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シカの童女

出版社名 復刊ドットコム
出版年月 2018年7月
ISBNコード 978-4-8354-5590-7
4-8354-5590-8
税込価格 2,035円
頁数・縦 32P 27cm

商品内容

要旨

谷川でひろわれ仙人に大切に育てられた赤ん坊は、やがてシカの目のような美しい目をした童女に成長する。若殿の目にとまり館に住むことになった童女。しかし若殿がシカ狩りでシカの足を射た頃、童女はハスの花のつぼみを残して姿を消した…。今昔物語「鹿母夫人」が発想の原点の、殺生の悲しみを描いた作品。

おすすめコメント

「赤羽末吉の名作絵本」復刊第3弾!シカの目のように優しい少女の運命を描いた幽美な絵本 『なきたろう』『ひょうたんめん』で好評を博した赤羽末吉の復刊絵本、第3弾です。作は『銀色ラッコのなみだ』や「森のネズミたち」シリーズ等々、幼年童話や児童文学作家として数多くの名作を生み出している岡野薫子。 ある日、北の山に住む仙人は、谷川のそばでシカに見守れられながら泣いている女の赤ん坊をひろう。仙人は、その子を大切に育て、やがて赤ん坊はきれいな大きな目をした可愛い女の子になった。 不思議なことに、その子が足から血を流して歩くと、その跡にはハスの花が咲くという。 ある日、その評判を聞いた若殿さまが、女の子を訪ねてくる。ひと目見て女の子を気に入った若殿さまは、女の子を館に連れ帰ると、その子を見た誰もが優しい気持ちになるのだった。 ところが、ある日、若殿は大殿さまの言いつけでシカ狩りに行くことになり、それを聞いた女の子は、若殿を悲しい目でみつめた。 シカ狩りで若殿がシカの足を射た頃、女の子はハスの花のつぼみを残して姿を消すのだった。女の子はどこへ消えてしまったのか。残したつぼみを池に浮かべると…。 赤羽末吉の墨絵が美しい「和」の絵本。幽玄の美が再び甦ります。   ※本書は、1973年・あかね書房刊『シカの童女』を新たに編集し、新装復刊するものです。

著者紹介

岡野 薫子 (オカノ カオルコ)  
1929年東京都生まれ。科学雑誌の編集、科学映画の企画・脚本家を経て作家に。1964年、初めての長編『銀色ラッコのなみだ』(実業之日本社)でサンケイ児童出版文化賞、NHK児童文学奨励賞、動物愛護協会賞。『ミドリがひろったふしぎなかさ』(童心社)は講談社出版文化賞絵本部門受賞、創作バレエに脚色上演
赤羽 末吉 (アカバ スエキチ)  
1910年東京都生まれ。後に旧満州に渡る。帰国後は児童書の挿絵等に情熱をかたむけ、1959年日本童画会展で茂田井武賞を受賞。1965年に『ももたろう』(福音館書店)と『白いりゅう黒いりゅう』(岩波書店)で、さらに1968年に『スーホの白い馬』(福音館書店)で、それぞれサンケイ児童出版文化賞を受賞。1980年には、それまでの功績に対し、国際アンデルセン賞画家賞を日本人として初めて受賞。その後も国内外で多数の受章を重ねた。1990年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)