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口語訳古事記 人代篇

文春文庫 み32−2

出版社名 文藝春秋
出版年月 2006年12月
ISBNコード 978-4-16-772502-0
4-16-772502-9
税込価格 880円
頁数・縦 521P 16cm
シリーズ名 口語訳古事記

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 文藝春秋社創立80周年記念として出版された『口語訳 古事記〔完全版〕』の文庫化作品である。膨大な分量のため、二分冊として刊行され、本巻は初代雄略天皇から第33代推古天皇までの時代を描く「人代(ひとよ)編」と名づけられている。目玉はなんといっても、ヤマトタケルの英雄譚。有名なクマソ退治の場面は圧巻。姫に化け、油断させてクマソに近づき剣で貫くという、知勇兼ね備えた英雄として描かれている。そのほかに本巻の大きな魅力となっているのは、日本各地の地名の由来である。例えば、焼津という地名はヤマトタケルが東征に赴いた際、だまし討ちで焼き殺されそうになり、剣で草をなぎ払い迎え火を焚いて窮地を脱したときの話からきている。ちなみに、三種の神器のひとつであるクサナギの剣の名の由来もここからきているという。巻末には地名索引も用意されており、資料的価値の面からもひじょうに充実した1冊である。 (のり)

    (2008年4月19日)

商品内容

要旨

神代篇に続くのは、三十三代にわたる歴代天皇の事績と、皇子や臣下の物語です。骨肉の争いや陰謀、英雄譚など「人の代の物語」を大いに御堪能下さい。該博な知識を駆使した注釈をはじめ、地名・氏族名解説や天皇の系図、参考地図、詳細な三種の索引などを付した口語訳の完全版。読み通せば、これで古事記のすべてが分かります。

目次

人の代の語りごと 前篇(初国知らしし大君―夢に教える神
サホビコとサホビメ―崩壊する兄妹の絆
ヤマトタケルの戦いと恋―天翔ける英雄
海を渡るオキナガタラシヒメ―戦う女帝
ホムダワケとオホサザキ―河内王朝の成立)
人の代の語りごと 後篇(オホサザキをめぐる女たち―苦悩する聖帝
オホサザキの息子たち―渦巻く陰謀
恋を貫く兄と妹―臣下たちの選択
苛立ち求めるワカタケル―最後の英雄
逃れ隠れるオケとヲケ―灰まみれの王子)

著者紹介

三浦 佑之 (ミウラ スケユキ)  
昭和21(1946)年、三重県生まれ。成城大学大学院博士課程修了。現存、千葉大学教授。古代文学、伝承文学研究専攻。平成15(2003)年、『口語訳 古事記』で第1回角川財団学芸賞を受賞。現在、ウェブ上で「神話と昔話 三浦佑之宣伝板」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)