• 本

いかにして民主主義は失われていくのか 新自由主義の見えざる攻撃

出版社名 みすず書房
出版年月 2017年5月
ISBNコード 978-4-622-08569-0
4-622-08569-0
税込価格 4,620円
頁数・縦 269,57P 20cm

商品内容

要旨

いまや新自由主義は、民主主義を内側から破壊している。新自由主義は政治と市場の区別を取り払っただけでなく、あらゆる人間活動を経済の言葉に置き換えた。主体は人的資本に、交換は競争に、公共は格付けに、だが、そこで目指されているのは経済合理性ではない。新自由主義は、経済の見かけをもちながら、統治理性として機能しているのだ。その矛盾がもっとも顕著に現れるのが大学教育である。学生を人的資本とし、知識を市場価値で評価し、格付けに駆り立てられるとき、大学は階級流動の場であることをやめるだろう。民主主義は黙っていても維持できるものではない。民主主義を支える理念、民主主義を保障する制度、民主主義を育む文化はいかにして失われていくのか。新自由主義が民主主義の言葉をつくりかえることによって、民主主義そのものを解体していく過程を明らかにする。

目次

デモスの崩壊
第1部 新自由主義的理性と政治的生(民主主義の崩壊―新自由主義が国家と主体をつくりなおす
フーコーの『生政治の誕生』新自由主義の政治的合理性の見取り図
フーコー再訪―ホモ・ポリティクスとホモ・エコノミクス)
第2部 新自由主義的理性を散種する(政治的合理性とガバナンス
法と法的理性
人的資本を教育する)
剥き出しの民主主義が失われ、自由が犠牲へと反転する

著者紹介

ブラウン,ウェンディ (ブラウン,ウェンディ)   Brown,Wendy
アメリカの政治哲学者。現在、カリフォルニア大学バークレー校政治学教授
中井 亜佐子 (ナカイ アサコ)  
一橋大学教授。専攻は英文学、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)