書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
この下巻では、天下を手中にした秀吉が自らの後継者のため苦悩し、次第に心を蝕まれてゆく様子が描かれる。秀吉と淀の方との間に産まれたとされる男子が、実際は秀吉の実子ではなかったという説は歴史上の噂話としてよく知られている。本巻の後半では このことにまつわる陰謀を軸に、策略で世を渡ってきた男が他人の策により取り返しのつかない過ちを犯すという人生の悲哀がなんとも痛ましく感じられる。中小企業でいえば、後継者に恵まれないワンマン社長といった姿と重ねてみることができそうである。しかし全編通読してみて、目新しい虚構が目に付くものの、秀吉や信長といった歴史上の人物たちの従来からの人物像を変えるまでには至らない。前作に比べ印象が弱いのは、ストーリーが重なる部分が大きいところによるのだろう(のり)
(2007年5月19日)
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商品内容
要旨 |
比類なき軍事・政治手腕と財力を武器に天下を平定。官位も最高位に上りつめながら、独裁を強めた晩年は横暴で奇矯なふるまいへ。ついに人心は離れていく―そこにあるのは覇者の驕りか、後継不在への焦りか、それとも…桜花のように儚き栄華。豊臣秀吉の最期、物語は衝撃の結末を迎える。 |
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おすすめコメント
天下人・秀吉を苦悩させる後継不在。豊臣政権存続のための一手は、悲劇の呼び水となった。東国平定、大陸侵略・・・。野望の末に自らが嵌った罠を覚った太閤は、甥・秀次に刃を向ける。そして、物語は衝撃の結末へ。