• 本

豆腐小僧双六道中ふりだし 文庫版

角川文庫 き26−45

出版社名 角川書店
出版年月 2010年10月
ISBNコード 978-4-04-362008-1
4-04-362008-X
税込価格 1,100円
頁数・縦 710P 15cm
シリーズ名 豆腐小僧双六道中ふりだし

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • 悩める妖怪・豆腐小僧!!

    巷では、ひそかに妖怪ブームが起きているようで、妖怪ファンとしては嬉しいかぎりです。昔から人間をからかったり恐怖に陥れたりするとして、決して好まれてきた存在ではなかったと思いますが、妖怪の視点に立ってみてください。この物語を読むと妖怪の見方が変わります。 
    自らの存在理由に悩む豆腐小僧と、彼を温かく見守るその他の妖怪たちの可愛い姿に胸キュンしてください。

    (2011年1月10日)

  • 豆腐小僧?…実はスゴイやつ!?

    豆腐小僧という妖怪をご存知ですか。豆腐を持ってたたずむだけの小僧妖怪なのだそうで、へぇそんな妖怪いるの、という感じなのですが、この豆腐小僧がもし、重要アイテム「豆腐」を落としてしまったらどうなるのでしょう?ただの「小僧」になるのか、それとも消えてしまうのか…?そんな疑問を抱いた豆腐小僧は自らの存在理由を求めて旅に出ます。『手前はいったい何者なのでしょう?』、なんと深い問いではありませんか!?モノや情報が氾濫し、自分を見失っていると言われる現代人だけでなく、妖怪もアイデンティティを求めるのか!と衝撃を受けました。ところが読んでみると、「妖怪」というのはある意味人間よりもアイデンティティが重要なようで、それがちょっとでも崩されるとたちまち不確定な存在になったり別物になってしまうようです。ちょっと小難しいハナシかも?と思われますか?大丈夫です。語り口は愉快で、豆腐小僧はじめ登場する妖怪たちも愛らしく、そんな可愛らしい妖怪たちが自分たちの存在定義について重々しく議論するのですから思わず笑ってしまいます。読み終えた後はきっとあなたの中にも豆腐小僧が息づいているいるはず。ほら、後ろに……。

    (2010年11月26日)

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商品内容

要旨

江戸郊外のとある廃屋に、いつのまにやら棲みついていた1匹の妖怪、豆腐小僧。豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪である自分は、豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか―。思い悩んだ小僧は、自らの存在理由を求めて旅に出る!軽快な講談調で、小僧が出会う鳴屋や死に神、鬼火との会話の中から現れてくる妖怪論。妖怪とは、いったい何なのか?妖怪入門としても必読の痛快作。

おすすめコメント

お盆の豆腐に気をつけながら、自分探しの珍道中! 豆腐を載せた盆を持ち、ただ立ちつくすだけの妖怪「豆腐小僧」。豆腐を落としたとき、ただの小僧になるのか、はたまた消えてしまうのか。「消えたくない」という強い思いを胸に、自らの存在理由を求めて旅に出る―!   【著訳者紹介】 小説家・意匠家。1963年北海道生まれ。94年、妖怪小説『姑獲鳥の夏』で鮮烈な小説家デビュー。95年『魍魎の匣』(日本推理作家協会賞受賞)、97年『嗤う伊右衛門』(泉鏡花文学賞受賞)、02年『覘き小平次』(山本周五郎賞受賞)、03年『後巷説百物語』(直木賞受賞)。

著者紹介

京極 夏彦 (キョウゴク ナツヒコ)  
小説家、意匠家。1963年北海道生まれ。94年、かねてよりアイデアを温めていた妖怪小説『姑獲鳥の夏』で小説家デビュー。『魍魎の匣』で第49回日本推理作家協会賞、『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、『後巷説百物語』で第130回直木賞を受賞。様々なジャンルで読者を魅了し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)