• 本

「都市の正義」が地方を壊す 地方創生の隘路を抜けて

PHP新書 1146

出版社名 PHP研究所
出版年月 2018年6月
ISBNコード 978-4-569-84088-8
4-569-84088-4
税込価格 1,012円
頁数・縦 310P 18cm

商品内容

要旨

地方を救うため、まず最初に行なうべきは、地方に仕事をつくること。「地方創生」はこの方針を掲げさまざまな取り組みを行っているが、地方にはすでに仕事がある。しかもそれは第一次産業や建設業など、日本人の日々の暮らしに必要不可欠のものだ。問題はそうした仕事の「職業威信」が低いことである。田舎の仕事は威信が低く、都会の仕事は威信が高い。そうした価値観は、いかにして醸成されてきたのか。さらに「選択と集中」「競争と淘汰」など、止むを得ないと見なされる「都市の正義」がはらむ罠を、地域社会学者が鋭く指摘する。

目次

第1章 検証・「地方創生」(日本創成会議の「地方消滅」論
政府の「地方創生」論)
第2章 都市化がもたらす人口減少(人口減少社会の正体
大都市圏の暮らしと地方の仕事―東京一極集中の正体 ほか)
第3章 東京から見た地方創生(「東京だけが頑張っている」という誤解
地方創生を首都圏から考える ほか)
第4章 都市の正義が地方を壊す(「地方消滅」から四年の経験
都市の正義から、多様なものの共生へ ほか)
第5章 人口減少を克服するための地方創生とは(みなで負担し、みなで享受する制度―社会の回復
地方創生の問題解決サイクルを検証する ほか)

おすすめコメント

地方の衰退は、カネや仕事の問題ではない。「地方創生」では解決できなかった本当の原因を見極め、都市と地方のあるべき関係を説く。

著者紹介

山下 祐介 (ヤマシタ ユウスケ)  
首都大学東京都市社会学部准教授。1969年生まれ。九州大学大学院文学研究科博士課程中退。弘前大学准教授などを経て現職。専攻は都市社会学、地域社会学、農村社会学、環境社会学。東北の地方都市と農山漁村の研究を行い、津軽学・白神学にも参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)