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戦争と日本アニメ 『桃太郎 海の神兵』とは何だったのか

出版社名 青弓社
出版年月 2022年1月
ISBNコード 978-4-7872-7442-7
4-7872-7442-2
税込価格 2,640円
頁数・縦 181P 21cm

商品内容

要旨

戦時下の日本で公開された日本初の長篇アニメーション『桃太郎 海の神兵』。その映像テクストを精緻に検証し、作品を支える社会的な背景を探って、『桃太郎 海の神兵』の映像技法の先駆性・実験性と、アジア・太平洋戦争と日本アニメーションの関わりを明らかにする。

目次

序章 なぜ、いま、『桃太郎 海の神兵』を再考するのか(佐野明子/堀ひかり)
第1章 『桃太郎の海鷲』の思い出(渡辺泰)
第2章 戦時下のユビキタス的情報空間―『桃太郎 海の神兵』を題材に(大塚英志)
第3章 『桃太郎 海の神兵』の異種混交性―テクストの越境性とナショナリズム言説について(堀ひかり)
第4章 『桃太郎 海の神兵』における表象のユートピア―虚構のリアリティーならびに“擬獣化”の起源(秦剛)
第5章 戦時下映画業界の統制とアニメーション―文化映画会社統合と軍委嘱映画(木村智哉)
第6章 『桃太郎 海の神兵』の実験と宣伝(佐野明子)
第7章 セルロイド上の帝国と冷戦―韓国初長篇アニメーション『ホンギルドン』における「庶子の美学」(キム・ジュニアン)

出版社・メーカーコメント

『桃太郎 海の神兵』は、1945年、戦時下の日本で公開された日本初の長篇アニメーション、国策アニメーションである。これまでは「日本初」という点で注目され、「プロパガンダ/平和」というイデオロギー的な側面から論じられてきて、映像テクストとそれを支える社会的な背景は正面から検証されてこなかった。本書では、『海の神兵』の映像テクスト分析を中心におこない、ユビキタス的なありよう、異種混交性・越境性、キャラクター造形の特異性を浮き彫りにして、『海の神兵』の映像技法の先駆性・実験性も明らかにする。『海の神兵』を支えた当時の文化映画業界や『海の神兵』の東アジアでの受容も掘り起こし、アジア・太平洋戦争と日本アニメーションの関わりを照射する。日本のアニメーション研究の第一人者・渡辺泰氏による「『桃太郎の海鷲』の思い出」も所収。

著者紹介

佐野 明子 (サノ アキコ)  
同志社大学文化情報学部准教授、国際日本文化研究センター客員准教授。専攻は映像文化論
堀 ひかり (ホリ ヒカリ)  
東洋大学文学部准教授。専攻はジェンダー論、視覚表象論、映像文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)