• 本

秀吉の枷 下

出版社名 日本経済新聞社
出版年月 2006年4月
ISBNコード 978-4-532-17070-7
4-532-17070-2
税込価格 1,760円
頁数・縦 366P 20cm
シリーズ名 秀吉の枷

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •  この下巻では、天下を手中にした秀吉が自らの後継者のため苦悩し、次第に心を蝕まれてゆく様子が描かれる。秀吉と淀の方との間に産まれたとされる男子が、実際は秀吉の実子ではなかったという説は歴史上の噂話としてよく知られている。本巻の後半では このことにまつわる陰謀を軸に、策略で世を渡ってきた男が他人の策により取り返しのつかない過ちを犯すという人生の悲哀がなんとも痛ましく感じられる。中小企業でいえば、後継者に恵まれないワンマン社長といった姿と重ねてみることができそうである。しかし全編通読してみて、目新しい虚構が目に付くものの、秀吉や信長といった歴史上の人物たちの従来からの人物像を変えるまでには至らない。前作に比べ印象が弱いのは、ストーリーが重なる部分が大きいところによるのだろう(のり)

    (2007年5月19日)

商品内容

要旨

比類なき軍事・政治手腕と財力を武器に天下を平定。官位も最高位に上りつめながら、独裁を強めた晩年は横暴で奇矯なふるまいへ。ついに人心は離れていく―そこにあるのは覇者の驕りか、後継不在への焦りか、それとも…桜花のように儚き栄華。豊臣秀吉の最期、物語は衝撃の結末を迎える。

おすすめコメント

天下人・秀吉を苦悩させる後継不在。豊臣政権存続のための一手は、悲劇の呼び水となった。東国平定、大陸侵略・・・。野望の末に自らが嵌った罠を覚った太閤は、甥・秀次に刃を向ける。そして、物語は衝撃の結末へ。

著者紹介

加藤 廣 (カトウ ヒロシ)  
1930年東京生まれ。新宿高校から東京大学法学部に学ぶ。中小企業金融公庫京都支店長、調査部長を歴任。山一証券に転じ、同経済研究所顧問、埼玉大学経済学部講師など。2005年に『信長の棺』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)