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白鶴亮翅

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2023年5月
ISBNコード 978-4-02-251904-7
4-02-251904-5
税込価格 1,980円
頁数・縦 276P 20cm

商品内容

要旨

ベルリンで一人暮らしをする美砂は、隣人Mさんに誘われて太極拳学校へ。さまざまな文化的背景の人びととの出会い、第二次大戦前後のドイツと日本の歴史に引き込まれ、名作を女性の視点で読み直す。

出版社・メーカーコメント

世界文学を切りひらく著者による、はじめての朝日新聞連載小説の書籍化。ベルリンで一人暮らしをする美砂。隣人Mさんは東プロイセンで生まれ、終戦前にドイツに引きあげてきた。美砂はプルーセン人の来し方を聞きながら、第二次大戦前後のドイツと日本の歴史に引き込まれ、土地からの追放、戦時の死者数、国や民族、境界について考える。ある日、Mさんに誘われて、太極拳学校に行く。ロシア人富豪のアリョーナ、お菓子づくりのベッカー、英語教師のロザリンデと共に、鶴が羽を広げるように右腕を力強く上げる太極拳の技「白鶴亮翅」を習う。美砂はクライストの短篇「ロカルノの女乞食」を翻訳する。このドイツの作家はなぜホームレスの老女に注目したのか。ハムレット、グリム童話、楢山節考、世界の名作を女性の視点から読み直してみると……。

著者紹介

多和田 葉子 (タワダ ヨウコ)  
1960年東京都生まれ。早稲田大学文学部卒業、ハンブルク大学修士課程修了、チューリッヒ大学博士課程修了。日本語とドイツ語で作品を手がける。93年『犬婿入り』で芥川賞、2000年『ヒナギクのお茶の場合』で泉鏡花文学賞、03年『容疑者の夜行列車』で伊藤整文学賞、谷崎潤一郎賞、05年ゲーテ・メダル、11年『雪の練習生』で野間文芸賞、13年『雲をつかむ話』で読売文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。16年ドイツのクライスト賞、18年『献灯使』で全米図書賞(翻訳文学部門)、20年朝日賞など受賞多数。著書に『ゴットハルト鉄道』『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』『旅をする裸の眼』『ボルドーの義兄』『言葉と歩く日記』『地球にちりばめられて』『穴あきエフの初恋祭り』『星に仄めかされて』『太陽諸島』ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)