
戦場の精神史 武士道という幻影
NHKブックス 998
| 出版社名 | NHK出版 |
|---|---|
| 出版年月 | 2004年5月 |
| ISBNコード |
978-4-14-001998-6
(4-14-001998-0) |
| 税込価格 | 1,232円 |
| 頁数・縦 | 289P 19cm |
商品内容
| 文学賞情報 |
2005年
第3回
角川財団学芸賞受賞 |
|---|---|
| 要旨 |
武士道が唱える武士の潔癖な倫理・道徳。だが、武士は本当に正々堂々と戦い、卑怯な行いを嫌ったのだろうか。『平家物語』「越中前司最期」や『太平記』「阿保・秋山河原軍の事」をはじめとする、数多くのだまし討ちシーンを分析することから、謀略と虚偽を肯定する戦場独特の倫理感覚を明らかにする。「武士道」の虚像を剥ぐ画期的論考。 |
| 目次 |
序章 だまし討ちを考える―『平家物語』「越中前司最期」から |
| 出版社 商品紹介 |
武士道が唱える武士の潔癖な倫理観は真実の姿か?謀略と虚偽を肯定する戦場独特の倫理感覚を明らかにし、その虚像を剥ぐ画期的論考。 |


おすすめコメント
武士は本当に正々堂々と戦い、卑怯な行いを嫌ったのだろうか。『平家物語』や『太平記』をはじめ、数多くのだまし討ちシーンを分析。謀略と虚偽を肯定する戦場独特の倫理感覚を明らかにした一冊です。
内容抜粋
本書「序章 だまし討ちを考える」より
本書では、以下、日本の前近代の合戦において、敵・味方の間にルールや信義は成立していたのか、だまし討ちを非とし、正々堂々と戦うことを是とするような倫理観は存在したのか−−−といった問題を考えることを通じて、日本の兵や武士が、合戦の場でどのような倫理ないし行動原理に基づいて行動していたのかについて、考えたい。その考察は、戦争は果たして倫理を育てうるのか−−−という問いにつながってゆくはずである。なお、「だまし討ち」という言葉には、しばしば、味方を出し抜く類の行為、たとえば宇治川先陣をめぐる佐々木高綱の知略などの問題も含まれる。右に見た則綱と人見四郎の争いもそれに類するものであり、その種の味方をだます行為も、敵を討つだまし討ちと明らかに連続している問題だが、話の拡散を防ぐために、その種の行為についてはあまり取り上げない。考察の材料とするのは文献資料であり、とりわけ軍記物語などの文学作品が多い。上代については『古事記』などの神話をも用いる。これらの文献については、事実を伝えるものではないという批判が予想されるが、もちろん、筆者は、軍記物語などの記述を、ましてや神話をそのまま事実と考えているわけではない。しかし、ここで問題としたいのは、必ずしも「事実」としての事件ではなく、合戦に関わる意識、心性である。合戦がどのように感じられ、考えられていたか−−−という問題を考えるためには、それらの文献資料によるほかはない。