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いつもおなじ雪といつもおなじおじさん ヘルタ・ミュラーエッセイ集

出版社名 三修社
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-384-06028-7
4-384-06028-9
税込価格 3,630円
頁数・縦 345P 19cm

商品内容

要旨

ノーベル文学賞受賞作家、ヘルタ・ミュラーの世界に踏み入るための入口。未発表作品を含めた18のエッセイ、講演を所収。生の経験と虚構作品の「あいだ」にある、架橋しがたい関係の機微と知と情から練り上げられた魅力を垣間みる珠玉のエッセイ集。

目次

どんな言葉も悪魔じみた回帰に無縁ではいられない
テーブルスピーチ
いらないことは考えないこと 時代批判文学に贈られるホフマン・フォン・ファラスレーベン賞への謝辞
クリスティーナとそのまがいもの、あるいは秘密警察の記録文書に載っていること/いないこと
ラレレ、ラレレ、ラレレ、あるいは生は美しいのかもしれない、無に等しいほどに
図体はこんなに大きく、モーターはこんなに小さい
いつもおなじ雪といつもおなじおじさん
細い通りをたどること
トウモロコシは黄金色、時間がない
誰かがしかし姿を消すと、小犬がしかし泡からそびえたつ オスカー・パスティオールのありきたりではないありきたり
なのに、ずっと黙っていた オスカー・パスティオールと「石のオットー」
人はつかみかかってくるものを見ようとする カネッティの「群衆」とカネッティの「権力」
どんな物もそれが在る場所を占めなければならないこと、わたしがそうであるところの者でなければならないこと M・ブレケル『すぐそばにある、ありそうにない現実から』
水たまりのほとりではどの猫も違った跳ね方をする
小さな停車駅のまなざし ユルゲン・フックスにおける記憶の方眼紙
わたしの身体がわたしを見捨てるとき E・M・シオランの死に寄せて
不安は眠りにつくことができない テオドール・クラーマーの詩に寄せて
「世界、世界、わが愛しき世界」わたしが唄うのを聴く人は、あたまが空っぽと思いこむ マリア・タナセと彼女の歌

著者紹介

ミュラー,ヘルタ (ミュラー,ヘルタ)   M¨uller,Herta
1953年、ルーマニア・バナート地方、ニッキードルフにドイツ人マイノリティとして生まれる。1987年にルーマニアからベルリンに移住。クライスト賞(1994年)、ノーベル文学賞(2009年)など多数の文学賞を受賞。近年の受賞に、「理解・寛容賞」(ベルリン・ユダヤ博物館、2022年)、「国際かけはし賞」(ヨーロッパ都市ゲルリッツ/ズゴジェレツ、2022年)などがある。ここ数年はコラージュ作品を精力的に刊行するとともに、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエル・ガザ紛争について論評を発表するなと、全体主義体制に対する仮借ない批判を続けている
新本 史斉 (ニイモト フミナリ)  
1964年、広島県に生まれる。明治大学教授。専門はドイツ語圏近現代文学、翻訳論、ヨーロッパ越境文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)