その〈脳科学〉にご用心 脳画像で心はわかるのか
出版社名 | 紀伊國屋書店 |
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出版年月 | 2015年7月 |
ISBNコード |
978-4-314-01129-7
(4-314-01129-7) |
税込価格 | 2,200円 |
頁数・縦 | 329P 20cm |
商品内容
要旨 |
「愛情を感じている脳」「買わずにいられない脳」「政治について考えている脳」「幸福感に浸っている脳」…ん?ちょっと待った!それっていったい―大衆受けしそうな“脳科学の知見を活用した”研究をマスメディアが喧伝することで、「心の働きが解明された!」と曲解されてしまいがちな現状を、精神科医と心理学者が豊富な事例をもとに解説し、本来あるべき姿を示す。「脳科学の濫用」と「神経中心主義」への警鐘。 |
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目次 |
序 脳科学の時代にあって見失われる“心” |
おすすめコメント
《脳科学リテラシーを身につけるために》 ビジネス、中毒研究、法廷などで使われる大衆受けしそうな脳科学の成果をメディアが喧伝することによって、心の働きが解明されたと曲解されている現状を、精神科医と心理学者が豊富な事例をもとに解説する。発展途上にある脳科学を実社会で応用する際に生じる問題を鋭く指摘し、その本来あるべき姿を示す。* * * 私たちが本書を書いたのは、錨(いかり)の役割を果たしたかったからだ。この企ての狙いは、脳科学やその代表的な道具である脳画像法を批判することではない。まず何よりも、無分別な脳科学について、すなわち、過剰な単純化、勝手気ままな解釈、さらには法や商業、臨床、哲学の領域における脳科学の時期尚早の応用を暴露することにある。第二に(といっても、これまた重要なのだが)、人間行動を理解するためには、脳は最も重要な分析のレベルであり、心(脳の活動の心理的産物)はたいした意味は持たないという思い込みが、ますます広まっている現状への批判にある。(エピローグ「脳よりも“心”」)