書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
今から2年前、75歳直前で出版された「信長の棺」が、これが著者のデビュー作ながら15万部を超えるベストセラーとなったことは、まだ記憶に新しい読者もいることだろう。著者は長らく経営実務に携わり、そこで培った経験から中小企業経営者の成功の過程が戦国武将の出世の姿と重なることを実感した。そしてそのことが著者の作品を貫くテーマとなっているようだ。さて、本作品は羽柴秀吉を主人公に、この武将が本能寺の変をきっかけに天下の覇者として成り上がっていく姿を通じて、その内面の変化を浮き彫りにする。上巻はストーリー的には前作の焼き直しであるが、成功の過程で秀吉の心に矛盾が生じてゆくさまが胸に迫る。自らを貴族の末裔だと信じ、無益な殺生はせぬとの矜持が、権力を引き寄せるにつれて音を立てて崩れてゆくあたりが本巻の読みどころである。
(2007年5月19日)
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商品内容
要旨 |
「本能寺の変」の後、遠く離れた地から電光石火で京に戻り、謀反人・明智光秀の首を取る。この「中国大返し」に太閤伝説最大の謎が潜む。信長の跡目争いに羽柴秀吉を突き動かした、ある使命とは。そして本能寺に隠された秘密とは。史実の行間をスリリングに読み解く本格歴史ミステリー。 |
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おすすめコメント
「『覇王』を地獄へと導く手だては・・・」。軍師・竹中半兵衛が最期に残した恐るべき言葉。<ある使命> の成就を目論む秀吉は、天下獲りに手段を選ばない。その機知が後に自身を絶望の淵へ陥れると知らぬまま。