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最小にして人類最大の宿敵病原体の世界 歴史をも動かすミクロの攻防

ブルーバックス B−2211

出版社名 講談社
出版年月 2022年8月
ISBNコード 978-4-06-529078-1
4-06-529078-3
税込価格 1,100円
頁数・縦 262P 18cm

商品内容

要旨

病原体たちが進化の過程で身に付けた、人類を操る感染戦略と生存戦略のしくみ。宿主に感染して、自らの子孫を効率よく増やして広める手段を持つ、さまざまな病原体のさまざまな戦略を紹介。また、新型コロナの流行で耳にするようになったこと、抗原、抗体、受容体とはなにか、変異はどう起こるか、空気感染、飛沫感染、エアロゾルの違い、自然免疫、獲得免疫など、感染症の知識も深まる一冊。

目次

第1章 病原体の正体(病原体ってなんだろう?
病原体の基礎知識 ほか)
第2章 歴史を変えた病原体たち(ペスト菌―中世ヨーロッパの悪夢
インフルエンザウイルス―人類に最後まで残る感染症 ほか)
第3章 身近な病原体たちの戦略(大腸菌―知名度ナンバーワン細菌の知られざる実態
麻疹ウイルス―免疫を記憶喪失にするウイルス ほか)
第4章 日本を襲う?要注意の病原体(コロナウイルス―世界が一変した21世紀のパンデミック
エボラウイルスと出血熱ウイルス―最も危険なウイルス ほか)

出版社・メーカーコメント

私たちのおよそ2000万分の1の大きさのウイルス。ゲノムのサイズもヒト全ゲノムが約62億塩基対、2万2千個のタンパク質をコードすると言われているのに対し、新型コロナウイルスはたった29種類のタンパク質しかもたず、遺伝情報の量も非常に少ない、シンプルな存在。なのに私たちはなぜ新型コロナウイルス翻弄されるのでしょうか。人類誕生から現在までの人の死因の累計第一位である感染症を引き起こす、ウイルスや細菌などの病原微生物(病原体)は、その小さな体と限られた遺伝情報量の中に、ヒトなどに感染して自らの子孫を効率よく増やして広めるための、巧妙で狡猾な生態を持つものばかりです。本書では、そんな病原体たちが進化の過程で身に付けた、さまざまな感染戦略、生存戦略を紹介します。宿主に寄生することに特化した構造や機能、生態などの高度な進化は、いずれも驚くほどうまくできたしくみで、なかなかエキサイティングな世界です。恐ろしいものであると同時に、その「見事な」までの病原体について知っておくことが、次なる病原体との戦いの備えになるかもしれません。

著者紹介

旦部 幸博 (タンベ ユキヒロ)  
滋賀医科大学医学部医学科病理学講座(微生物感染症学部門)准教授。1969年、長崎県生まれ。京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在籍中に滋賀医科大学助手へ。博士(医学)。2020年より現職。専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。著書に『コーヒーの科学』(講談社ブルーバックス)などコーヒー関連も多数
北川 善紀 (キタガワ ヨシノリ)  
滋賀医科大学医学部医学科病理学講座(微生物感染症学部門)講師(学内)。1976年、埼玉県生まれ。東京理科大学大学院基礎工学研究科(生物工学専攻)、大阪大学大学院医学系研究科(分子病態医学専攻)修了。博士(医学)。在学中は大阪大学微生物病研究所エマージング感染症研究センター(松浦善治教授)に所属。その後、国立感染症研究所感染病理部流動研究員を経て2006年より現職。専門は、ウイルス学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)