• 本

忘却の野に春を想う

出版社名 白水社
出版年月 2022年1月
ISBNコード 978-4-560-09877-6
4-560-09877-8
税込価格 2,420円
頁数・縦 256P 20cm

商品内容

要旨

朝鮮からのコメ難民の一族に生まれ、周縁に追いやられた民の声に耳を傾けてきた姜信子と、南三陸のコメ農家に生まれ、近代以降に東北が受けた抑圧の記憶と3・11で負った深い傷を見つめ続ける歴史社会学者・山内明美による、近代を問い、命を語る往復書簡。

目次

奪われた野にも春は来るのだろうか/わたしは一度も春を見たことがないのかもしれない
春なき修羅の歌/大津波から八年目の朝に
失われた世界の「うた」、来たるべき世界の「うた」/近代で測れない“余白”
カミさまの不在/北極星としての生
ひそやかに「水のアナキスト」宣言/抑圧が埋め込まれ続ける土地で
杭の打ち合いからの逃走/DMZを考える
ケモノになる/行き詰まりのなかで
終わりとはじまり/九年目の“三陸世界”で
命をつなぐ/生き方の骨格
つながりをつなぐ、水俣への語りの旅/近代国家が内包する排他的愛
耳たちの民主主義/近代の業と非人(かんじん)
すんならじょろりば語りましょうかい/〈三陸世界〉から見つめ続ける
あとがきにかえて  この世は「いのちの母国」であれ/近代を包み込んでも余りある世界

出版社・メーカーコメント

朝鮮からのコメ難民の末裔である姜信子と、南三陸のコメ農家に生まれ育った歴史社会学者・山内明美による、近代を問い、命を語る往復書簡。

著者紹介

姜 信子 (キョウ ノブコ)  
1961年、横浜市生まれ。86年『ごく普通の在日韓国人』(朝日新聞社)でノンフィクション朝日ジャーナル賞受賞。著書多数。17年『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)で鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞
山内 明美 (ヤマウチ アケミ)  
1976年、宮城県南三陸町生まれ。宮城教育大学教育学部准教授。専攻は歴史社会学、農村社会学。日本の東北地方と旧植民地地域の双方をフィールドに、稲作とナショナリズムをテーマとする文化的政治にまつわる研究をしている。東日本大震災以後は、郷里の南三陸での農村調査も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)