• 本

百年文庫 74

出版社名 ポプラ社
出版年月 2011年4月
ISBNコード 978-4-591-12162-7
4-591-12162-3
税込価格 825円
頁数・縦 185P 19cm

商品内容

要旨

「先生さん」の赤パンツは大漁を呼び寄せる。―そんな噂が広まって、とうとう村一番の頑固親父の船に乗ることになった中学教師。海と、海に生きる者たちの生命力が躍動する、近藤啓太郎の快作『赤いパンツ』。大勢の客でごった返す蒸気船。避暑地へ向かう「私」が隣り合わせた、怪しい老婆との長い夜(徳田秋声『夜航船』)。正月を迎える前に一儲け、船長のもくろみは厳しい自然に打ち砕かれた。漂流生活57日、実在の海難事件に取材した野上弥生子『海神丸』。波にもまれ、生の根源があらわにされる傑作三篇。

著者紹介

近藤 啓太郎 (コンドウ ケイタロウ)  
1920‐2002。三重県生まれ。東京美術学校を卒業後、千葉県鴨川で図工科教師の傍ら小説を書き、1956年『海人舟』で芥川賞を受賞。『奥村土牛』(読売文学賞)などの評論もある
徳田 秋声 (トクダ シュウセイ)  
1871‐1943。金沢生まれ。本名・末雄。尾崎紅葉に師事し、『雲のゆくへ』が文壇的出世作に。自然主義文学の書き手として、新聞小説を中心に活躍した
野上 弥生子 (ノガミ ヤエコ)  
1885‐1985。大分県臼杵市生まれ。本名・ヤヱ。15歳で上京し、明治女学校を卒業すると同郷の豊一郎と結婚。夏目漱石の影響下で小説を書き始めた。『秀吉と利休』(女流文学賞)などの著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)