書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
-
-
-
おすすめ度
- 平山書店 (秋田県大仙市)
文藝春秋社創立80周年記念として出版された『口語訳 古事記〔完全版〕』の文庫化作品である。膨大な分量のため、二分冊として刊行され、本巻は初代雄略天皇から第33代推古天皇までの時代を描く「人代(ひとよ)編」と名づけられている。目玉はなんといっても、ヤマトタケルの英雄譚。有名なクマソ退治の場面は圧巻。姫に化け、油断させてクマソに近づき剣で貫くという、知勇兼ね備えた英雄として描かれている。そのほかに本巻の大きな魅力となっているのは、日本各地の地名の由来である。例えば、焼津という地名はヤマトタケルが東征に赴いた際、だまし討ちで焼き殺されそうになり、剣で草をなぎ払い迎え火を焚いて窮地を脱したときの話からきている。ちなみに、三種の神器のひとつであるクサナギの剣の名の由来もここからきているという。巻末には地名索引も用意されており、資料的価値の面からもひじょうに充実した1冊である。 (のり)
(2008年4月19日)
-
おすすめ度
-
商品内容
要旨 |
神代篇に続くのは、三十三代にわたる歴代天皇の事績と、皇子や臣下の物語です。骨肉の争いや陰謀、英雄譚など「人の代の物語」を大いに御堪能下さい。該博な知識を駆使した注釈をはじめ、地名・氏族名解説や天皇の系図、参考地図、詳細な三種の索引などを付した口語訳の完全版。読み通せば、これで古事記のすべてが分かります。 |
---|---|
目次 |
人の代の語りごと 前篇(初国知らしし大君―夢に教える神 |