• 本

Nのために

出版社名 東京創元社
出版年月 2010年1月
ISBNコード 978-4-488-02455-0
4-488-02455-6
税込価格 1,540円
頁数・縦 245P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • Nのために

    「告白」で本屋大賞を受賞したのは、つい先ごろ。それをも凌ぐ話題作の登場だ。石垣島での出会いが、悲劇的な殺人事件へと進展する。作者はラブストーリーを描いたと言っているが、これはまさに極上のミステリー。愛という欲望を苦しくも、やりきれない闇の中で練り上げた筆致は圧巻である。モノローグ形式で綴られる連作長編は、湊かなえの真骨頂でもあるが、この作品でさらなる進化を印象づけた。

    (2010年2月9日)

商品内容

要旨

「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。

おすすめコメント

みんな一番大切な人のことだけを考えた。一番大切な人が一番傷つかない方法を考えた。・・・・・・穏やかな石垣島の浜辺で、杉下希美と安藤望は運命的に野崎夫妻と出会った。その出会いはある悲劇への序曲だった――。二年前の秋、台風による床上浸水をきっかけに、同じアパートに住む杉下、安藤、そして西崎真人の三人は親しくなる。それぞれに屈折とトラウマ、そして夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めていく。すべては「N」のために。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件の真相を、モノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。

著者紹介

湊 かなえ (ミナト カナエ)  
1973年広島県生まれ。武庫川女子大学卒。2005年第2回BS‐i新人脚本賞で佳作入選。07年第35回創作ラジオドラマ大賞受賞。同年「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し、翌08年受賞作を第一章とした連作長編『告白』を刊行。09年、同作で第6回本屋大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)