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うらめしい絵 日本美術に見る怨恨の競演

出版社名 誠文堂新光社
出版年月 2018年8月
ISBNコード 978-4-416-51667-6
4-416-51667-3
税込価格 1,980円
頁数・縦 255P 19cm

商品内容

要旨

「うらめしや〜」の決まり文句とともに現れる幽霊。思い詰めたような険しい表情の女性。乱世のなかで非業の死を遂げた者たち。このような負の感情を描いた絵に秘められた物語をひもとき、画家たちが描いた恐ろしくも人を惹きつけてやまない「うらみ」の世界を紹介します。

目次

円山応挙“返魂香之図”―愛する者の死を受け入れられない現世の人の執着が出現させた幽霊
月岡芳年“幽霊之図うぶめ”―子供を抱くことができなかった女が強い愛着のあまりにこの世にさ迷い現われる
小林永濯“菅原道真天拝山祈祷図”―政争に敗れた菅原道真は身の潔白を天に訴え、現身のまま天神となる
上村松園“焔”―激しい嫉妬と執心を抑えきれない己れの浅ましさを嘆く六条御息所
村上華岳“日高河清姫図”―恋の妄執にとらわれた若い娘が見せる切なくも恐ろしい人間の本性
鳥山石燕“大森彦七図”―筋骨隆々の勇壮な武者が怨霊の化身に気づく緊迫の一瞬
甲斐庄楠音“畜生塚”―抗うことの出来ない過酷な運命に直面し悲歎に暮れる豊臣秀次の妻妾たち
三代歌川広重“瞽女の幽霊”―非道に殺された盲目の遊芸人の復讐譚
鏑木清方“朧駕籠”―夫婦心中で死に切れなかった夫の無事を願う若妻の愛慕ゆえの未練
島成園“おんな(黒髪の誇り)”―黒髪に込められた情念を解き放ち自我と性を誇示する美しくも怖ろしい「新しい女」〔ほか〕

おすすめコメント

恐ろしくも人を惹きつけてやまない画家達が描いた「うらみ」の世界。胸の奥に押し殺してきた様々な想いと秘められた物語をひもとく。

著者紹介

田中 圭子 (タナカ ケイコ)  
学術博士。ロンドン大学SOAS大学院修了、立命館大学大学院博士課程を満期退学。クラーク日本美術文化研究センター、東京藝術大学大学美術館に学芸員として勤務。京都造形芸術大学専任講師を経て、東京都教育庁文化財調査担当学芸員、明治学院大学文学部非常勤講師。専門は近代日本美術史。日本美術における女性表象を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)