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流転の魔女

文春文庫 や48−3

出版社名 文藝春秋
出版年月 2015年12月
ISBNコード 978-4-16-790512-5
4-16-790512-4
税込価格 737円
頁数・縦 312P 16cm

商品内容

要旨

居酒屋で時給900円のバイトをしながら法律の勉強に励む中国人女子留学生・林杏は、ある日通訳を頼まれ、1万5千円もの報酬を手にする。「おせん」と名づけられた5千円札の女性は、財布から財布へあてのない旅へ出て、金銭欲まみれの世界の裏側を覗き見るが…。ユニークな構成でお金の魔性を描いた傑作長篇!

おすすめコメント

来日三年目、居酒屋で時給900円のバイトをしながら法律の勉強にはぜむ中国人女子大生の林杏(りんきょう)は、ふとしたきっかけで、カード犯罪で逮捕された中国人の通訳を務めることになる。4時間弱の労働で得た報酬は、15000円! 夕食にいつもより高いデザートをコンビニで買う。林は謝礼のお札をしげしげと眺め、一万円札の福沢諭吉に「万太郎」、5000円札の樋口一葉に「おせん」と名付ける。コンビニで支払われた「おせん」はあっという間に海を渡り、人間の欲まみれの世界を裏側から見つめることになるが――。貨幣は世の中を便利にする画期的な発明だけれど、それによって人生を狂わされたりもする。ユニークな構成と奇想天外な展開で好評を博した、傑作〈お金〉小説。解説・中島京子

著者紹介

楊 逸 (ヤン イー)  
1964年、中国黒龍江省ハルビン生まれ。87年、留学生として来日し、お茶の水女子大学文教育学部地理学専攻を卒業。在日中国人向けの新聞社勤務などを経て、日本大学特任教授。2007年、「ワンちゃん」で第105回文學界新人賞、08年、「時が滲む朝」で第139回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)