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犬に話しかけてはいけない 内陸アラスカのマルチスピーシーズ民族誌

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2022年10月
ISBNコード 978-4-7664-2845-2
4-7664-2845-5
税込価格 2,640円
頁数・縦 232P 19cm

商品内容

要旨

内陸アラスカではかつて「犬に話しかけてはいけない」という禁忌があった―。本書は、マルチスピーシーズ民族誌と環境人文学の視点から、フィールドワークを通してアラスカ先住民の人々と「自然環境」との関わりを描く。内陸アラスカ先住民の人々は、動植物や精霊、土地との関係性のなかで息をひそめながら暮らしてきた。「人間」が問い直されている今、彼らの「交感しすぎない」という知恵から「自然との共生」を再考する。

目次

第1章 マルチスピーシーズ民族誌へようこそ
第2章 ニコライ村への道のり
第3章 ワタリガラスのいかもの食い―ある神話モチーフを考える
第4章 犬に話しかけてはいけない―禁忌から考える人間と動物の距離
第5章 ビーバーとともに川をつくる―「多種を真剣に受けとること」を目指して
第6章 「残り鳥」とともに生きる―ドムス・シェアリングとドメスティケーション
第7章 カリブーの毛には青い炎がある―デネの共異身体をめぐって
第8章 コウモリの身内―環境文学と人類学から「交感」を考える
おわりに―内陸アラスカ先住民の知恵とは何か?

出版社・メーカーコメント

現在、自然と人間を分ける二分法に基づく人類学への反省から、他種との関係を通して人間を考える「マルチスピーシーズ民族誌」が勃興している。本書では、内陸アラスカ先住民と生き物との関わり、神話、禁忌を中心に「人間構築主義としてのマルチスピーシーズ民族誌」を構想。人新世を生きのびるための手がかりを模索する。

著者紹介

近藤 祉秋 (コンドウ シアキ)  
専門:文化人類学、アラスカ先住民研究。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)