福島第一原発事故の「真実」 検証編
講談社文庫 え35−2
| 出版社名 | 講談社 |
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| 出版年月 | 2024年2月 |
| ISBNコード |
978-4-06-532818-7
(4-06-532818-7) |
| 税込価格 | 1,815円 |
| 頁数・縦 | 627P 15cm |
| シリーズ名 | 福島第一原発事故の「真実」 |
商品内容
| 要旨 |
日本を救ったとされる、吉田所長ら東電作業員たちの決死の復旧作業だが、本当に事故の進展を食い止めたのだろうか?13年にわたって1500人以上を取材して判明した真実は、想像を絶するものだった。危機を救ったと思われた海水注入は原子炉に殆ど届かず、失敗と思われた作業で最悪の事態が免れていた。 |
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| 目次 |
第1章 なぜイソコン停止は見過ごされたのか? |



出版社・メーカーコメント
東日本壊滅はなぜ免れたのか? 取材期間10年、1500人以上の関係者取材で浮かび上がった衝撃的な事故の真相。他の追随を許さない圧倒的な情報量と貴重な写真資料を収録した、第一級のノンフィクションがついに文庫化。ドキュメント編は、事故発生の経過を緊張感溢れる迫真の筆致で描く思いも寄らない真相が次々明らかに真相1 吉田所長の英断「海水注入」はほとんど原子炉に届かなかった真相2 1号機で唯一残された冷却装置は40年間にわたり「封印」されてきた真相3 原子炉を救う減圧装置には、高温高圧になると動作しにくくなる弱点があった真相4 2号機の消防注水の失敗が皮肉にもメルトダウンの進行を遅らさせて「最悪の事態」を防いだ真相5 巨大な津波に備えて、津波対策に着手していた原発があった東日本壊滅が避けられたのは偶然の産物だった!?極限の危機。核の暴走を食い止めようと、吉田所長らは、爆発や被ばくの恐怖と闘いながら決死の覚悟で現場にとどまり、知恵を絞り出して、原子炉に水を入れ続けた。幸いにして、格納容器の爆発は免れた。当時の政府のシミュレーションでは、最悪の場合、福島第一原発の半径170キロ圏内がチェルノブイリ事故の強制移住基準に達し、半径250キロ圏内が、住民が移住を希望した場合には認めるべき汚染地域になるとされた。半径250キロとは、北は岩手県盛岡市、南は横浜市に至る。東京を含む東日本3000万人が退避を強いられ、これらの地域が自然放射線レベルに戻るには、数十年かかると予測されていた。10年にわたる取材で、この最悪シナリオが回避されたのは、消防注水の失敗や格納容器のつなぎ目の隙間から圧が抜けたりといった幾つかの偶然が重なった公算が強い。この事故では、当初考えられていた事故像が新たに発見された事実や知見によって、どんでん返しのように変わった例は枚挙に暇がない。この極限の危機において、人間は核を制御できていなかった。それが「真実」である