• 本

波打ち際の蛍

角川文庫 し36−4

出版社名 角川書店
出版年月 2012年7月
ISBNコード 978-4-04-100389-3
4-04-100389-X
税込価格 704円
頁数・縦 229P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 綺麗な文章を書く作家さんで読む度に巧いなーとか、ここでその言葉を選ぶかと唸らせれていた。本作は、それが顕著だ。美しくて、危なっかしくて、痛々しい。今もはっきりと残っている傷を受け入れ、乗り越え、希望の光が差し込む。恋愛小説家として類稀な才能を持っておりこれからも多くの作品を読める幸せは何物にも代えがたい。「まばたきをして、まぶたに溜まった日差しを落としながら〜」なんて表現どこから出てくるんですか。

    (2012年8月26日)

商品内容

要旨

川本麻由はかつての恋人によるDVで心に傷を負い、生きることに臆病になっていた。ある日、カウンセリングの相談室で植村蛍という年上の男性に出会い、次第に惹かれていく。徐々に生活を取り戻し始めた麻由だったが、もっと彼に近付きたいのに、身体はそれを拒絶してしまう。フラッシュバックする恐怖と彼を強く求める心。そんな麻由を蛍は受け止めようとするが…。リアルな痛みと、光へ向かう切実な祈りに満ちた眩い恋愛小説。

出版社・メーカーコメント

蛍、あなたに触れたいのに――。 DVで心の傷を負い通っていたカウンセリング室で麻由は蛍に出逢い心惹かれていく。彼を恋う気持ちと不安。相反する気持ちを抱えながら、麻由は痛みを越えて足を踏み出す。切実な祈りに満ちた恋愛小説。   【著訳者紹介】 1983年東京生まれ。03年高校在学中に『リトル・バイ・リトル』が芥川賞候補となり、同年野間新人文学賞を史上最年少で受賞。05年『ナラタージュ』が各界の絶賛を受け、同書は累計40万部を超えるベストセラーに。近著に『あられもない祈り』『アンダスタンド・メイビー』など。

著者紹介

島本 理生 (シマモト リオ)  
1983年東京生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年都立高校在学中に『リトル・バイ・リトル』が芥川賞候補となり、同年野間文芸新人賞を史上最年少で受賞。『生まれる森』(04年)、『大きな熊が来る前に、おやすみ。』(06年)も芥川賞候補となる。05年書き下ろし恋愛長編『ナラタージュ』が各界の絶賛を受け、同書は累計40万部を超えるベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)