人は知のみにて生きるにあらず。音楽、チェロ演奏、能、落語、映画、科学史・科学哲学の第一人者である著者の自己形成の原点。

第１章　「私」を生み育てた時代とは
第２章　音楽に育てられた―チェロという楽器
第３章　「かたち」を育てた伝統―観る能、演ずる能
第４章　耳を育てた落語家たち―一期一会の名人の口跡
第５章　眼を育てた映画たち―もう一つの現実世界
第６章　思考を育てた言葉について―「読む・書く・話す」

知性を支える〈ものごと〉に感興する精神。幼少から音楽や能に親しみ、チェロを生涯の友とし、映画や落語に心から興じて育まれてきた精神の自己形成史。