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グレーゾーンと帝国 歴史修正主義を乗り越える生の営み

出版社名 勉誠社
出版年月 2023年3月
ISBNコード 978-4-585-32027-2
4-585-32027-X
税込価格 5,720円
頁数・縦 518P 22cm

商品内容

要旨

「抵抗」と「協力」のはざまで揺れる人々。戦時下の欧亜を照射する、比較歴史学の挑戦。“加害/被害”の二分法で捉えられない人びとの姿を「グレーゾーン(灰色の領域)」と呼んだアウシュヴィッツの生存者である作家プリーモ・レーヴィ。その思想に触発され、第二次大戦期の日独「帝国」下に現れた統治空間を新視角から注目し、「協力者」の実像解明に取り組む歴史学の新たな潮流。戦時社会を基底から問い直すことで、意図的な歴史の忘却と「修正」に対峙する、西洋史と東洋史の垣根を超えた共同研究の成果。

目次

第1部 「グレーゾーン」のパラダイム―概念と方法(「グレーゾーン」概念の諸系譜
プリーモ・レーヴィの「グレーゾーン」について―歴史研究における概念化に向けて
ナチ体制下でのユダヤ人協力者をめぐって―プリーモ・レーヴィの「グレーゾーン」を中心に
日本占領下上海文化の「グレーゾーン」をどう考えるか)
第2部 大戦期欧州における対独協力とグレーゾーンの諸相―国民国家の崩壊と新たな政治空間の出現(ナチ占領下フランスのグレーゾーン―ムーニエとミッテラン
第二次世界大戦期におけるリトアニア人行動主義戦線(LAF)の対独協力
「クロアチア独立国」に囚われたウスタシャの知識人たち)
第3部 帝国日本の占領と中国・東南アジアのグレーゾーン―既存秩序の動揺と変化(日中友好の「グレーゾーン」―戦時下の内山完造
上海文壇から見る「グレーゾーン」―日本占領下における楊之華の文学活動
中国青年党の対日協力―日中戦争下のグレーゾーン)

著者紹介

高綱 博文 (タカツナ ヒロフミ)  
日本大学名誉教授。博士(文学)。専門は中国近現代史、日中関係史、上海史
門間 卓也 (モンマ タクヤ)  
日本学術振興会特別研究員PD。博士(学術)。専門はユーゴスラヴィア史
関 智英 (セキ トモヒデ)  
津田塾大学学芸学部准教授。博士(文学)。専門は中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)