と年金―家計の富の二つの柱)
2 富の不平等(20世紀の富の大平等化
富の大平等化を探る
隠れたオフショア資産
公共部門の富
相続と富の不平等
結論と政策洞察)

著者紹介

ヴァルデンストロム,ダニエル (ヴァルデンストロム,ダニエル)   Waldenstr¨om,Daniel
スウェーデン、ストックホルムにある産業経済学研究所(Research Institute of Industrial Economics:IFN)経済学教授。同研究所では「課税と社会」研究プログラムを主導している。2009年、ストックホルム経済大学で経済学のPh.D.を取得後、ルンド大学で経済史のPh.D.も取得。その後、ウプサラ大学、パリ経済学校、UCLAで教鞭をとる。専門は経済的不平等、財政政策、経済史
立木 勝 (タチキ マサル)  
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)