
前夜のものがたり
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2006年7月 |
ISBNコード |
978-4-06-213552-8
(4-06-213552-3) |
税込価格 | 1,870円 |
頁数・縦 | 272P 20cm |
書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
妻の小池真理子さんとともに直木賞夫婦作家である著者の、恋に迷う中年男性の心の機微をとらえた8つの短編集。著者のことを語る際にどうしても意識せずにいられないのが妻の小池さんである。彼女の作品はいい意味で予想を超えた裏切りが鮮烈な印象を残すことが多く、読み手に対するアピール度強烈なものがある。対してこの藤田氏の作品はといえば、あくまで落ち着いた、それでいて艶のある文章が心に染み入り、登場人物たちの息づかいを身近に感じる錯覚さえ覚えさせられる。人の迷いは尽きることはないが、とりわけ人生の最盛期を過ぎかけた中年男性にとってのそれは、残された時間との戦いである。挫折を味わった男が、恋に心ときめかせながらも現実に折り合いを付けてゆく姿を描いたこの作品、ふと「人生は妥協の産物である」といった言葉が頭をよぎるのである(のり)
(2007年10月19日)
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商品内容
要旨 |
転がり込んだ団地のベランダから見た水色の傘の女。あれは菜穂子だ。「仲がよすぎたから、神様が許さなかったんだと思う」16年前の菜穂子との別れが甦る。雨の日にだけ下を通る菜穂子に、今、私の心は揺れる。―「雨の前夜」中年男の惑いと決断を描く全8話。 |
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おすすめコメント
今日までの私は、迷いの中にいた。 明日になったら、跳んでみよう! 三角関係も、夫婦のごたごたも、愛の形も…… 中年男の心に去来する愛の過去・現在・未来。