• 本

散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道

出版社名 新潮社
出版年月 2005年7月
ISBNコード 978-4-10-477401-2
4-10-477401-4
税込価格 1,650円
頁数・縦 244P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • これは戦記物ではありません。人間悲哀の生き様です。

    辞世の短歌も国策にそって改変された。 散るぞ悲しきが散るぞ口惜しと発表された。 硫黄島での敗戦5ヶ月前、本土防衛最前線で武器もなく補給の途絶えた中で戦わねばならなかった 兵士たちの苦しみ口惜しさそれを伝へたかった。 指揮官栗林中将。それも新聞では言葉を変へて発表された。 でも彼は最後まで家族への愛を文に託して玉砕した。 硫黄島のみならず、南の島の殆んど何ひとつ 補給はなく食料も弾もない中でみんな のたれ死にしていった兵士の何と多かった事か。 その兵士の殆んどが招集でかき集められた。 家族のある一家の大黒柱ばかりだった。 あの時代に生き合せた悲壮な運命を読んでほしい。 つい60年前のことだった。

    (2006年8月27日)

商品内容

文学賞情報

2006年 第37回 大宅壮一ノンフィクション賞受賞

要旨

娘よ!妻よ!絶海の孤島からの手紙が胸を打つ―水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した、本土防衛の最前線・硫黄島。その知略で米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲の心配をする愛情こまやかな父でもあった―。死よりも、苦しい生を生きた烈々たる記録。感涙のノンフィクション。

目次

第1章 出征
第2章 22km2の荒野
第3章 作戦
第4章 覚悟
第5章 家族
第6章 米軍上陸
第7章 骨踏む島
第8章 兵士たちの手紙
第9章 戦闘
第10章 最期

出版社
商品紹介

軍人として父として、命の一滴まで戦った総指揮官がいた。智謀を尽くした戦略で“米国を最も恐れさせた男”の姿を、家族への手紙とともに描く感動の人物伝。

おすすめコメント

娘よ! 妻よ! 父として夫として、命の一滴まで戦った総指揮官がいた――。  水涸れ弾尽きる凄惨な戦場と化した硫黄島。智謀を尽くした戦略で、米軍を最も怖れさせた陸軍中将栗林忠道は、粗末なテントに起居しながら、留守宅の幼い末娘を夢に見、お勝手の隙間風や空襲を心配する愛情細やかな父でもあった。絶海の孤島からの手紙が胸を打つ――知られざる総指揮官の姿を描く感涙のノンフィクション!

著者紹介

梯 久美子 (カケハシ クミコ)  
1961年、熊本県生まれ。北海道大学卒業後フリーライターとして、新聞、週刊誌などで数多くのインタビューや取材記事を手がける。『AERA』誌「現代の肖像」欄では、レギュラー執筆陣の一人として人物ルポルタージュを執筆。書籍の編集も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)