• 本

中受 12歳の交差点

出版社名 講談社
出版年月 2025年6月
ISBNコード 978-4-06-539910-1
4-06-539910-6
税込価格 1,650円
頁数・縦 217P 20cm

NetGalley 会員レビュー

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

自分自身は中学受験はしていないし、自分の子にもさせてないので、何のために苦しい思いをしながらも中学受験をするのか、世間には色々な意見や方針があるのは理解していながらも、ピンと来ていないところがあった。だけど、作中に中学受験が救いの手になる可能性もあることが描かれていて、まだ見ぬ未来への選択肢を考えるきっかけにもなる作品だなぁ、と認識を改めるきっかけとなりました。なれるとか、なれないとかではなく、好きかどうかが大切って、シンプルだからこそ心にぐっとくるし、悩みながらも自分の納得いく未来を引き寄せるため頑張り続ける登場人物たちの姿に心があつくなり、何度も何度も涙をぬぐってしまいました。

教育関係者

おすすめ度おすすめ度★5

いまや中学受験は「御三家レベルに勉強ができる子ども」だけの世界ではなく、自分が自分らしくあるために生きる道と環境を得るためのもの、に変化している。そして私もそういう子たちが、巣立っていくのを見送ってきた。この本は、ぜひ親御さんに読んでもらいたい。だけどこの世界を知らない人たちが読んでも、子どもたちの心の動きに感動するだろう。大人が思うほど、子どもは子どもじゃないし、かといって大人ではない。そして子どもが思うほど、大人って大人じゃないし、子どもの心も持っているものだ。それをリアルに描き出した一冊だ。

レビュアー

おすすめ度おすすめ度★5

理想と現実のギャップにストレスを感じていた主人公3人が、中学入試に関わる中でそれぞれの生き方を見出していきます。一風変わった背景に、見たことがない展開。これは中学受験モノとしてはどこか異質。でも、だからこそ面白い!中受界隈のアナザーサイドを描いているという点で、これを読めば中学受験がわかるという作品ではないかもしれません。しかし子どもの成長物語という点では、まさに王道ど真ん中。歪んだ人生観からの目覚めなど核心を突いた教訓も盛りだくさんです。しかも夢にも思わなかった展開になる終盤の迫力は、まさに鳥肌もの。とくに、担任の先生の想いがあらわになる瞬間はぜひとも見てほしいです!

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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商品内容

要旨

難関都立中学を受ける新、自分に合った私立中学を探す広翔、小6の12月にAO入試を知るつむぎ。三者三様の物語があなたの背中を押す!

出版社・メーカーコメント

『サイコーの通知表』『だれもみえない教室で』など学校における子どもたちの生きづらさに寄り添った作品を生み出し続ける児童文学作家・工藤純子。書き下ろし最新作のテーマは、加熱する「中学受験」!都立中学の受検(適性検査)、私立中学の受験、AO入試。三者三様の動機と道のりから、受験のリアルを描き出します。−−「学歴」というのは、ゲームでいう「武器」のようなものだ。いい学歴は最強の武器になる。だったら、ゲームオーバーにならないために、そのアイテムを獲得するのは当然のことだ。中学受験は、そのために必要なこと。ステージをクリアしていくため「魔法の鍵」。そう感じ取って、「ぼくも中学受験する!」と、その場で宣言した。(本文より)小学6年生の新は、都立中学合格を目指し、進学塾に通いながら勉強漬けの日々を送っている。かつて夢中だったサッカーを辞め、中学受験にすべてをかけてきた。しかし模試の成績が下がり、塾の先生からも私立受験の提案を受け、ふがいなさに心が揺れる。そんな折、あこがれだった従兄が有名高校を中退したことを知り、「進学校に行けば成功するわけではない」と思い知らされる。なんのために、誰のために受験をするのか? 悩む新。一方、クラスメイトから軽く扱われがちな広翔は、自分の意見をうまく言えず、自分のことを透明人間のように感じていた。広翔にとって学校とは「楽しくない場所」なのが当たり前。しかし私立中学の見学に行き、「ここなら友だちができるかもしれない」と自分なりの受験を決意する。バレーボールに打ち込むつむぎは、勉強が得意とはいえない。近所の公立中学にはバレーボール部がなく、中学生になったらバレーをやめなければならないと思っていた。だが、憧れのバレーボール選手の言葉をきっかけに、ペーパーテストではない「AO入試」があるということを知る。6年生の12月という遅い時期から、家族一丸となり合格を目指し……。「中受」を考えている方、「中受」真っ最中の方、「中受」を終えた方、そして保護者の方にも読んでいただきたい一冊です。

著者紹介

工藤 純子 (クドウ ジュンコ)  
東京都生まれ。2017年、『セカイの空がみえるまち』(講談社)で第3回児童ペン賞少年小説賞を受賞。日本児童文学者協会会員。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)