内在の臨界 生の現象学と現代フランス哲学
出版社名 | 知泉書館 |
---|---|
出版年月 | 2025年9月 |
ISBNコード |
978-4-86285-446-9
(4-86285-446-X) |
税込価格 | 6,600円 |
頁数・縦 | 411P 23cm |
商品内容
要旨 |
ミシェル・アンリ(1922‐2002)によれば、従来の現象学は、可視的な地平に現象を送り返すという〈外〉や隔たりを介した「超越」の構造に基づいてきた。フッサールの「志向性」やハイデガーの「時間性」もこの超越の枠組みの中にあり、真に根源的な現象性を捉えていない。これに対し、アンリは「生の自己顕示」を純粋な現象性の場として提示し、世界の現出とは異なるもう一つの現象性の様態を提示する。そこでは、自己は隔たりなく自己自身を感受する「感情(sentiment)」として現れる。本書は、「内在(immanence)」という概念の可能性を、20世紀以降の現代フランス哲学、とりわけアンリの哲学を手がかりに探究する。アンリはフッサールやハイデガーの「歴史的現象学」に批判的な立場をとり、「生の現象学」を提唱した。この現象学は、「超越」に依拠する従来の現象学に対して、「内在」としての生の自己顕示を基礎づけるものである。しかし、アンリの「内在」概念は全面的に受け入れられるべきなのか。本書では、ドゥルーズ、レヴィナス、マリオン、バディウ、ラリュエル、クレティアン、マルディネ、デュフレンヌ、デリダといった現代フランスの哲学者9名との対話を通じて、アンリの「生の現象学」に対し多角的に批判・検討を行い、内在概念の限界や問題点を明らかにする。アンリの哲学の持つ独自性や意義だけでなく、その理論が抱える問題点・限界を明らかにし、「内在」のさらなる可能性とその刷新の方向性を探る。 |
---|---|
目次 |
序論 内在という概念 |