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老婦人マリアンヌ鈴木の部屋

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2021年2月
ISBNコード 978-4-02-251745-6
4-02-251745-X
税込価格 1,760円
頁数・縦 250P 19cm

商品内容

要旨

昔も今も人はせつなく老いていく。青い部屋で老婦人はベッドに横たわるが、ときにフランス小話も語る。宝石のヤフオクにはまるヘルパーのモエ、横浜でなりあがる介護実業家のトチ中野、見てくれはいいけれど甲斐性なしのリチャード、整形を繰り返す大道芸人のミッキー…仲間に囲まれた老婦人は、シニア婚活パーティーで意外な若き日の過去に出会うが…。パートナーと父母の介護と看取り、著者自らの大腸がんとうつ病の25年。辿り着いた快活で人間味たっぷりの「老活小説」。

出版社・メーカーコメント

●酒井順子さん推薦!介護する人、される人、そして介護で儲ける人。色気と欲気を惹き寄せるマリアンヌ鈴木の部屋は、何てカラフル! こんな風に老いてみたい。◯作家でフランス文学研究者の著者にとって、パートナーと父母の介護と最期を看取り、自らは大腸がんとうつ病の25年だった。ようやく辿り着いた快活で人間味たっぷりの「老活小説」。ダメ男や老いの入り口にたつ人びとのどこか陽気な連作短編集。◯昔も今も人はせつなく老いていく。横浜山手の洋館に住む老婦人は青い部屋のベッドに横たわるが、ときにフランス小話も語る。離婚・退職ののちにモエはヘルパー資格を取り、突然の宝石熱にとりつかれてネットオークションにはまっている。やり手の実業家のトチ中野は介護事業所「スマイル光」からモエをマリアンヌ鈴木宅に派遣した。トチの連れ合いで甲斐性なしのリチャードや美にこだわって整形を繰り返す大道芸人のミッキーなど、老婦人の仲間はひと癖あってみな愉快だ。トチ中野は地域包括支援センターでの人脈を通じて、シニア婚活パーティ「ひなげし会」を開催してひと儲けを企んでいる。老婦人はここで若き日の意外な過去に出会うが……。◯目次第一話 老婦人マリアンヌ鈴木の部屋第二話 雲根第三話 河童とマサイ第四話 薔薇の動物園最終話 マリアンヌ修復研究所

著者紹介

荻野 アンナ (オギノ アンナ)  
1956年横浜市生まれ。作家。慶應義塾大学文学部教授。フランス政府給費留学生としてパリ第四大学に留学し、ラブレーを研究、1986年ソルボンヌ大学博士号取得。1991年『背負い水』(94年文春文庫)で芥川賞、2002年『ホラ吹きアンリの冒険』(文藝春秋)で読売文学賞受賞。2007年フランス教育功労賞シュヴァリエ叙勲。2008年『蟹と彼と私』(集英社)で伊藤整文学賞受賞。2005年十一代目金原亭馬生師匠に弟子入り、金原亭駒ん奈を名乗る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)