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X線と映画 医療映画の視覚文化史

視覚文化叢書 8

出版社名 青弓社
出版年月 2021年12月
ISBNコード 978-4-7872-7443-4
4-7872-7443-0
税込価格 4,620円
頁数・縦 305P 22cm

商品内容

要旨

十九世紀末から二十世紀初頭にかけて、生理学や神経学、病理学などの医学は「生命」をモニタリングするために、何を、どのように記録しようと試みたのか。顕微鏡やX線といった映像化技術を駆使して生命を把持し統制しようと格闘した歴史を、多様な事例と豊富な図版から明らかにする。

目次

序章
第1章 科学と映画
第2章 「破壊実験」―生理学における映画的刻印
第3章 神経学的まなざしの病因学
第4章 身体のミクロ物理学―顕微鏡と映画
第5章 分解される身体―X線と映画
第6章 女性とX線写真術という公的文化

出版社・メーカーコメント

19世紀末から20世紀初頭にかけて、生理学や神経学、病理学などの生命科学は、キモグラフやミオグラフなどの装置を使って「生命」を視覚化しようとしてきた。では、医学は「生命」をモニタリングするために、何を、どのように記録しようと試みたのか。医学を支えたそれら視覚技術は、映画などの映像文化とどのように結び付いていったのか。ゾウに6,000ボルトの電流を流す瞬間やイヌの拍動する心臓を記録する映画、てんかん発作のような不随意的な身体の動きを追う映像、ウサギの血液循環を顕微鏡で撮影した科学映画、そして、未知の光線で骸骨にされた人体内に再び生命活動を捉えようとするX線映画――。映像技術によって「生命」を明視しようとする科学的観察の欲望を、多様な事例と豊富な図版から明らかにする。それら医学の欲望が「生命」を把持し統制しようと格闘した歴史をたどり、現代のCTやMRIなどの画像技術へつながる医学的な映像実践と映画との関係を検証する映画研究・視覚文化論の成果。

著者紹介

カートライト,リサ (カートライト,リサ)   Cartwright,Lisa
カリフォルニア大学サンディエゴ校視覚芸術学科教授。専攻は視覚文化論、フェミニズム科学技術論
長谷 正人 (ハセ マサト)  
早稲田大学文学学術院教授。専攻は映像文化論、コミュニケーション論、文化社会学
望月 由紀 (モチズキ ユキ)  
東都大学幕張ヒューマンケア学部准教授。専攻は近代英哲学、倫理学、文化看護学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)