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すみだ川・新橋夜話 他一篇

岩波文庫

出版社名 岩波書店
出版年月 1987年9月
ISBNコード 978-4-00-310422-4
4-00-310422-6
税込価格 968円
頁数・縦 337P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 濹東綺譚」や「腕くらべ」などもそうですが

    濹東綺譚」や「腕くらべ」などもそうですが、永井荷風の作品ってよく考えれば、最下層の私娼窟を描いているので、まさしくエロくて下品で悲惨で猥雑な内容なのですが、不思議と江戸時代の浮世絵を見ているように錯覚してしまいます。『新橋夜話』も春信、清長あたりの揃物にでもありそうな男女の交情を描いてます。本当のお坊ちゃまがとことん社会と断絶して、遊興に一生費やす人生だからこその筆力なんでしょうね。

    (2009年1月25日)

商品内容

要旨

母を常磐津の師匠に、伯父を俳諧の宗匠に特つ中学生長吉の、いまは芸妓になった幼馴染お糸への恋心を、詩情豊かに描いた『すみだ川』。また花柳界に遊んだ作者が、この世界の裏面をつぶさに見聞しみずからも味わった痛切な体験を、それぞれ独立した小篇に仕立ててなった『新橋夜話』のほか、『深川の唄』を加えて1冊とした。