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たとえば、葡萄

小学館文庫 お27−8

出版社名 小学館
出版年月 2025年10月
ISBNコード 978-4-09-407503-8
4-09-407503-8
税込価格 737円
頁数・縦 285P 15cm

出版社・メーカーコメント

ひたむきに生きる現代の大人女性への応援歌  まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。折悪しく時代はコロナ禍に向かってまっしぐら。閉塞感、不安感でいっぱいの時、転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。 誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。 何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。 今や歴史の一部になりつつあるコロナ禍の時代とそこに生きる人々を描き、改めて人との絆、働くとは、生きるとは、をさりげなく優しく感じさせてくれる作品。そして、登場人物たちは、大島作品好きならたまらない「あの」人々。 心に刺さる、巻末の有働由美子さんの解説原稿も必読です!  【編集担当からのおすすめ情報】  現在の仕事に就くずっと前から、大島さんが描く女性の生き方小説の世界が大好きでした。大島さんにお会いしてからずーっと「現代の女性の生き方小説をお願いします!」と拝み続け、いつも「心と頭が江戸時代にあって、現代に戻って来れないのよ〜」と笑い飛ばされる日々……。でも、ある日扉は突然開きました。「今、今なら書ける!今この小説を書かなければいけない時期!」と奇跡のような言葉が。それが「あの」コロナの時代だったのです。 大島さんの中には、16年前の愛しい人々が生きて暮らして歳を重ね、自分達の人生を歩いていたのです。直木賞作家・大島真寿美さんにとって当時12年ぶりの書き下ろし作品。待望の文庫化です