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考古学の地平 1

縄文社会を集落から読み解く

出版社名 六一書房
出版年月 2016年5月
ISBNコード 978-4-86445-081-2
4-86445-081-1
税込価格 3,300円
頁数・縦 200P 26cm
シリーズ名 考古学の地平

商品内容

目次

序 縄文の地平研究の歩み―縄文研究の新地平から地平へ
縄文集落研究と集落全体図―分析に使える基礎資料はどれだけあるのか
遺跡群研究の現状
「横切りの集落研究」から「横切りの遺跡群研究」へ―平均住居数という考え方がもたらすもの
集落の環状化形成と時間
縄文集落と景観の考古学―一時的集落景観論のアポリア
“場”と“もの”の考古時間―第2考古学的集落論
住居型式と集落形成
貯蔵穴の増加と集落の形成―縄文時代中期前葉の関東地方北東部の状況
土器系統からみた縄文集落―多摩ニュータウンNo.446遺跡の分析
土偶と出土状態―多摩地域の縄文中期前半の土偶多量出土遺跡の検討
まとめ 縄文の地平を越えて―集落および竪穴住居跡から縄文社会を読み解くために

おすすめコメント

集落から縄文社会を探る 縄文時代中期の関東・中部地方の環状集落とよばれる集落遺跡の実態を探る目的で、新地平グループと呼ばれる研究者を中心に数次にわたる研究会を重ねてきた。その成果をもとに、論をまとめたのが本書である。土井義夫、石井寛からの研究史を踏まえた提言を受け、黒尾和久が集落群研究の時期区分を問いただし、小林謙一が静的な理解であった環状集落を環状化集落として捉え直す。山本典幸が小林のフェイズ設定へ批判を加えつつ景観論へと止揚を試みる。異なる視点として、櫛原功一が住居型式から、今福利恵が土器型討論から、塚本師也が貯蔵穴から、中山真治が土偶の廃棄から、五十嵐彰が第2考古学的に環状集落を検討する。環状集落論の解体と再構築を提言する本書は、縄文研究の新たな地平を目指す一歩となろう。

著者紹介

小林 謙一 (コバヤシ ケンイチ)  
中央大学文学部教授。1960年神奈川県生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科日本歴史研究専攻博士後期課程修了(博士、文学)
黒尾 和久 (クロオ カズヒサ)  
国立ハンセン病資料館学芸部長。1961年東京都生まれ。東洋大学大学院文学研究科国史学専修修士課程修了
中山 真治 (ナカヤマ シンジ)  
府中市役所。1960年東京都生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒業
山本 典幸 (ヤマモト ノリユキ)  
早稲田大学文学学術院講師。1963年山口県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了(博士、歴史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)