• 本

世界遺産を問い直す

ヤマケイ新書 YS040

出版社名 山と溪谷社
出版年月 2018年8月
ISBNコード 978-4-635-51050-9
4-635-51050-6
税込価格 968円
頁数・縦 205P 18cm

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要旨

観光資源になることから登録の可否が常に注目される「世界遺産」。ユネスコ総会で1972年採択された世界遺産条約に基づき、各国の推薦をもとに審議の上登録されるもので、日本からは1993年以来22の登録がある。だが世界遺産には自然と人間の関係が考慮されないなどの問題も生じているようだ。本書では、そうした世界遺産本来の目的から離れたとも考えられる諸問題について、日本の世界遺産(2018年に登録延期となった「奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島」を含む)のうち主に自然遺産を中心に推薦や登録に関わる経緯などを紹介しながら論じている。自然遺産と文化遺産を別々の機関が審査している現状で、自然と人々の信仰や慣習などが一体化したケースをどのように拾い上げるか、といった課題について著者から具体的提言もなされている。著者の吉田正人氏は筑波大学大学院教授。日本自然保護協会研究員として世界遺産条約批准促進に関わり、小笠原諸島世界自然遺産科学委員会、富士山世界文化遺産学術委員会委員を務める。吉田ゼミでは世界遺産条約における自然と文化の関係を研究している。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年09月25日]

商品内容

要旨

人と自然の相互関係を守るはずだった世界遺産条約。「自然遺産」と「文化遺産」の分断が進み、単なる観光地ブランドになってしまったのはなぜか?その今を問い直し、未来を考える。

目次

第1章 世界遺産条約における自然と文化の関係
第2章 白神山地―狭められた価値と誇張された価値
第3章 屋久島―利用と保全の狭間。そして、島民文化の再発見
第4章 知床―世界的なモデルとしての自然遺産管理
第5章 小笠原諸島―外来種対策の実験場
第6章 奄美大島・徳之島・沖縄島北部及び西表島
第7章 富士山と紀伊山地―文化遺産にとっての自然とは?
最終章 ふたたび世界遺産条約を問い直す

著者紹介

吉田 正人 (ヨシダ マサヒト)  
1956年千葉県生まれ。筑波大学大学院教授。千葉大学卒業後、日本自然保護協会研究員として世界遺産条約批准促進に関わり、小笠原諸島世界自然遺産科学委員会、富士山世界文化遺産学術委員会委員をつとめる。現在、筑波大学大学院世界遺産専攻吉田ゼミでは、世界遺産条約における自然と文化の関係を研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)