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冬の夜ひとりの旅人が

白水uブックス 207 海外小説永遠の本棚

出版社名 白水社
出版年月 2016年10月
ISBNコード 978-4-560-07207-3
4-560-07207-8
税込価格 1,980円
頁数・縦 360P 18cm

商品内容

要旨

あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は三十頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ…。繰り返し中断され続ける小説を追いかけて世界をめぐる“男性読者”と“女性読者”の冒険。「文学の魔術師」による究極の読書小説。

おすすめコメント

文学の魔術師による究極の〈読書〉小説 あなたはイタロ・カルヴィーノの新作『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている。しかしその本は30頁ほど進んだところで同じ文章を繰り返し始める。乱丁本だ。あなたは本屋へ行き交換を求めるが、そこで意外な事実を知らされる。あなたが読んでいたのは『冬の夜ひとりの旅人が』ではなく、まったく別の小説だったのだ。書き出しだけで中断されてしまう小説の続きを追って、あなた=〈男性読者〉と〈女性読者〉の探索行が始まる。大学の研究室や出版社を訪ね歩くうちに、この混乱の背後に偽作本を作り続ける翻訳者の存在が浮上するのだが……。様々な文体を駆使したメタフィクションの手法を用いて、「あらゆる本を書く」という不可能事に挑み、読書という不思議ないとなみ、その至上の歓びを謳いあげる文学の魔術師<Jルヴィーノによる究極の〈読書〉小説。

著者紹介

カルヴィーノ,イタロ (カルヴィーノ,イタロ)   Calvino,Italo
1923年、キューバに生まれる。父親はイタリア人の農学者、母親は植物学者。2歳の頃、一家でイタリアのサン・レーモに移住。トリノ大学農学部に進学し、第2次世界大戦中はパルチザンに参加、戦後、その体験をもとに書き上げた長篇第一作『くもの巣の小道』(47)で、ネオレアリズモ小説の旗手として注目される。変幻自在な語りと実験的手法を駆使した作品で世界的な評価を受け、「文学の魔術師」と評される。1985年死去
脇 功 (ワキ イサオ)  
1936年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了(イタリア文学専攻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)