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マクドナルド化した社会 果てしなき合理化のゆくえ

21世紀新版

早稲田文庫 015

出版社名 早稲田大学出版部
出版年月 2024年12月
ISBNコード 978-4-657-24012-5
4-657-24012-9
税込価格 1,980円
頁数・縦 665,19P 15cm
シリーズ名 マクドナルド化する社会

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要旨

およそ30年前に、社会学や経営学の分野で注目された言葉に「マクドナルド化(McDonaldization)」がある。世界的なファストフード・レストラン、マクドナルドに象徴される、社会のさまざまな領域で進行する「合理化」を示す言葉である。「タイパ」の流行など、現在もマクドナルド化に通じる現象は多く見られる。本書は、1993年に原書が刊行された『マクドナルド化する社会』の改訂版である『21世紀新版 マクドナルド化した社会』(2008年日本語版刊行)の文庫化。マックス・ウェーバーの近代合理化理論の現代版として展開される理論「マクドナルド化」について、その効率性、計算可能性、予測可能性、制御という四つの次元に沿って、事例を紹介しながら詳細に論じている。マクドナルド化は、特に企業側に合理化というメリットをもたらしたものの、レジ待ちの行列など顧客にとっての不便さ、均質化、そして「人間性の否定」といった深刻な非合理性を生じさせたのだという。著者はメリーランド大学名誉教授。フォード自動車会社で労務管理を担当した後、コーネル大学で博士号を取得し、いくつかの大学を経て1974年よりメリーランド大学教授に就任した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年6月13日]

商品内容

要旨

この本は、基本的に社会批判の書物である。マクドナルド社には、その拡張を促進した多数の利点があり、その利点がこの本の随所で指摘される。それでも、マクドナルド社とそのクローンは、その利点を人びとに知らしめるための絶好の機会をもち、またそのために巨額な資金を投入している。この本は、マクドナルド化が生みだした問題、またこれがもたらしている危険に焦点を合わせることによって、どちらかと言えばバランスを欠いている世論に一石を投じるつもりである。

目次

1章 マクドナルド化の手ほどき
2章 マクドナルド化とその先駆者たち―鉄の檻からファストフード工場へ
3章 効率性―ドライブスルーとフィンガーフード
4章 計算可能性―ビッグマックと小さなフレンチフライ
5章 予測可能性―丘の小さな家に雨は降らない
6章 制御―人間と産業ロボット
7章 合理性の非合理性―「楽しげに行列している」者たちの交通渋滞
8章 グローバル化とマクドナルド化
9章 世界の変化とマクドナルド化―果たして限界はあるのか
10章 マクドナルド化と付き合う―役に立つ案内

著者紹介

リッツア,ジョージ (リッツア,ジョージ)   Ritzer,George
1940年、ニューヨーク生まれ。メリーランド大学名誉教授。ニューヨーク市立大学で心理学を学び、ミシガン大学で修士号を取得したのち、フォード自動車会社で労務管理を担当。その後、コーネル大学で博士号を取得し、いくつかの大学を経て1974年よりメリーランド大学教授に。1993年『マクドナルド化する社会』(正岡寛司監訳、早稲田大学出版部、邦訳は1999年)を出版し、一躍世界的に著名な社会学者の一人となる
正岡 寛司 (マサオカ カンジ)  
1935年、広島市生まれ。早稲田大学文学部教授を経て、2006年より同大学名誉教授。元日本家族社会学会会長。2024年2月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)