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「南京事件」の探究 その実像をもとめて

文春新書 207

出版社名 文藝春秋
出版年月 2001年11月
ISBNコード 978-4-16-660207-0
4-16-660207-1
税込価格 748円
頁数・縦 197P 18cm

商品内容

要旨

1937(昭和12)年12月、中国の南京に入城した日本軍は、以降3カ月にわたる軍事占領の間に、死者最大30万に及ぶ組織的大虐殺を行ったとして、戦後、軍事法廷で断罪された。この「南京事件」は、中国侵略の象徴として、六十余年を過ぎたいまも、日本に“反省”を迫る切り札となっている。他方で、虐殺はデッチあげ説、数万人説もあり、それぞれの「歴史認識」と相まって、激しい論争が続いている。本書は虐殺の有無を性急に論ずるのではなく、大虐殺があったという「認識」がどのように出現したかを、厳密な史料批判と「常識」による論理で跡づけた労作である。

目次

序論(「南京事件」とは何か
「南京事件」の今日的問題性 ほか)
第1部 国民党国際宣伝処と戦時対外戦略(マンチェスター・ガーディアン特派員Timperleyの謎
国民党国際宣伝処の成立 ほか)
第2部 「南京事件」判決の構造とその問題点(「南京事件」判決の成立
戦時対外宣伝には登場しない南京での「大虐殺」報道 ほか)
第3部 証拠史料をめぐる諸問題(日本語訳された英文資料
英文資料作成の背景 ほか)
第4部 「三十万人大虐殺説」の成立(死者の数量について
『スマイス』報告の徹底的検証 ほか)

出版社
商品紹介

まず結論ありの“神学論争”をやめ、大虐殺があったという「認識」がどのように出現したのかを、歴史学の基本に戻って分析検証する。

著者紹介

北村 稔 (キタムラ ミノル)  
1948年京都府に生まれる。京都大学文学部史学科(現代史専攻)を卒業。同大大学院博士課程中途退学。三重大学助教授を経て、現在、立命館大学文学部教授。法学博士。専攻は中国近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)