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鉱山(ヤマ)のビッグバンド

出版社名 白水社
出版年月 2016年8月
ISBNコード 978-4-560-09260-6
4-560-09260-5
税込価格 2,420円
頁数・縦 253P 20cm

商品内容

要旨

かつて東洋一といわれた三井金属神岡鉱山に誕生した、奇跡の音楽集団「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」。廃墟の風景から聞こえてくる「昭和」のドキュメント。

目次

序章 カミオカンデ
第1章 夢か、栃洞
第2章 孤高の人
第3章 人生のスラローム
第4章 あんちゃん
第5章 合同結婚式
第6章 乙女の祈り
第7章 天空のダンスパーティー
第8章 哀しきサキソフォン
終章 光と影

おすすめコメント

廃墟から聞こえる幻の楽団の響き 梶田隆章のノーベル物理学賞受賞で湧く、岐阜県飛騨市神岡町にあるスーパーカミオカンデ。その1000メートル上には、かつて東洋一の採掘規模を誇り、同時に「イタイイタイ病」の原因企業ともなった三井金属神岡鉱山の集落が、廃墟となって静かに眠っている。昭和30年代、鉱山が好景気に沸き返っていたころ、この地区には約800世帯、4000人が暮らしていた。社宅にはテレビ、冷蔵庫、洗濯機はもちろん、水洗トイレまで完備されており、まさに「天空の楽園」だったという。あるときそこに、「音楽は好きだけれど、楽器もない、譜面も読めない」鉱山労働者たちが集まり、「神岡マイン・ニュー・アンサンブル」なるビッグバンドが結成された。三交代制のなか猛練習を重ね、彼らは集落の人々を楽しませるばかりでなく、企業の音楽部等がその実力を競う産業音楽祭中部大会で13回連続優秀賞受賞という大記録を打ち立て、東京でも公演を行う玄人はだしの集団となっていった。本書は廃墟の風景から聞こえてくる幻の音楽と彼らの熱い思いを、生存者への取材等から浮かび上がらせる、「昭和」のドキュメントである。

著者紹介

小田 豊二 (オダ トヨジ)  
昭和20年旧満洲ハルビン市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部卒業。出版社・デザイン会社勤務を経て、故井上ひさし率いる劇団「こまつ座」創立に参加。機関誌「the座」元編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)